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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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【星幽塔】第一階層、第二のオーブ
【遺跡の奥へ】
その頃、空を飛んだレヴィ・カステラノスと遠野 まほろは一足早く遺跡の奥深くにやってきていた。
「……着いたみたいだね」
遺跡の最奥。
大きく開けた巨大な部屋の中に、その峻厳な佇まいを見せる古木は立っていた。
「……え、エンシェントエントさんっ！」
まほろは、思わずといったふうにその名前を呼びながら、巨木の根元まで駆け寄った。
幸い、周囲に敵の気配は感じられなかった。
『……う……う……』
古木はかさかさの幹にぽっかりとあいた虚のような空洞から、苦しげな息を漏らす。
見れば、その古木の幹や枝には、黒い狼につけられたと思しき、生々しい無数の傷跡があった。
「……ひどい」
まほろは、思わず口元を手で覆いつつ、はっと我に返るように自分に与えられた役割を思い出す。
（……お願い。上手くいって……）
まほろはその場で祈るように膝をつき、癒しの光を宿した白猫宝珠の杖を握る手に力を込める。
刹那、宝珠がほわりと輝いて、淡い光が古木をゆっくりと包み込んでいく。
すると、傷跡が、ゆっくりとであるが、確かに塞がっていくのがまほろの目にも見てとれた。
「……よかった。効いた……！」
『……む……おぬし、は……？』
やがて、古木がゆっくりと深い年輪の刻まれた瞼を持ち上げる。
「……よかった。気がついたんですね。あ、私は……」
まほろが自己紹介をしようとしたそのときだった。
『キヒヒッ』
と、身の毛のよだつような笑い声が、まほろの頭上から聞こえてきた。
『あらあらァ……またアンタたちなのォ……？』
「……っ。あなたはっ……！？」
まほろが特徴的な声の主――黒い影の少女の方へはっと向き直る。
少女は古木の枝の上に腰かけて、こちらを見下ろしていた。
「へぇ。あんたが噂の黒い影の少女かい？」
レヴィが少女に向かって、そう問いかける。
『キヒヒッ』
しかし、少女は答えない。
ただ邪悪な笑みとともに、何かの合図のように手を振り上げる。
その瞬間、どこからともなく現れた黒い狼が４匹が、四方から同時にまほろに襲い掛かった。
『……いかん……逃げろ……お嬢さん……』
古木が幹を震わせて、まほろを促す。その直後、古木は意識を失ってしまったようだった。
「……っ」
まほろも逃げようとする。が、突然の四方からの強襲に、逃げ場が見つからない。
と、そのとき、まほろのもとに魔風の光による突風が吹きつけた。
「きゃあっ！？」
まほろが小さく悲鳴を上げたときには、そこにレヴィが駆けつけている。
「掴まりな！ 上へ逃げるよ！」
「う、うん！」
レヴィがまほろを抱えて緊急離脱。
大きく距離を取り、改めて影の少女と狼達と対峙する。
どうやら黒い影の少女自身はこちらに積極的に仕掛けてくるつもりはないらしく、黒い狼達も今は古木よりもまほろとレヴィに狙いを定めているようだ。
「……ど、どうしよう？ 私は戦闘向きの能力じゃないし、相手の方が数も多いし……」
まほろが少し震えた声で、レヴィに問う。
だが、レヴィの声は少しも動じてはいない。
「面白いじゃないか。それでこそ、『ジャグ・フレイター』の本領が発揮できるってもんさ」
好戦的な笑みを浮かべると、レヴィはウエスタンベルトにさげた野太刀をすぅっと引き抜く。
「ちょいと暴れるから。巻き添え食わないように離れてな」
「う、うん」
視線は正面の狼から逸らさず、声だけ投げかけてくるレヴィの言葉にまほろは頷く。
「……で、でも怪我したときは言ってね。私が回復するから……」
「ああ、ありがとよ」
まほろの気遣いに感謝の意を示しつつ、すでにレヴィの心は戦闘態勢だった。
「さぁ開きか、はやにえか。なりたい奴から来な！」
太刀を構えるレヴィの声に応じるように、前衛の狼が二匹ほど群れをなして突っ込んでくる。
「あらよっ！」
レヴィはそれを避けるどころか真正面から受けて立った。
翼からブルドーザーのごとき唸りを上げて、地上すれすれを疾駆――すれ違いざまに切り裂く。
『！？！？！？』
二匹の狼のうちの一匹は断末魔を上げる暇さえも与えられず二枚に下された。
虎程の大きさを持つ黒い狼も、２ｍ半の巨体を持つレヴィの前には通常の狼とさほど変わらない。
『……もー。せっかく森の主を苛めて、オーブを奪うついでに、アステリズムも誘き出そうとしたのにィ……。邪魔する悪い子は狼の餌食にしちゃおっかなァ？』
黒い影の少女が、そんなレヴィの戦いぶりを傍観しつつ、キヒヒッと笑ったそのときのこと。
「――なるほど。やはり狙いにはフラン嬢も含まれていたわけか」
オペラ歌手のような、よく通り、よく響く声が遺跡の奥の空間に殷々と響いた。
その頃、空を飛んだレヴィ・カステラノスと遠野 まほろは一足早く遺跡の奥深くにやってきていた。
「……着いたみたいだね」
遺跡の最奥。
大きく開けた巨大な部屋の中に、その峻厳な佇まいを見せる古木は立っていた。
「……え、エンシェントエントさんっ！」
まほろは、思わずといったふうにその名前を呼びながら、巨木の根元まで駆け寄った。
幸い、周囲に敵の気配は感じられなかった。
『……う……う……』
古木はかさかさの幹にぽっかりとあいた虚のような空洞から、苦しげな息を漏らす。
見れば、その古木の幹や枝には、黒い狼につけられたと思しき、生々しい無数の傷跡があった。
「……ひどい」
まほろは、思わず口元を手で覆いつつ、はっと我に返るように自分に与えられた役割を思い出す。
（……お願い。上手くいって……）
まほろはその場で祈るように膝をつき、癒しの光を宿した白猫宝珠の杖を握る手に力を込める。
刹那、宝珠がほわりと輝いて、淡い光が古木をゆっくりと包み込んでいく。
すると、傷跡が、ゆっくりとであるが、確かに塞がっていくのがまほろの目にも見てとれた。
「……よかった。効いた……！」
『……む……おぬし、は……？』
やがて、古木がゆっくりと深い年輪の刻まれた瞼を持ち上げる。
「……よかった。気がついたんですね。あ、私は……」
まほろが自己紹介をしようとしたそのときだった。
『キヒヒッ』
と、身の毛のよだつような笑い声が、まほろの頭上から聞こえてきた。
『あらあらァ……またアンタたちなのォ……？』
「……っ。あなたはっ……！？」
まほろが特徴的な声の主――黒い影の少女の方へはっと向き直る。
少女は古木の枝の上に腰かけて、こちらを見下ろしていた。
「へぇ。あんたが噂の黒い影の少女かい？」
レヴィが少女に向かって、そう問いかける。
『キヒヒッ』
しかし、少女は答えない。
ただ邪悪な笑みとともに、何かの合図のように手を振り上げる。
その瞬間、どこからともなく現れた黒い狼が４匹が、四方から同時にまほろに襲い掛かった。
『……いかん……逃げろ……お嬢さん……』
古木が幹を震わせて、まほろを促す。その直後、古木は意識を失ってしまったようだった。
「……っ」
まほろも逃げようとする。が、突然の四方からの強襲に、逃げ場が見つからない。
と、そのとき、まほろのもとに魔風の光による突風が吹きつけた。
「きゃあっ！？」
まほろが小さく悲鳴を上げたときには、そこにレヴィが駆けつけている。
「掴まりな！ 上へ逃げるよ！」
「う、うん！」
レヴィがまほろを抱えて緊急離脱。
大きく距離を取り、改めて影の少女と狼達と対峙する。
どうやら黒い影の少女自身はこちらに積極的に仕掛けてくるつもりはないらしく、黒い狼達も今は古木よりもまほろとレヴィに狙いを定めているようだ。
「……ど、どうしよう？ 私は戦闘向きの能力じゃないし、相手の方が数も多いし……」
まほろが少し震えた声で、レヴィに問う。
だが、レヴィの声は少しも動じてはいない。
「面白いじゃないか。それでこそ、『ジャグ・フレイター』の本領が発揮できるってもんさ」
好戦的な笑みを浮かべると、レヴィはウエスタンベルトにさげた野太刀をすぅっと引き抜く。
「ちょいと暴れるから。巻き添え食わないように離れてな」
「う、うん」
視線は正面の狼から逸らさず、声だけ投げかけてくるレヴィの言葉にまほろは頷く。
「……で、でも怪我したときは言ってね。私が回復するから……」
「ああ、ありがとよ」
まほろの気遣いに感謝の意を示しつつ、すでにレヴィの心は戦闘態勢だった。
「さぁ開きか、はやにえか。なりたい奴から来な！」
太刀を構えるレヴィの声に応じるように、前衛の狼が二匹ほど群れをなして突っ込んでくる。
「あらよっ！」
レヴィはそれを避けるどころか真正面から受けて立った。
翼からブルドーザーのごとき唸りを上げて、地上すれすれを疾駆――すれ違いざまに切り裂く。
『！？！？！？』
二匹の狼のうちの一匹は断末魔を上げる暇さえも与えられず二枚に下された。
虎程の大きさを持つ黒い狼も、２ｍ半の巨体を持つレヴィの前には通常の狼とさほど変わらない。
『……もー。せっかく森の主を苛めて、オーブを奪うついでに、アステリズムも誘き出そうとしたのにィ……。邪魔する悪い子は狼の餌食にしちゃおっかなァ？』
黒い影の少女が、そんなレヴィの戦いぶりを傍観しつつ、キヒヒッと笑ったそのときのこと。
「――なるほど。やはり狙いにはフラン嬢も含まれていたわけか」
オペラ歌手のような、よく通り、よく響く声が遺跡の奥の空間に殷々と響いた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年02月26日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年03月05日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年03月05日 11時00分
