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【ホワイトデー】平和ときどき怪奇?
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●靴に宿る想いたち
様々なショップが立ち並ぶ場所は、こういう日にはとかく人が集まる。白のデザインが目立つ店先からどことなく甘い香りが、
桃川 圭花
の鼻先もくすぐった。この甘い香りは隣りを歩く彼女自身が発しているんじゃないだろうか、なんてよぎって自分に市子と出会う前の思考がふと思い出される。
―― 市子さんとこうなるまでは、好きな人もいなきゃバレンタインも意識することなく生きてきたし……ホワイトデーなんて推して知るべし、ってやつだけど。
今までモノトーンな風景かのように通り過ぎてきたはずのイベント事も、市子と出会ってからは一気に圭花の目には鮮やかな色として認識された。
隣りを歩く
獅子島 市子
と繋がれた手を、おしゃべりに夢中な人々が市子の真横を通り過ぎるたび、さり気なく自分の方へと引いてぶつかるのを避けさせながら、さて今日という日はどんな色にしようか。
思案した圭花の視界、市子を映し出していたその向こう側にカラフルなディスプレイをした店が目に留まった。
「市子さん、こっちこっち」
「えっ、おう?」
戸惑う間もなくグイーッと圭花に引かれるまま、市子が踏み入れた店は靴の専門店のようだった。
またこのパターンか……。
突然店に連れ込まれるのも、その後の流れも、市子はデジャヴを感じたように悩まし気に笑みをつくる。
デジャヴでは無く、事実市子は圭花と共にいる時こういった経験をしているわけで。
そして決まって、困ったふりをしつつも情熱的な圭花の行動にはいつだって嬉しくてどきどきしている自分がいるのだ。
「なんだ? 靴を買いたかったのか?」
「もちろん、市子さんに似合う靴をね」
軽いウィンクと共に告げられれば、やっぱり、とはにかみそうになるのをつい何でもないように装う市子。圭花の前でくらい素直でいたいとは常々思うものの、年季の入った頑固で意地っ張りな性格はもはや条件反射で。
とはいえ、そんな市子の葛藤も圭花は『いじらしくて可愛い』なんて思っている部分であるわけだが。知らぬは本人ばかりなり。
その圭花はというと、だって今日ってバレンタインのお返しをする日よね、など言いながら綺麗に並べられた靴たちを熱心に吟味している。
お互いに贈り合ったじゃんとは、もはや市子は口にしない。自分とて、イベントにかこつけて圭花と一緒にいられるならそれがいいのだ。お返しをくれるというならじゃあ自分も何か選んでみるか……と、彼女に流されておくのが一番楽しい。
圭花の手が、黒のモカシンの前で止まった。シックではあるがよく見ると純白な中に花の刺繍があしらわれている。
見る人が見ればその魅力に気付く、そんな靴。
―― うん、この人にきっと似合う。
「市子さん、ちょっと試着のイスに座ってくれる? あ、店員さん呼ばなくていい」
「あ? いいのか?」
「だって私、あなたの足にはまだあんまり触れたことないんだもん」
手招きされるがままに、コーナーに置かれた鏡の前にある試着イスに腰かけた市子、続いた圭花の言葉に一瞬動きが止まった。
ここがお店の中で無ければ、もしくは人がいなければ市子の口からは『いいい!?』と叫ばれていた事だろう。
有言実行とばかりに、大人しく座ったままの市子の足から優しく靴を脱がせる圭花。すぐにモカシンを履かせるのかと思っていた市子の耳に、またも予想外なセリフが届いた。
「裸足、見ていい?」
「……見ても……いい。けど。面白いもんでもねぇぞ」
「市子さんの足だもの。つま先まできっとかわいいって思ったら、どうしても見たくなっちゃって」
あくまで冷静に返しているふうでいて、市子の顔は無意識に逸らされその頬は朱に染まっている。
そんな市子に気付けば今すぐ抱きしめたい衝動に駆られる圭花だが、そこはどうにか理性を総動員して堪え切った。
するり、と丁寧に靴下を脱がせた先には、小柄な市子らしい、小さめのおみ足が。ベビーピンクの爪がまるで今の市子の頬のように見える。
一度その足の指を愛しそうに撫でると、市子の横を向いた顔がぴくりと動いたのが見えた。
このまま触っていたくもあったが、肝心の靴の履き心地を市子に確認してもらうのも重要で。圭花は靴下を市子の足に履かせ直した後、モカシンをその上から履かせた。
「あ。靴って言やーさ。圭花にいっぺん履かしてみたかったのあんだけど……」
履き心地を確認するためにようやく立ち上がれば、未だ染まった顔を誤魔化すように歩き出した市子は、靴たちを目にしているうちに思い出す。
ソレを探す為店内をウロウロし始めた市子を見ながら、圭花も気になっていることを尋ねる。
「どう? 市子さんその靴」
「悪くねっつーかムシロ具合いい。当然……だけど」
圭花があたしに選んでくれたんだ、とポソリと小さくなった声をしっかり受け止めれば圭花も笑顔を向けた。
「なんか……歩き方がオンナっぽくなんね。靴のデザインのせい?」
一枚の革が足を包み込むようにして作られたモカシンの、アッパー部分の縫い目が少し足先を引き締めているためか、どこかつま先を意識して歩くといつもより上品なような背筋が伸びるような、そんな気分になる。
自分のために選んでくれた靴、自分をオンナ扱いしてくれている靴。そんな風に感じられて照れ混じりに圭花の方へ振り向くと、先程の素足に触れられた一連の出来事が思い出されてしまい。余計恥ずかしさが増しては市子は慌ててまた目を逸らした。
ちょうどその正面に、お目当ての靴を発見。『おっ』と声を発して、上機嫌に猫のようにつまんで圭花の下へと持っていく。
「お待たせ」
「それ、私に?」
「うん。背が高くてお洒落なヤツにしか似合わないんよ。前にこういうの見かけた時、真っ先に圭花が履いてるイメージ浮かんだっつーか」
「ハイカットスニーカーかな。爪先近くにブルーのインターレース入ってる?」
「紐と同じで内側もブルーになってんだ。真っ白なスエード生地と青とで、一応ホワイトデーにもかけてる……つもり」
色々考えながら選んでくれたんだ、と微笑んで感謝の言葉を述べようとした圭花へ、たった今までの照れた表情をコロリと変えた市子からすぐに声が続いた。
「つーワケで。ホラ座るスグ座る」
「……え、もしかして、私も?」
眼鏡をきらーんと光らせて、椅子をたしたし叩く市子を見れば何をするのか一目で予想がついた。
「そりゃ別にいいけど……私の足市子さんより大きいわよ?」
「あたしにとっては、世界一大事なヤツの世界一大事な足だ。……って、やる側もスゲーハズカシーねコレ」
圭花の足先を今覆っている桃色のエスパドリーユを、どこにも負担がこないよう踵から優しく脱がしながら真顔で言う市子に、渋々といったテイで靴下は自分で脱ぎながらも圭花の瞳は細められていた。
いつだってありのままの自分を愛してくれる人。市子さんにされて嫌なことなんてきっと一つもない。
露わになった素足に、市子がおそるおそるというようにそっと触れてくる。
「うん……思った通り、綺麗だ」
「もう。素で言うんだから市子さん」
「そんなん圭花もだろ。んじゃこれ履かせるぞお姫様」
まるでガラスの靴を履かせるように、ちょっと台詞口調で言われた言葉に圭花は口の端に弧を描き肩を揺らす。
そうして、お互いがお互いを想って選んだ靴にそれぞれの足を包み込んだ。
「私の選んだ靴を履いた市子さんは、私の所にしか来れないようになればいいのに。他のどこにも行かないように」
「行かねえよ。圭花のそばにしか。もしどこかへ行ってても、圭花が望めば飛んできてやる。なんなら踵を3回鳴らして」
「……市子さんなら本当に出来そうね」
ほんの僅か、どこか寂しそうに囁いた圭花の言葉に、切なさと愛しさで市子の心が締め付けられる。
もう離れないと誓うように、冗談半分な魔法の言葉とは裏腹にお互いの手を絡め合いしっかりとつなぎ止めた。
「それで? 圭花。その靴の履き心地は?」
「もちろん、私とあなたみたいに」
幸せそうに笑顔を交わし合う二人が、背後の鏡に映り込んでいるのだった ――
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月01日
参加申し込みの期限
2017年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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