this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【ホワイトデー】平和ときどき怪奇?
<< もどる
1
2
3
4
5
…
21
つぎへ >>
●調べに踊る変化
自室のカレンダーを見た後、携帯に視線を向ける。
深倉 理紗子
は片手に本を持っているものの、この視線移動を無意識に数十分置きに繰り返していた。
家と勤務地の距離はそれほどないが、島全体をあげたイベント事は至る所に宣伝ポスターが貼られていて。それをほぼ毎日見かけていれば、件の今日がホワイトデーだということは忘れようが無かった。
そうすると次に浮かぶのは、対となる先月のイベント。東京にいるはずの親友が、わざわざ連絡をくれた上こちらにやって来て一緒に過ごしてくれた日。1人でいるよりも、彼女が隣りにいる方がとても自然に呼吸が出来て心から楽しめた。
ならばお返しをする日である今日は、今度は自分から誘うべきだろうか……とも思えて。移籍の話が出ている彼女の立場、置かれている状況を考えると、近からず遠からず滅多に会えなくなる日が来るだろう。ならばいつか訪れるその時まで、一緒に過ごす思い出を少しでも増やしたい。笑って送り出せるように……。
ずきん、と胸が痛んだ。『送り出す』、そう思っただけで今の自分はまだ寂しさや悲しさに負けてしまうのだ。肝心な瞬間にもしそんな表情を相手に向けてしまったら、「やっぱ行くのやーめた!」とか言い出しそうな彼女が想像できた。自分のせいで彼女の転機を台無しにしてしまうなんてこと、絶対したくない。
少しずつ、覚悟を養っていかなくてはいけないのだ。他ならぬ彼女と居ることで。
ただ……。もしも今電話やメールをしてリハーサル中だったらば、集中して練習しているその妨げになったら……。
そんな心配が次々浮かんできて、理沙子は携帯のボタンを押すのが躊躇われてしまうのだった。
◆
◆
◆
◆
◆
◆
理沙子が『東京にいる』と思っている親友、
深林 真瞭
は未だ「潜伏先」にこもっていた。
一向に下火になる様子すら見せない、もはや修復など不可能なところまできてしまった交響楽団の権力闘争。第一ヴァイオリンでありコンサートマスターでもある真瞭は、現実逃避という名の家出をここ寝子島・星ヶ丘のマンションにて行っている。
それでも自身の責任は果たすべくほぼ毎日、この場所から通勤はしていた。朝早くに起きて東京へ出向き、練習や楽曲のアレンジ、演出など楽器だけでなく沢山の人間と関わってそして夜遅くに戻って来る、そんなハードスケジュール。
東京自体に住んでいればもう少し楽になるのかもしれないが、今の真瞭が帰りたいと望むのは寝子島なのだ。会えば笑顔で癒してくれる親友が暮らすこの場所があるからこそ、日々の喧騒にも心を保っていられた。
唯一、星ヶ丘のマンションに戻って来るのをためらう時があるとすれば、その大事な親友についている嘘が脳裏をよぎった時である。
彼女、理沙子は、自分は東京に住んでいるのだとずっと思っている。 東京で、交響楽団で、真っ直ぐに自分の道を進んでいる真瞭の姿を信じているのだ。
自分に憧れをもってくれている、そう聞いた時からますます真瞭は理沙子に家出していることを、その最たる醜い理由を、伝える事が出来ずにいた。
親友が向けてくれる純粋な視線を曇らせたくないからか、はたまたただ自分が幻滅されることに怯えているのか。
彼女を招き入れた事のあるこの部屋にいると、葛藤する己に何度目かの自嘲めいた吐息をこぼす。真瞭はふとソファに置かれた携帯に目を留めた。
先月のバレンタインは、ぼっち女子同士という口実を付けて誘うことができたけれど。今日のホワイトデーは難しそうだ。バレンタインにお互いに作ったお菓子の家を交換で送り合っているゆえ、「お返し」の言葉も使えない。
メールのやり取りは何度かしているものの、直接会いたい気持ちが膨らんでくるのを真瞭は必死に抑える。
「……一日こもってるのももったいないか」
いくら親友でよく行動がシンクロするといっても、まさか同じ時間同じ場所でかち合ったりはしないだろう。
愛用のヴァイオリンを携えると、真瞭はすっかり春の陽気となった外へと、寝子電でシーサイドタウンへとのんびり出かけるのだった。
◆
◆
◆
◆
◆
◆
「こもっているのも、もったいないわね」
溜息をついて携帯のボタンを押すのは諦めて。
どこかの誰かと同調したように、理沙子は時計に目をやると淡い水色のスプリングコートを羽織ると、玄関と扉を開けた。
向かう先はシーサイドタウン。先月のことを考えていたら、勝手に足がこちらへ向いていた。
……まーちゃんからバレンタインデーにプレゼント貰ったから、何かお返しを買おうかな……。
実際のプレゼントはお互いに交換していたわけだけれど。いつでも、先月も、自分が思考の迷路に沈みそうになるタイミングで外に連れ出して呼吸を促してくれる、そんな大事な親友に。日頃のお返しとでも称して。
ホワイトデー商戦真っ只中な街中の、にぎやかで華やいだ雰囲気は彼女と一緒なら楽しめたであろうけれど、一人で歩く今は少しだけ気後れする。
ダメだなぁ……。隣りを並ぶ存在がいないと、こうも弱くなってしまう自分自身に俯いて、お店が立ち並ぶ通りは避けて駅前の広場へと方向転換。
そこで理沙子は、ヴァイオリンの調べを耳にする。
彼女が弾いたらこんな感じなのかもしれない、そんな伸び伸びとした音色に導かれるように広場の中央へ進むと、この場に居るはずのない人物の姿が瞳に映ることとなった。
◆
◆
◆
◆
◆
◆
自然の空と風に挟まれた人々の喧騒は、都会と違って耳に優しい。
イベント日ということもあって、人が多く行き交う駅前広場に着くと、真瞭は気持ちよさそうに思い切り深呼吸する。
何も考えなくていい自然体の自分になっているのに気付くと、無性にこの場で演奏をしてみたい衝動に駆られた。純粋に、ただヴァイオリンを弾くのを楽しんでいた幼い時のように。
魂を揺さぶるような、繊細でいてしかし力強さを必要とする、『弦楽四重奏曲第1番ニ長調 Op. 11 第1楽章』。
ファーストヴァイオリンは特に難しいとされ、真瞭も調子のよい時ですら慎重にならざるをえない曲。
それが今、何にも縛られること無く弦に命が吹き込まれたように、真瞭の指はヴァイオリンに命を吹き込んだ。彼女自身が楽器になったように歌い、踊っているように。
―― 弾き手がどう思うか、考えてない曲ねまったく。
作曲者がヴァイオリンを弾けなかったせいだろうけれど、なんて、偉大な世紀の作曲家に心の中でこぼす真瞭の表情は、しかしどこか楽しそうである。
道行く人が、一人、また一人と足を止め、いつの間にか真瞭は沢山の観客が作る輪の中心にいた。
演奏が終わると盛大な拍手に迎えられ、慣れた動作で恭しく一礼する。どうしようか、第2楽章にすれば聞き馴染みのある人もいるかしら……と、日頃のクセで次に演奏する曲の前後の雰囲気を考えてしまったり。
コンマスの表情になりそうになった時、真瞭の視界に予想していなかった、したくなかった人物が映り込み息を呑んだ。
「りさちん!?」
「まーちゃん……」
交錯する視線。会えて嬉しいはずの姿に、どちらも戸惑いの色が見えた。
先に動いたのは理沙子だった。
「まーちゃん……東京にいるんじゃなかったの?」
それは以前にも聞いた言葉。
しかし真瞭にはあの時のように、『私は、いたいところにいるだけよ』と瞬時に返すことは出来なかった。それだけ動揺が大きいのだ。
一瞬の沈黙は二人の心にひずみを落とす。
「きょ、今日は休みでここへ来たの!」
「あ。そう、だったんだ……」
真瞭にとって精一杯の誤魔化し台詞が、やっと口をついた。が、しばし再びの沈黙が訪れる。
―― いつもなら、真っ直ぐ目を合わせてくれるのに。まーちゃんらしく、ないような……。
大事であるからこそ親友の些細な変化に気付いてしまう。理沙子はただそれを言葉にはしなかった。
その理沙子のつぐんだ気持ちを知ってか知らずか。バレずに済んだ安堵と、咄嗟だったとはいえ堂々と嘘を重ねてしまった上に安堵しているそんな自身への自己嫌悪が、真瞭の胸の内で渦を巻く。
想いに想いを返す特別な日。二人の間には確かに変化の雫が一滴、互いの心の中へ落とされたのだった……。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
21
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【ホワイトデー】平和ときどき怪奇?
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月01日
参加申し込みの期限
2017年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!