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【ホワイトデー】平和ときどき怪奇?
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●空にのせる言の葉
商店街にて1つのポスターを見つけてから今日まで、
五十士 柊斗
の胸中で膨らんでいく思いと想いがあった。
曖昧で臆病な自分をたとえ垣間見せても、いつだって受け止めてくれる少女のこと。そして自分へと向けてくれる気持ち。
バレンタインの日も、決して自らは踏み出せずにいた自分にまるで手を差し伸べるように、彼女は変わらぬ想いを言葉に、形にして贈ってくれたのだ。
―― 今度は俺が誘うと約束したし……なんて、言い訳を考えてしまう己が情けないな……。
真っ直ぐに気持ちをぶつけることがどれ程勇気の要ることか、柊斗には痛いほどよく理解できて。
初めて出会った時、今にも消えそうな儚い美しさを感じた彼女。しかしその心には、芯の強さがあるのだと、その後会うたびに実感し更に彼女へと惹かれていく自分に気づくことになった。
自身の中の葛藤は未だ消えることはないけれど、それでも意思を持って動くことを決意して。
柊斗は携帯電話を手にしてボタンを押したのだった。
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シーサイドタウンのとあるビルの前。
春を歓迎する鮮やかな新緑色の瞳を、そわそわと落ち着かなそうに左右に、時に自らの服装に落として
エリューシア・セリアン
は必死に胸の高鳴りを鎮めようとしている。
―― 何度も鏡でチェックはしましたが……ど、どこかおかしくないでしょうか……。
ホワイトデーというイベントの名が、次第に島全体に広がり出してからエリューシアもずっと意識せずにはいられなかった。
期待や見返りを求めてはいけないと自分に言い聞かせても、どうしたって愛しい人の顔がチラついて。
そんな折に、当の想い人から本当にお誘いを受ければ、当日になって緊張もマックスに跳ね上がるというものである。
バレンタインの時とは違い目一杯着飾るような場所では無いにしろ、普段着よりも彼に合わせて少しだけ大人っぽく、フレアがきいたラベンダー色のスカートに純白のブラウス、淡いレモン色のストールを春風になびかせて。
エリューシアが数度目かの視線を動かした時、向こうから慌てたように柊斗が駆けてくるのが見えた。
「ごめん! 待たせちゃったかな?」
「あ、違うんですっ。わ、私が、楽しみで早く着き過ぎてしまっただけなので」
「それでも待たせちゃったことに変わりはないよ。大丈夫? 寒く無かった?」
「はい。今日はお日様が暖かいですから」
朗らかな笑顔に出会えば、柊斗はホッと胸をなでおろす。
「改めて、こんにちはエリューシアさん」
「こんにちは、柊斗様。その、本日はお誘いいただき、ありがとうございます」
嬉しそうにはにかんだエリューシアの背を、柊斗はそっとエスコートするように2人連れ立ってビルの中へと入っていった。
目的の階でエレベーターを降りたエリューシアの目に最初に飛び込んできたのは、青と白。
「わ……すごいです、本当に色々な『空』がたくさん……」
柊斗がエリューシアを誘ったこの場所では今、空をテーマにした企画展が催されていた。
『またふたりで見に行こう』と紡いでくれた柊斗が、以前自分が誘った写真展の事も覚えていてくれたのだと分かって。お誘いの電話を受けた際、エリューシアは嬉しさと動揺で携帯を取り落としそうになったのはここだけの話。
以前の写真展と少し違うのは、イラストから手作り雑貨、アクセサリーに至るまで空をモチーフにした物がコーナーで区切られ並んでおり、購入も出来るのだということが見て取れた。
星々を称えた、大好きな夜空モチーフの物も見つければ控えめながらもいつもより高揚した言葉や動作で、色々なコーナーを行ったり来たりするエリューシア。
喜ぶ様子の彼女を、微笑ましそうに視界に捉えたまま見失わない程度に、邪魔にならない程度に、柊斗は一歩後ろからついて見守る。
そんなエリューシアが、とあるコーナーの机の前で暫く動かないのを首を傾げて近寄っていく。
「どうかしたかい?」
「あっ。い、いえ。素敵なブレスレットだなぁって、つい見惚れてしまって。柊斗様は何か気に入ったものはありましたか?」
「そうだね……さっきエリューシアさんが買っていた、1枚1枚移り変わる空の絵が描かれているメモ帳、あれ俺も買ってこようかな」
「ではあちらの左奥ですね」
ちょっとしたお揃いに、こっそり幸せそうな笑みを浮かべながらそそくさと方向を変えるエリューシアについていく前に。ふと柊斗は先程彼女が見つめていたブレスレットへと視線をやった。
夕空の、橙から深い藍へとグラデーションのように控えめながらも美しさを称える天然石。
吸い込まれるように、柊斗の手がそれへと延びていた。
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「……興奮しすぎて買いすぎてしまったでしょうか……少し恥ずかしいです」
企画展を堪能し、喉を潤しがてら入った喫茶店にて。
メモ帳のほかにどんな物を買ったんだい? と柊斗から尋ねられたエリューシアが、注文した紅茶をテーブルの隅にそっと寄せて並べていた。
青空をモチーフにしたスカーフ、月空をモチーフにしたバレッタ、柊斗とお揃いとなった空の顔を映すメモ帳と、それに合わせた空色のボールペン。
「買い過ぎでしょうか……。で、でも、どれも素敵で迷ってしまって、これでも我慢したんですよ?」
「それだけ楽しんでいたって証拠みたいで、俺は嬉しいだけだよ。そんなに気にしなくて大丈夫」
一生懸命弁明するそんな表情も新鮮で可愛らしいけれど。
そんな、女性的には一番喜びそうなセリフの方をつい飲み込んでしまうのが柊斗である。
それでも十分に優しい言葉をもらえて、エリューシアは安堵しつつ恥ずかしそうな瞳を隠すように、再びカップを顔の前にやったり。
―― 誘って良かった。
楽しそうな、幸せそうな、そんな彼女の笑顔は嘘偽りない真っ直ぐなものだと、それだけは確信できる。
そしてそんな彼女を見ている自分の心には、ずっと笑顔でいて欲しいと願う温かいなにかが、これも確かに湧き上がってくるのだ。
自分が踏み出さなかったら、今日の、目の前にあるその笑顔は見れなかったのだということも。
「エリューシアさん、良かったらこれ……」
「え?」
いつでも怯えや葛藤は疼いている。ただそれでも、今日は自分が動くべき日なのではないだろうか。
ずっと、何度も好意を示してくれている彼女の為にも。
どこかいつもより強張った、それでも笑顔を消さないように、柊斗はおもむろにラッピングされた小さな箱をテーブルの上に、エリューシアの方へ寄せるようにコトンと置いた。
―― まさか……でも……。
ずっと柊斗へも自分へも言い続けていた言葉が、エリューシアの中で反芻される。
見返りを期待してはいけないと。
しかしどうしたって、今日この日、まるで空と同じような青と白のラッピングを見ては一つの予感が浮かび上がってしまう。
箱と柊斗の顔を何度も往復しては躊躇うエリューシアに、柊斗は背中を押すように告げた。
「本当は、君に直接聞いた方が確実だとは思ったんだけど……。好み、間違っていたら申し訳ないし」
でも折角ならサプライズにしてみたくなってね、と困ったようなどこか悪戯心をはらんだような笑みと共に柊斗は続ける。
「バレンタインのお返しに。俺からのプレゼント」
「柊斗様……ありがとうございます……開けてもいいですか?」
「もちろん」
まだ夢ではないかと震えそうになる手で、リボンをしゅるんと解く。
箱に入っていたのは、気になっていたあの夕空色の天然石ブレスレット。さすがに買い過ぎかと諦めた物だった。
一度大きく見開いた後、ゆるゆるとはにかむように瞳を細める。まなじりに微かな涙を浮かべて。
「本当に……ありがとうございます。大切にします」
箱ごとブレスレットを白い胸に抱き締め、そう言の葉を繋いだエリューシアには最高の笑顔が花開いた。
そんなふうに幸せな気持ちを分けてくれる彼女の笑顔。それをいつも称え見つめていくのか、それとも曇らせてしまうのか、もしかして自分の行動がそれを決めてしまうのではないだろうか……否、
『決められる』のではないだろうか。
心の奥で、膝を抱え丸くなっていたあの時の幼い自分が、抱えていた膝を離し少しだけ立ち上がった気がした。
「今日は本当に本当に楽しかったです、柊斗様、ありがとうございました」
帰り際、隣を歩く彼女の言葉に導かれるように、柊斗はそっと彼女の細い手を取った。
驚いて足を止めた彼女に、正面から向き合って。
「俺も君と、手を繋いでいたいよエリューシアさん」
それは柊斗からの、今伝えられる精一杯の言の葉。バレンタインへの答え。
柊斗に繋がれていない方の手を口にあて、エリューシアは信じられないといったように呆然と柊斗を見上げる。
欲張りな自分。今日という日を誘ってもらえて、お返しまでもらえて、もしかして少しは……と期待する心をつい先ほどまで何度も叱っていた。
柊斗の中にある迷いや恐れの存在も、具体的には分からないけれど一度触れたことがある。
だからこそエリューシアには伝わった。今紡いでくれた柊斗の言葉が、どれほど真摯なものであるかが。
「……また、一緒に出かけてくださいますか?」
一筋の滴を伴った笑顔で、そう応えてくれた彼女がどこまでも切なくて、美しくて。
まるで宝物に触れるようにゆっくりと、その雫をぬぐった柊斗の口から自然と穏やかに漏れるのだった。
よろこんで、と ――。
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シナリオジャンル
日常
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定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月01日
参加申し込みの期限
2017年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月08日 11時00分
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