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店内BGMがまたもや、数え切れないほど聴いたあのラブソングになった。
今ずごく流行っているものだが歌詞は空虚だ。
二人の愛は永遠だとか、恋って本当に素晴らしいとか、いつまでもずっと超幸せだとかなんとかかんとか……ロゼッタストーンに刻まれた古代エジプト文字とどっこいどっこいに、頭に届いてこない言葉の羅列。作詞した人間は、少しでもその内容を信じてこれを書いたのだろうか。
バーコードを読み取るピッという音が、BGMのテンポと微妙にずれている。
アカンなぁ――ぼんやりと四野辺蘭月は思う。
どうも今日は、冴えへん。
脊髄反射のように、「ありがとうございました。またおいでくださいませー」の言葉が口から出てきて、蘭月の上半身は自動的に、ぺこっとお辞儀を繰り出していた。
お客の顔は覚えていない。
ていうか男か女かすら、若いか年寄りかすら覚えていない。よく見なかった。
きっと相手が緑色の肌で耳が尖っていて、光線銃を一丁お買い上げして駐車場からUFOで離陸したところで、今の蘭月はぼんやりとそれを見送ったことだろう。
コンビニ店員の制服に、コンビニ店員のエプロンをあわせ、コンビニ店員の帽子まで被ったフルアーマーコンビニ装備で、蘭月は今日も、高校生にしては時給のいいアルバイトに従事しているのだった。
「……そうや」
無人になった店内、店長はバックヤードにいるので、気にせず蘭月は声を出していた。
「あの曲、あの子が好きやったな……」
だからだろうか、また溜息がこぼれたのは。
考えるべきじゃない、そう思うのに、ついまた、カレシのことを考えてしまう。さよならをした、あの子のことを。
「元気にしとぉかな? アホみたいに元気な子ぉやったから心配いらへんかな」
しゃがんでガム・キャンディーの棚をガサガサと整理しながら、蘭月はふっと笑った。
人気のペパーミントガムが売り切れ寸前だ。補充もないので、あと一個売れたらこの棚は別のものと入れ替えよう。
「なんやろね。さみしいゆうか、物足りひんゆうか……。ぼんやりした気分や」
昨夏を思い出す。七夕の夜だ。寝子島の縁日に二人で行った。蘭月は浴衣を着て和柄のポーチを提げ、初めて見る彼の浴衣姿の凛々しさに、照れてニヤニヤしたものだった。
「蘭月、めっちゃ浴衣似合うわ」
彼はそう言ってくれたっけ。
「楽しかったなー、あのとき。ドキドキした」
整理していたところで、ドロップの小袋が落ちた。
「……キスも、したし」
袋を拾った。袋には林檎の絵が描かれている。
拾った右手が濡れている。ぬるい雫がひとつ、落ちてきたのだ。
「あー、コレあかんわ……」
蘭月は目を拭うも、溢れ出るものは止まらない。ハンカチで目を押さえても同じだった。
具合が悪いんで早退させてください、と、バックヤードに向かって言えるようになるまで数分を要した。
◆◆◆
放課後にシーサイドタウンを訪れずいぶん歩いたが、
来島 アカリ
の中にはまだ、これという結論は訪れていないのだった。
悩む。
悩み続ける。
いわば悩みのラビリンス、そのただなかを、カンテラすらなく手探りで進んでいる状態といっていい。
なにを買うか悩んでいるのだ。
――うー……何がいいんだろ……。
ロベルト・エメリヤノフ
先輩への、ホワイトデーのお返しを。
制服姿で鞄を背に預け、心持ち足元を眺めながら、さまよいあるく現代のハムレット……それがいまのアカリといえよう。なるかならぬか、何をか買うべきか、それこそが問題だ。
五里霧中の気持ちで歩く彼は、いつの間にか女性下着専門店に足を踏み入れているのだが気がつかない。
幸か不幸か他に客の姿はないようで、アカリは気がつかぬまま奥へと足を踏み入れていた。
やがて、
「んふふ……んふふふふふ……!」
知った声が聞こえた。
はっと気がつくとアカリのすぐ目の前、それこそ息がかかるほどの距離に、妖しくもキュートに微笑む胡乱路秘子の姿があった。
「いらっしゃいませ。なにかお探しですか?」
にんまりと、キャラメルが溶けるような笑みを秘子は浮かべている。
「あれ、胡乱路先輩……?」
何のご用ですか、と言いかけて、ここでようやくアカリは、自分がどこにいるのか気がついた。
いい顔りがする。石鹸のような。ペパーミントの香りも。
秘子の甘い匂いも、そこに混じっているに違いない。きっとアルバイトだろう。秘子の制服姿は新鮮だった。
「って、わ、ここって……!?」
少女のように可憐な顔をしているから、アカリがこの場にいても何も違和感はないのだけれど、それはあくまで客観的な視点で見た話だ。少年とはさすがに、うろたえずにはおれない。
「これはその、違くて! ホワイトデーの、お返しを探してて!」
舌をもつれさせながらアカリは言った。頬がかああと火照る。耳まで赤くなってくる。
けれどアカリの狼狽ぶりをむしろ愉しむように、すうっと秘子は目を細めていた。
「んふふふふ……来島さん、何も恥ずかしがることはありません♪ 当店の商品は、ホワイトデーへのプレゼントにも最適です」
にちゃ、と、秘子の口の中から湿った音がした。何か、美しい蛭にでも見つめられている気持ちだ。
「ですので、さあ、お相手のサイズを教えて下さいまし」
「い、いやロベルト先輩にそんなの渡しませんから!」
つい口を滑らせたことに気がつき、さっとアカリは自分の口に手を当てたが、もう遅かった。
「なるほど……でしたら、当店の品は少し難しいですね」
アカリはもじもじしてしまうのだが、秘子は驚いた気配すら見せない。人差し指を顎に当てて、
「しかし最近は男性用ブラというものも……」
「たぶんロベルト先輩にそういう趣味はない! と、思います」
「んふふ、残念。わたくしが男性だったら、一度は試してみたいと思いますよ?」
「チャ、チャレンジ精神にあふれたものは避けたいところです!」
「あらそれは残念……」
んふふふ……と微笑したところで、秘子は右手を返して手首側にはめた腕時計を見た。
「といったところで、わたくし、そろそろバイトの上がりの時間です」
そうして秘子は、アカリの耳に唇を寄せ、囁くようにこう告げたのである。
「よければわたくし、お返し選びにつきあってさしあげたく」
えっ、とアカリは目を見張る。
胡乱路先輩と買い物……?
でも、胡乱路先輩なら、いいアドバイスくれる、かも……?
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月27日
参加申し込みの期限
2017年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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