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自宅に届いたばかりの、出版社からの郵便をバリバリと開ける。
――毎年この季節は緊張するなぁ……。
中から一冊の絵本が出てきた。最終確認用の見本である。
刷られたばかりの本特有のいい匂いがした。紙とインクの匂いだ。
南戸河 蔵人
は表紙の絵を惚れ惚れと眺めた。よく来たなあ、待ってたよ、という風に撫でてみたりもする。手にしたとき、乾いた糊が剥がれるようなパリッという音がしたのは新品だからだろう。
蔵人が絵本作家としてデビューしてから、これがちょうど十作目となる。
つまり記念すべき一冊なのだ。どの本も蔵人にとっては愛する我が子のような存在だが、今回は感慨もひとしおだった。
彼がこの本の原作を仕上げ、長年組んで来たイラストレーターの夜目倉にラフ画と細かな指定を送ったのは半年も前だ。それから何度もメール上のやりとりはしている。ときには言い争いに近い衝突もあったりするが、いつだって夜目倉の上げてくる絵は蔵人の期待を上回るものだった。
蔵人も絵にはそれなりの心得がある。だが彼は自分の絵は、子ども用の本とするには下手すぎると考えていた。だから自分のイメージを膨らませ、何倍にもして返してくれる夜目倉には、まったく頭が上がらない気分なのである。
もちろん完成稿は事前に見ているのだけれど、それはあくまで、メールに添付された画像データでしかない。こうして一冊の本として刷り上がったものとではかなり印象を異にしている。表紙ひとつにせよ、本になってますます魅力的になっていた。
作者というより一人の子ども、童心に返って表紙絵を鑑賞しながら、夜目倉とはどんな人なのかと蔵人は思う。
実のところ蔵人は、いまだに夜目倉本人と会ったことはないのだ。
そればかりか電話ですら話したことがない。
どんな人かという情報はゼロだ。編集者も決して教えてくれない。そもそも、知ろうとしないことが夜目倉との契約条件だったのだから。
性別や国籍、性別ですらわかっていないのだから徹底しているといえよう。
メールの文体や絵のタッチからしておそらく女性だとは思うものの、確信が持てるほどでもないのだった。
年齢も想像が付かないところだ。上なのか、下なのか。まあ下だったとしても随分前から描いてもらってることを考えれば、自分とはそんなに離れてはいないだろうけども。
なので夜目倉の姿は、蔵人にとってはおぼろげなシルエットでしかない。しかもそのシルエットは、ときに大きく、時に小さくなり、男女いずれの姿もとったりする。
でもまあ、わからないからこそいいのかもしれない。すごく年長者だと知って気を遣うのも、駆けだしのイラストレーターと知って無理を言うのも、プロのクリエーター同士としてふさわしいものではないだろう。半端に親しいつもりになって、馴れ馴れしい態度を取り良い意味での緊張感が削がれてしまったとしたら、それこそ本意ではないはずだ。
それに、実際問題として夜目倉の正体がわからないからといって困ったことはなかった。気にならないと言えば嘘になるものの、下手に知ろうとしてこの健全なパートナーシップが崩れたとしたらそのほうが困る。
「さて。拝見させていただくかな」
声を出して蔵人は表紙をめくった。本のチェックをするのだ。この瞬間こそ、絵本作家至福の時だと思う。
読み進めながら、おっ、とか、あっ、とか声が出てしまう。
やはり本になった絵はひと味ちがった。色が鮮やかで、力強さがある。自分の書いた文章が、こんな風に解釈されたかと、なんともくすぐったい気分にもなる。
「よし、オッケー」
蔵人は本を閉じた。一人の作家としても、一人の読者としても、充実した気持ちだ。
あとは編集者に確認終了の旨メールすれば、蔵人のすべきことは終了だ。
メールといえば、夜目倉にもお疲れさまでしたと連絡もしておきたい。いつものように。
順調にいけばあと少しの辛抱で、書店に蔵人の十冊目の絵本が並ぶことだろう。児童書の棚に平積みされて、ぴかぴかの表紙を見せてくれるはずだ。各地の保育園、幼稚園や図書館にも置かれると思う。けっして多くはないものの固定ファンもいる。今回も、感想の手紙をもらえるだろうか。
「楽しみだなあ……わくわくするよ」
つい独り言が洩れてしまった。
実際の本が出来上がって、新しく読んでくれる子供たちのところに届く日が待ちきれない。
楽しんでもらえたらしいな。
今日からその日まで、このわくわくは続くのだ。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月27日
参加申し込みの期限
2017年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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