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【星幽塔】第三階層 竜の肚には土の都
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夕陽の届かぬ竜の喉の奥、砂と岩で出来た深い風穴を、黒銀竜に乗った剛の持つ角灯の淡い光が揺れて過ぎる。
「暗い、な……」
カンテラを掲げて歩く彰尋のすぐ傍を歩きながら、アカリはごくりと喉を上下させる。
「ああ、暗いな」
「何だ、怖いのか」
どこまでも続いて行くような暗闇の只中ではいかにも頼りないカンテラの光に横顔を照らされながら淡く微笑む彰尋の隣、火の光を榛の瞳に宿らせ前を睨み据えていた悠月にからかうように言われ、アカリはむくれた。
「別に、怖くなんてねーし」
アカリの不貞腐れた声を背中に、悠月は砂の上に注意深い眼差しを向ける。土の精霊が生きているのならば、この辺りにも何かしらの痕跡が残っているかもしれない。
(それとも)
今のところ、竜の尖兵が居たのは顎の周辺だけだった。彼らはもしかしたら、獲物を探すために外に出ようとしていただけではなく、
(土の精霊が外に出ることを阻んでいた……?)
此方彼方に揺れる、仲間たちがそれぞれに持ったカンテラやランプの小さな光を目にしながら、彰尋はほんの僅か、苦く笑う。
「俺は、真っ暗なのはちょっと、……」
(大丈夫)
言い聞かせるのは、幼い頃の己自身に。蔵に閉じ込められ、出してと泣いた自分自身に。
(……大丈夫だ)
何をやったのかは覚えていない。けれど罰だと閉じ込められた蔵の暗闇の恐ろしさばかりをよく覚えている。
けれど、ここにはどれだけ頼りなくとも幾つもの光が揺らいでいる。手を伸ばせば届く距離に友人だって居る。
「そうだよな、鴻上も苦手だよな」
「うん、……苦手で」
(怖くない)
何だか安堵したような声をあげるアカリに彰尋はもう一度笑みを滲ませるも、暗闇にアルスの咆哮が響いた途端、その頬を一瞬で引き締めた。街道よりも広い竜の喉の中を探索しながら歩いていた仲間たちの持つ光が咆哮響いた喉の奥へと次々に向く。
黒毛馬に乗ったまもると円が真っ先に先頭に飛び出す。円が星の力で点火させた松明の火が流星のように光の尾を引いた。
砂に呑まれがちな蹄の音が響いて後、暗闇の先に突如として巨大な炎が音もなく燃え上がった。
「な……」
リアと天吏と共に闇を辿っていた由貴奈が目を瞠り、すぐに不思議そうに首を捻る。竜の腹底から湧きだす冷たい風の流れを怜悧な瞳に追い、暗闇の奥に突如として爆ぜた炎の色した光を見つめる。
「臭い、しないねえ」
「……そうね」
竜の喉の大きさを目測し、それを元に竜の肚の広さを脳内で推測していた天吏が同意を示して頷く。
異変を前に微塵も動じず予測を立てる少女ふたりに挟まれ、リアはうっかり怖じそうになる己を律してか小さな息を吐いて苦笑した。
足を速めて向かった冒険者たちが暗闇の先に見たのは、炎の色を写し取り揺らがせる、天地を埋めて乱立する水晶柱。
どこまでも透明な水晶柱の中、炎の色が光が乱反射する。そうしながら、炎の光は猛る野火のように奥へ奥へと広がって行く。
「ッ……」
暗闇に慣れた瞳を炎の色に焼かれ、円は固く瞼を閉ざした。嘶く馬の声と、それを宥めるまもるの吹く感嘆の口笛を耳にしつつ、瞳にまとわりつく光を追うように首を振る。瞼を押し開き、松明を掲げる。上空にも、足元にさえも炎の光を宿し放つ竜の肚の内の水晶窟を見回す。
「なに、ここ……」
呟き、馬の背から滑り降りる。
「ありがと、ボクはここからひとりで行くよ」
炎の色を写し取った水晶窟に辿りついた仲間たちがあげる驚愕の声を耳にしながら、円は先ほどまでの足を掴む砂とは打って変わり、水珠のように丸く透明な石に埋め尽くされた地面を踏んで歩き始めた。
期待するのは、己の身に宿る、危険度の高い行動を取れば取るほど運が良くなるろっこんの作用。
竜の尖兵が潜んでいるかも知れぬ場所での単独行動は、きっとどうしようもなく危険に違いない。
「気をつけてね」
炎に呑まれるように歩き始める円の足元、擦れ合って涼し気に鳴る透明石の音を耳にしながら、まもるは馬上から周囲に視線を配る。馬上にあって他の仲間と違うのは、その視線の高さ。
(普通は視線より上はノーチェックだからな)
シャラシャラと、チリチリと、氷の粒や雪の欠片が触れ合うような音を立て、炎の光宿した透明石が冒険者たちに踏まれ、或いは触れられて鳴っている。
「オブシティアン、止まってくれ」
炎の柱の如く立ち上がる水晶柱の前、まもるは愛馬の手綱を軽く引いた。即座に足を踏み留める愛馬の上、まもるは視線を伸ばす。
「そっちにもある?」
ひょこり、柱の影から円が顔を覗かせた。
「こっちにも、小さな横穴があるんだ」
でも、と円は難し気に眉を寄せる。相棒と共に見に来たまもるに示すのは、壁のように立ち塞がる巨大な水晶柱の下方、円の腰の高さほどに小さく開いた穴。けれど円が見つけた穴も、まもるが見つけた穴も、十六にしては小柄な円でさえくぐれぬほどに小さい。
「風があるな」
円の夏草色の髪を揺らす小さな横穴からの風を見て取り、まもるは頷いた。愛馬から降り、円と共に穴を覗き込んでみる。けれど赤い光を激しく揺らめかせる透明石柱の奥を見通すには至らない。
チリチリ、シャラシャラ、石の鳴る音が反響する。
「見てくるよ」
言うなり、まもるは己が身を小さな蜘蛛へと変えた。躊躇うことなく穴に飛び込む。
「気をつけてねー」
風穴に向けて呼び掛け、穴の奥へ目を凝らし耳を澄ませる円の傍ら、桜が周囲を慎重に探りながら現れた。
「今の桜庭さんの声、あちこちから聞こえたわ」
「こっちからも聞こえたぞ」
柱の影からアカリがひょこり、炎色した光に紺碧色に透ける髪を揺らして顔を出した。
「竜モドキに見つからないように隠れてるかもしれない、よな」
水晶窟のそこここに小さな横穴が開いているのだろうと見当をつけた円がぐるりを見回した、その時。
「いッ、やー! きゃー! むしー!? むーしー!」
水晶窟の至るところから、小さな子どもの悲鳴が反響して響き渡った。
「えっ、わッ?!」
咄嗟に耳を塞ぐ桜の肩を片手で抱えつつ、円は視界を遮り乱立する水晶柱群を見仰ぐ。
炎の色に燃え上がる透明柱を通る蟻の巣の如き小さな穴に身を潜ませ、泣き声を噛み殺しながら隠れていた、子ども――
「もう大丈夫、助けに来たよ!」
思わず声を張る。だから、と円は続ける。
「出ておいで、怖くないよ」
円の声に励まされ、そしておそらくはまもるが変身した蜘蛛の導きも得て、円の待つ横穴から赤茶色の毛玉が転がり落ちた。チリチリと鳴る透明石の上、しばらくもそもそと動いて後、獣の毛皮を頭から被った、円の腰ほどの背丈と体重しかなさそうな子どもが立ち上がる。
「ぎゃあ?!」
立ち上がった途端、腕にくっついていた蜘蛛に気づき、悲鳴あげて払い落とす。蜘蛛からひとの姿に戻ったまもるを見、子どもは三度悲鳴を上げた。
「怪我、してるわね」
桜が子どもの傍に膝をつく。獣の毛皮の下から現れた子どもの、色白を通り越して青白い頬に触れ、頬についた擦り傷の血を清潔な布で拭き取る。艶やかな黒髪の少女から応急手当を受けながら、子どもは金色の大きな瞳を何度も瞬かせた。
円を見、まもるを見、周囲に集まり始める冒険者たちを見るうち、その瞳にみるみる涙が盛り上がる。
「えーと、土の精霊さん、だよな……?」
声もなく泣き崩れる小さな子どもの背を、アカリがそっと叩く。ぼたぼたと涙を落とすまま、子どもは小さく何度も頷いた。
「俺たちは怖いやつじゃないぞー」
ことさらに明るく笑って見せるアカリを見つめる土の精霊に、悠月が水筒に入ったミルクティーを差し出す。受け取ったはいいものの、開け方が分からずぼんやりと見つめ返され、悠月は手を伸ばした。子どもは蓋を取ってもらった水筒の中身を不思議そうに嗅ぎ、舐め、その後はほとんど一気にミルクティーを飲み干した。
「はじめまして」
やっと人心地つけた土の精霊に向け、夏朝が柔らかな口調で挨拶をする。
「ね、いつも畑で色々と手助けしてくれてありがとう」
美咲紀が人懐っこく笑う。
「あちこちに居る精霊さん達の仲間だよね?」
「あちこち? なかま?」
精霊の子どもは被った獣の毛皮にくっついた獣耳を揺らして首を傾げ、眉をひそめる。首を横に振る。
「一族は、この奥にいる。……いた。今はもう、……」
嗚咽にも悲鳴にも似た声をひとつだけ零し、子どもは子どもらしからぬ悲愴な顔つきで立ち上がった。よろめく膝で踏ん張り、ぐるりを囲む冒険者たちを仰ぐ。
「祖先が都と共に竜の肚に押し込めた『呪の印』の封印が先に綻んだ。生き残りの命で以て封印を施したが、数十年と持たず、再び封印が解けた。最早、……」
誰かからの言伝をそのまま口にしながら、精霊の仔は泣いた。
「最早、我らのみで呪を抑え込むは不可能。このままでは、竜は呪のままにすべてを呑み込む」
最後の息を吐き出すように、精霊の仔は叫ぶ。
「たすけて」
息も緊張の糸も切れてその場に倒れこもうとする精霊の仔を抱き留めたのは、その場に佇み静かに話を聞いていた修。
「元より、そのつもりだ」
「そのために、僕たちはここに来たんだよ」
「怖いやつらは俺たちが倒したし……もしよかったら、都まで案内してくれない、かな? その『呪の印』、都にあるんだよな?」
力強く応じる夏朝に、穏やかに顔を覗き込んで尋ねるアカリに頷き、子どもは抱きかかえてくれた修の腕を小さな手で掴んだ。そうして、金の瞳を丸くする。修に触れ、アカリの頬に触れ、それでは足らず、夏朝の手や美咲紀の手に触れる。
星の力宿す冒険者たちに触れる度、青白かった子どもの頬に赤みが差した。
小さな掌を握りしめて開き、精霊の仔は悠月の手を引く。水晶窟の更に奥へと冒険者たちを導く。
「星の力……! 星の光! あなたたちが呪に触れてくれれば、その星の力があれば……!」
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月20日
参加申し込みの期限
2017年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月27日 11時00分
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