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【星幽塔】第三階層 竜の肚には土の都
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冒険者たちの持つカンテラや松明の炎の光を宿し更に増幅させて輝く水晶窟を抜け、虹色の珊瑚樹が育ち蛍のような光蟲が泳ぐ湖の畔を巡るうち、精霊の仔は語る。
偉大なる土の竜には愛した精霊が居たこと。
永遠に近い時を生きる竜と違い、限りある時を生きる精霊はけれどいつしか心を病み、竜を、世界を滅ぼす『呪の印』を作り上げたこと。
「その精霊こそ、我らが父。土の竜を母とする、我らは精霊と竜の仔」
夢のような景色の後、再び訪れた暗闇の中を辿りながら、精霊は笑う。
「けれどそれも果たして真実かどうか」
悠月の手を引きながら一歩先を歩く子どもの姿した精霊の横顔がひどく老いて見えて、隣を歩き話に耳を傾けていた桜は目をしばたたかせる。
「それでも、祖先はそれを己らの罪とした。己は精霊と竜の仔であると信じ、だからこそ父の呪に囚われ苛まれる母を、己らの都と命を懸けて鎮めねばならぬと信じた。そうして共に眠りについて、……ねえ、ぼくらはどれだけ、眠ったのかな」
桜を振り返る精霊は、最初に見たのと同じに幼くあどけない顔をしていた。
「きっとたくさんたくさん、眠ったんだ。星の力宿すあなたたちが助けに来てくれるくらい、長く長く――」
暗闇の道の途、精霊の子どもは不意に立ち止まった。
「どうしたー?」
翼を羽ばたかせる黒銀竜の背の上でランタンを掲げる剛がのんびりした声をあげる。水晶窟で拾った掌ほどの透明な石は、近づけた光を乱反射し、しばらくの間留めおく不思議な作用があった。同じように透明石を拾った仲間たちと同じように、ランタンと共に光源として使いながら、剛は竜の体内を簡単に書き留めた地図に眼下に広がる岩山を書き込む。
暗闇に薄く白い光を放つその岩山の前、精霊の子どもは剛に向けて手招きした。呼ばれるままに上空から地へと降りてきた剛が見たのは、仲間たちの持つ光に静かに照らし出された無骨な門扉。
水晶窟の柱と同じ材質で出来ているらしい扉は、冒険者たちの掲げるランタンや松明の光を浴びた瞬間、まるで燃え上がるように輝いた。
「……これは……」
持ち込んだデジタルカメラに動画として土の都の様子を記録しつつ、修は光と色彩を帯びてゆっくりと開いて行く扉を仰ぐ。馬車が並んで通れるほどの門の内側には、行きの湖に見た蛍のような光蟲が、ここでは水中ではなく空中に舞い踊っていた。
思わず手を伸ばした月詠の掌の中、光蟲はしばらくの間ふうわりと光り、やがてその姿ごと光を消す。
光に満たされながらも消して眩しくはない光の中には、青空があった。
「ん、……違う」
驚きの声を上げかけて、月詠は深紅の瞳を細める。幻にも似た光蟲が躍る空には、風もなく雲もない。それは磨き抜かれた鏡のような、蒼い石。どこまでも澄み渡る青空と同じ色した石に覆われた空の下には、
「これが『絢爛たる土の都』か」
そのほとんどを瓦礫の下とした、かつての都があった。
「元々は、立派な都だったのでしょうね」
光蟲が遊ぶ水路の跡地を調べ、羊皮紙に羽ペンで都の地図の起点となる印を書き込みながら、天吏が静かに口にする。水路の幅や、そのほとんどが白い石で出来た瓦礫の量から推測して、都全体の大きさはおそらく然程大きくはない。多くとも数千人規模の『都』ではなかっただろうか。
「ああ、そのようだ」
小さく頷き、月詠は瓦礫の都を素早く素描する。ここに至るまで、スケッチブックには道すがらに見た景色や『竜の尖兵』たちを簡単に描きこんでいる。
筆を走らせながら、月詠は身の内に宿る盗人の光を意識する。失われた都に眠るかもしれない宝は、宝と同列にあるかもしれぬ『呪の印』は、果たして何処にあるのだろう。
「王! 皆!」
都に至るまで繋いでいた悠月の手を離し、精霊の子どもが駆けだした。
「危ないぞ……!」
積み重なる瓦礫をものともせず、その身に被った獣の如く身軽に駆けていく精霊の子どもを修と美咲紀、夏朝と円とまほろが追う。
「ああ、行ってしまったな」
ルートの目印を記すためのチョークを取り出しつつ、月詠はかつて『絢爛たる土の都』と呼ばれた地の探索に取り掛かった。
「……凄い」
「ほんと、すごいねー」
ラピスラズリのような空を彰尋と並んで仰ぎ、のんびりと呟いていた由貴奈は、脇を駆け抜ける精霊の子どもを見、それを追う仲間の声を耳にするなり、竜の尖兵を相手取った時からポケットに入れたままだったクッキーを取り出した。ぽいと口に含み、
「こらこらー」
おっとりとした口調とは裏腹、視界を塞ぐほどの瓦礫の山をほぼ一跳びに跳ね登る。真正面に飛び降りられ、驚いて立ち止まる子どもの小さな体を両腕で抱きしめ、足を止めさせる。もがく精霊の仔の背を宥めて擦り、静かに言い聞かせる。
「待って、……ね?」
「う、……うー……」
獣のように唸って、子どもは由貴奈の腕の中で大人しくなった。
「……なあ」
由貴奈と精霊の仔を追い、こちらは苦労しながら瓦礫をよじ登ってきた彰尋が、小さく息を切らしながら声を掛ける。
「君にとって、土の竜は忌まわしいものなのか?」
竜の肚の中を歩きながら、ずっと考えていた。
己の身に流れる血を信ずるがゆえに、自らの都ごと竜に呑まれ、己らの祖が成した呪いに己らを縛りつけ、時に同胞の命さえ捧げることで鎮めようとした、土の精霊たちのことを。
父を恐れる自身をふと思いかけて、彰尋は唇を噛む。今は、と瞼を閉ざす。
(呪に星の力を注げば)
そうして竜の呪いが緩和されれば、せめても犠牲となった土の精霊たちの魂は竜の肚から解き放たれはしまいか。ひとり遺された精霊の仔も自由になれまいか。
(強く、強くそれを祈れば叶うだろうか……?)
星の力は、それを叶えてくれるだろうか。
「俺は、君たちを助けたい。できるのなら、土の竜も」
祈るように言う彰尋を見、追いかけてくる冒険者たちを見、土の精霊の生き残りである子どもは泣き出しそうな顔をした。
「竜は、母だ」
囁く。
盗人の光を帯びた身軽な身で追いついた夏朝が俯く精霊の仔の手を両手で包んだ。
「僕も、」
精霊の仔の黄金の瞳を覗き込む。
「呪いは解きたい。無理なら、封印を」
こげ茶色の瞳に強い決意の光を宿し、強く請け負う。
「どうであれ、星の力をありったけ注ぐよ」
「……癒しの光で少しでも辛さが和らいだりしないかなぁ……」
夏朝の手を借りて続いてきたまほろがラピスラズリの空を仰ぐ。そうして下した視線の先には、そこだけ瓦礫に覆われず、円形に開けた場所。
例えば全てを吹き飛ばしたその爆心地であるような、白い砂地だけが残る擂り鉢状の底には、
「――あれが、『呪の印』。永きに渡り土の竜を苛みし、精霊の呪」
毒々しい濃紫の煙を噴き出し纏う掌大の珠を示し、精霊の仔が言い放つ。
「あれか」
禍々しい煙を纏う『呪の印』をデジカメに記録して後、修は美咲紀と共に瓦礫の山を滑り降り始めた。
『呪の印』の前には、その身のほとんどを濃紫の煙に巻かれ倒れ伏した長い白髭の老翁の姿があった。聞こえた冒険者たちの声に、翁は最期の力で顔をもたげる。そうして、瓦礫の上、由貴奈に抱かれた精霊の仔を見止めた。
「王! ……おじいさま!」
精霊の仔に微笑み、土の都の老王は安堵したように息絶えた。命絶えた王の身は、呪に呑まれるようにして消える。
「待っていて」
精霊の仔を由貴奈に頼み、夏朝はまほろと共に『呪の印』へと向かった。彰尋も円も、それに続く。
星の力持つ者たちを敵と見なしたか、『呪の印』を包む濃紫の煙霧が炎じみて吼える。
「ッ……」
紛うことなき害意を感じ取り、足を止める美咲紀を庇う恰好で足を止める修の脇、
「ぅあぁぁあああ!」
雄叫びに近い気合いの声を上げ、円が突っ込んだ。小柄な体を丸め、弾丸じみて突っ込む少女の身を、ガントレットから噴き出した緋色の炎が包み込む。
炎の弾となって突貫する円に濃紫の煙が錐のかたちとなって襲い掛かる。
「桜庭さん!」
まほろが悲鳴に近く叫び、咄嗟に杖を掲げた。杖から生まれた癒しの光は、眩い白光の尾を引き、円を包む。円に突き刺さろうとする『呪の印』が吐き出す濃紫の煙霧をも包み込む。
「私は、……私は、あなたも苦しみから解放してあげたい……!」
土の竜へ向けた心から祈りをも宿した癒しの光に、濃紫の光がほんの僅か、鋭いかたちを崩す。その隙を突き、円は『呪の印』をその掌に掴み取った。胸に抱き、あるだけの星の力を『呪の印』に注ぎ込む。
「っ、う……!」
濃紫の煙霧が息を奪う。体を圧し包む。麻痺毒にも似た痺れと痛みに歯を食い縛る円の身を、癒しの白い光宿した彰尋が抱き上げた。
片腕に円を抱き、もう片手を円が両手で握りしめる『呪の印』に触れさせる。
「しっかり!」
夏朝が傍らに跪く。抵抗するように溢れ続ける毒の霧を浴びながら、彰尋と円の手を掴む。身に残る星の力では足りないと判断し、サファリリオレンジドロップを噛み砕く。
「手伝います!」
「心配無用だ、必ず……!」
美咲紀と修がその上に更に手を重ね、怨嗟にも似た不気味な色の煙霧を炎の如くあげる『呪の印』に星の力を与える。
「父よ、」
精霊の仔が悲鳴に似た祈りの言葉を叫ぶ。
「我らが父よ、眠り給え――!」
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月20日
参加申し込みの期限
2017年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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