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「用事済んだし戻る。Love ya!(*じゃあな)」
頰をするりと撫でた手が離れてリビングへの扉が閉まると、イリアちゃんは切なげにため息を吐いた。幼い頃に感じていた憂鬱と同じだ。今すぐ職場放棄して、あの背中を追いかけたい。っていうか自分はこんなヒラッヒラの服着て何やってるんだろうと思わないでもない。
「泉、行っちゃった。……馬桐がローリングソバットしなかったらもうちょっと居てくれたかもしれないのに」
「理不尽な! こっちは冗談で何人か死んでるんですから蹴りぐらいかましますよ!」
反論する馬桐の足元は——具体的説明は避けるが——死屍累々だ。
「ホワイトデーどころじゃないわよこれ……」と桜があきれ返っている。
「それはそれ、だよ」
イリアちゃんは気をとりなおして窓に目をやった。本当なら通りが斜め下に広がるのだが、妖精の手が加わった現在は綺麗な中庭になっていた。
そこでハンマードリルを持った焔が絶賛作業中だ。異空間に再現された陽光に照らされている彼女は、頭に巻いたタオルを外して、腕に跳ねた泥を拭っている。爽やかな、それでいて謎の光景だ。
「アレって何してんの?」と、音春。
「んんー……、よく分からない。さっき地均しが終わったのかなぁ?」
イリアちゃんが小首を傾げる間、窓の向こうで焔が屈み、一瞬姿が見えなくなった。うんしょっと立ち上がると、手に鉄骨が握られていた。細い腕にうっすら筋肉の盛り上がりが見える、かなり重そうだ。
「あ。土台作りみたい! もう少ししたら頼まれてたもの出しに行かないと。
えーっと……、耐火コンクリートまでは出してるから、次は石材用カッターと水平器と——」
メモを見ているイリアちゃんから出てくる工事現場で聞きそうな道具に困惑する。焔は何処へ行こうとしているのだろう。
皆はイリアちゃんの説明を聞きながら、とあるアイドルグループが土から野菜を作ったり、製鉄を行う為に反射炉を建設する人気バラエティ番組を思い出していた。この想像は多分合っている。
因みに窓に見える彼女の姿が早回しじみているのは、庭だけ時間の流れが違っているからだそうだ。しかし完成までどの位掛かるのかと思うとぞっとしない。複雑な気持ちでいる皆の方へ、イリアちゃんはくるりと振り返った。
「それじゃあ武道さん。宜しくお願いしますね」
「はい?」
「ん?」イリアちゃんは小首をかしげ、そしてコロコロと可愛く笑った。
「嫌だなあ。『力作業だったり、火を見ている間に他の事したいとか、そういう雑務があれば引き受けるよ』って言ってくれたじゃないですか」
「……ウン、言った……けど」
「これからブロックを積んだり、煉瓦を組まなくちゃならないそうですから。その後は小麦粉作りとか。
ほら、武道さんの出番ですよ!」
イリアちゃんは武道の肩を掴んで中庭へ続く扉の方を向かせると、えいえい強引に背中を押した。他の面子は巻き込まれないよう、そっと距離を置いている。
「ち、ちなみにそれって何時間……何日くらい掛かる作業かな? なーんて」
「ンー……」イリアちゃんは頰に人差し指をあてて考え込む。
「多分大丈夫です! だって実際の、外の時間は関係ないもの。
妖精さんからは、精神的に疲労しても、本当はイリヤ君の部屋で数秒間ぼーっとしているだけだから、お腹が減ったりトイレに行きたくなる肉体の変化はないって聞きました」
「何それコワイ!」
「ええっ!? 大丈夫ですか? 泉に頼んでろっこん使って貰いましょうか? 怖いものなんか無くなって、綿菓子みたいにふわふわ甘くて、すごーく気持ち良くなれますよ。そしたら作業出来ますか?」
「そっちの方がコワイ! と言うか、でもたー坊が——」
「イリアがちゃあん愛情をもって見守りますから大丈夫です、心配しないで!」
「そりゃ彼女に対してのは茶化すとスンゴクコワイノデ、ちょっと距離をとって置こうとは思ってたケド」
「なら丁度良いですね!」
イリアちゃんは杖を一振りして中庭への扉を開くと、武道を押し込み、焔へ手を振った。
「焔さん、戦力の投入ですよ!」
「あら、丁度良いわね」
焔は「早速で悪いけれど」と言いながら、扉近くにあった袋の山を指した。どれもこれも、キロ単位の内容物が入っている。若者だからいいが、あと十年経ったら腰にきそうな重さだ。
「そこのセメントを運んでくれるかしら?」
「セメント!?」
「ええ、それから砂も宜しくね」
「砂!!? 焔ちゃん俺一体何させられちゃうの? ドッキドキ!」
武道は予想外の作業内容を聞いて愕然としている。イリアちゃんはその隙に扉を閉めてしまった。これで中庭とパステルカラーの部屋の時間の流れはまた違うものになった。
あとは二人の無事を祈るのみだ。
*
兄武道が窓の外で汗水垂らして焔を手伝っているのにも気付かず、弟拓郎はスマートフォンの画面に集中していた。ホワイトデーの妖精を介するとプライバシーも有ったものではなく、邪魔にならないようそっと近づいてきたイリアちゃんは、彼がどんなバレンタインデーを過ごし、恋人からどんなプレゼントを貰ったか知っていた。
勿論ホワイトデーのプレゼントについてもだ。
「たーぼうさんは、ホワイト・デーの準備はもうしてたんですよね」
「リボンがついた、かわいい……ポーチ、買ってたけど……。
そう、だよな……チョコ、手作りだったもんな……なら、自分が、作ったものを……」
拓郎がスクロールさせている画面には、アクセサリー作りのレシピ情報が載っていた。イリアちゃんはその手に詳しい桜を手招きする。
「アクセサリー? 何作るの?」と桜。
「ポーチにつけるファスナーチャーム。……この画像みたいに、パワーストーンを使って、作りたいかな?」
「それ、パワーストーンって言うのとは違うとは思います」
拓郎が「え?」と聞き返すと、イリアちゃんは少々狼狽え「イリアも叔母さんの手伝いをしたきりで」と桜に知識を求めた。桜は画面を覗き込んで、ふむふむと答える。
「この画像はアクリルね。あとは樹脂パールも。
クリスタルとかガラスとか。ウッドビーズとかもあるけれど、お店で簡単に手に入らないものもあるし、クリスタルとかは実際に買うとき高くなっちゃうわよ」
それが学生の財布にどれだけ痛いものかは、アクセサリー作りを趣味としている桜が一番知っている。彼女の目が物語る言葉を見て、イリアちゃんは拓郎に質問してみた。
「どんなイメージをしてましたか? ポーチに合わせるなら、全体的に甘めな感じ?」
「……ピンクの石とかいいな。ポーチに合わせて、リボン付きにして……」
「うーん、それなら——」
桜が画面をさしながら、こんな組み合わせが良いとか、こんな材料を使うと良いと拓郎にアドバイスをした。
「カシメ? 何だろうこれ……」
「それも必要になるわよ」
「じゃあそれも、お願いします」
文字情報だけでは分からなかったようだが、イリアちゃんが出した材料を見て、拓郎も作り方や用途の大凡が想像出来たようだ。
「なるほど、カシメ……これでワイヤーを解けないようにするのか」
桜は他にも用具の使い方を、拓郎へ教えた。拓郎も集中しているし、後は桜に任せておけば良いだろう。
イリアちゃんは踵を返して中庭へ農業資材を渡しに向かった。
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担当ゲームマスター
東安曇
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
コメディ
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月14日
参加申し込みの期限
2017年02月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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