this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ホワイトデープレゼント試作会、時々びりびり
<< もどる
1
2
3
4
5
…
8
つぎへ >>
手伝いを申し出た誉は、ラッピングに手を貸してくれる桜と顔を合わせていた。
「まずは何をお返しするかだよな」
「プレゼントって本当に難しいのよね」桜が言うと、竹高は覚えがあると何度も頷いた。
「感覚の違いってヤツっスかね。
お母さんとかお姉ちゃんがmiaoとかで買ってくるスイーツって、確かに美味いけど、値段を聞いたら無ぇなーって感じるし。
もし……もしバレンタインデーとかであーゆーの貰えたら、嬉しさより先に、相手に無理させてないか心配になるかも」
竹高は、いつか来るかもしれない未来を想像してデレデレ照れている。彼の肩を音春が叩いた。
「大丈夫だタカ。そのイベントは、まず、こねぇから」
「んだよ、人のこと言えねーじゃん、みっちゃんも彼女いないのに」
「言える。何故なら俺は今後、年上のお姉さんにモテる大人になる予定だから」
「じゃあ俺もすげービッグな男になって、ほんで、バレンタインのプレゼントとか、アイドルみたいにトラックで貰うし!」
という具合でいつものように先輩たちが戯れ合うのを、馬桐は無視する。
「男子って……」と表情で言っている桜の方へ向き直った。
「お菓子だったら味、アクセサリーなら色、服や雑貨ならデザインや柄が問題ですよね」
「そうそう、相手が女の子、っていうか異性に贈るものなら尚更じゃない?」
やってきたばかりの月詠は、途中から耳を傾けていた桜と馬桐の会話に入った。
「ぶっちゃけ。気持ちがあれば贈り物は何でもいいのだがね。料理でも、花でも、宝物でも、最高の景色でも」
誰もが同意出来る発言だったが、それはさて置き、今の風変わりな状況だ。
とりあえずでホワイトデーの妖精が納得してくれそうな手作り出来るプレゼントを菓子と前提し、その上で参加者のレベル分けをする。簡単なものを誉が、少し上級なものを月詠が教えることになった。
*
作る品が決まり、皆が改めてこのパステルカラーの部屋を見て回ったところ、菓子作りに必須のボウルや泡立て器などの調理用の道具や、オーブンやレンジなどの器具は予め準備されていた。
今さっき月詠が見ていた棚には、バスケットに入った小麦粉だけでなく米粉なども詰められていたし、牛乳やバターや生クリームのような材料の類もある。
「どうやら必要最低限の備えはあるようだ」
「卵と牛乳は? 全員分足りそうか?」
一馬の質問を聞いた雅人は、子供用のおもちゃみたいなピンクの冷蔵庫を開いて卵の数を数えてみる。これだけたっぷり材料が有れば十分だと笑顔で頷いた。
「誉さん、他に必要なものって有りますか?」
「あとこっちは生地を流して固めるのに使うシリコン型だな。こう、穴開きの円形が並んでる型なんだ。分かるか?」
「あーあー、家で見たことあるっス」
「うん、その他の足りない材料なんだけど……、イリアちゃんは?」
誉が皆の材料メモを眺めていると、馬桐がカウチソファーを指さした。
焔が使う重量感たっぷりな材料の準備で疲れたイリアちゃんが、オダリスク絵画のように気怠い姿勢で横たわっていた。長いスカートで見えなくなっていた膝とペチコートが見えてしまい、何も知らない一馬と雅人はスミマセンと言うように視線を逸らしている。
が、馬桐はあのフリルとレースの更に奥にあるものを、——自分も持っているからこそ——知っている。
「見えても大丈夫ですよ、ついてるから」
「何の話し?」
余計な一言に即応された馬桐が、早速床で悶絶し始めたのを目の端で同情的な思いで捉えつつ、誉は空咳をした。
「足りない材料があって」
「アー、任せて下さい! 妖精さんによると、『イリアがイメージ出来れば、この杖でなんでも出せる』みたいですし」
相槌に「流石イリヤく」まで言いかけた音春は「イリアちゃんはすごいなーかわいいなー天使だなー」と棒読み気味の台詞で言い直した。これなら問題あるまいと思いつつも、背中に隠した手で、皆へ「早く!」と合図を送っている。
「ではまず皆が使うチョコレートを頼むか」
月詠の言葉に続いてイリアちゃんがハートで宙にくるんと丸を描くと、テーブルの上が光りだし、粒子の中にチョコレートが現れた。
製菓用チョコレートの半円型を初めて見る一馬は、「変な形だな?」と不思議そうだ。
誉は「凄い!」と感嘆を挟みつつ続けた。
「こっちもいいか? 俺たちはハチミツも使いたいんだ。それとアーモンドパウダーに——」
ホワイトデーの妖精代理の名は伊達ではなく、光の中に次々と材料が生み出される魅力的な魔法に見惚れてしまう。
だがその間中、泉の集中は別の場所に向いていた。妖精お仕着せのオートクチュール。肌に沿って裁断し縫製されたそれは、少年イリヤを『不思議な美少女イリアちゃん』に変身させてみせた。
泉にとって興味の薄い食べ物よりも、服飾業界に身を置く母親が神経を尖らせるミリ単位の世界が、ファンタジーな存在によって簡単に再現されてしまったことの方が、より興味深い。女性特有の括れを再現している脇腹を見つめ、思わず指が伸びた。
「ゃんっ! …………あ」
不意打ちに身を捩って、艶かしい悲鳴をあげてしまった。自分の声に驚いたイリヤはイリアちゃんを作るのも忘れて真っ赤になっている。
「ち、ちちちがう! 今のはちがうから!」
あたふた動く手からハートの杖がすっぽ抜け、軌跡を描きながら床に落ちて、かしゃんと音を立てた。
「え?」
「ちょっ!」
「あ」
誰も単語を紡げなかったその一瞬の後、ハートの杖の電撃機能が発動した。
杖のハートの部分がスパークして、『電気が走る』ような衝撃が皆の身体を襲ったが、イリアちゃんが「ごめんなさいっ!」と謝りながら慌てて杖を拾いあげたお陰で、事なきを得る。
「イリアちゃんがびっくりしたからかしら」
「落ちた時の、不具合……かも?」
桜と拓郎が推理していると、月詠が肩をすくめながら首を横に振った。
「……やれやれ、大事に扱うに越した事はなさそうだな」
「本当にごめんなさい。
もうっ泉! いきなり何するんだよ!」
「悪い、服が気になって……たんだけど、今はこっちの方が気になるな。今の電撃何?
それもクリオネ産だろ。妖精ってスタンガンくれんの? That’s damn funny!(*クソウケる)」
「その杖からよー、ビリビリがくるんだよー、もー危ないわ痛いわ冗談じゃないっての」
望月のぼやきを聞いている泉の指がこちらにすっと伸びてくるのを見つけ、イリアちゃんは杖の装飾のリボンをストラップのように腕に巻いた。これならまたすっぽ抜ける事もないだろう。
「悪戯する気でしょう。ダメだよ、触らせないから」
不信感たっぷりの目を向けられ、泉はぱっと両手を挙げて素直に応じた。
「勿論触らない。……分かってるってそんな顔するなよ。I love you baby.」
だが彼の真っ黒い目が爛々と輝いているのを、勘の鋭い音春や、泉の突飛な行動に慣れ始めた桜、芸術家の観察眼を持つ月詠は見逃さなかった。
そしていち早く逃げた。
「触らない。杖には。日本語って難しいな!」
言うが早いか、泉の手がイリアちゃんの脇の下をとらえた。足の早い刀はここで逃げた。
後は逃げ遅れ組だ。
「あうぅ、くすぐったあはは! Нет.Неет!!(*ダメ、やだあ!)」
イリアちゃんが涙が出るほど笑い転げながら杖を床にガンガン打ち付ける度、電撃はパワーアップしていく。
とても良いリアクションを取ってくれる望月を筆頭に、誉が声にならない悲鳴を上げ、拓郎が唇を「ぐっ」と噛んで耐え、反対に竹高は盛大に叫び、一馬は雅人を庇おうとして床につんのめりながら倒れこんだ。馬桐に至っては最早暴れる元気すらないらしい。白目だ。しかし……。
「あれ?」
どう言う事だろう。欲しがりセンサーが発動しているのか、武道だけはうまいこと電撃が当たらないのだ。真横で英二が痛い痛いと騒いでいるのに。
「なんで俺だけ無事!? わああん俺も!」彼は
芸人として
ある意味失敗した事に歯噛みしていた。
パステルカラーのキャワワなお部屋はテスラコイルの実験場の如し。ビリビリとばちばちが飛び交う、阿鼻叫喚の地獄絵図と化してしまった。
完全に無傷なのは、庭で汗だくになっている焔だけだった。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ホワイトデープレゼント試作会、時々びりびり
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
コメディ
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月14日
参加申し込みの期限
2017年02月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!