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ホワイトデープレゼント試作会、時々びりびり
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「ああ、さっぱりした。まさかシャワールームまであるとは思わなかったわ。待たせたかしら」
タオルで髪の毛についたお湯の雫を拭いながら、焔は魔法の力で真新しい輝きを得た服ごとソファに沈み込んでいた。
「いいえ、ここは時の流れが正しくありませんから」
「さすがメンタルとタイムのルーム、時間は気にしなくていいのね! 堆肥の匂いも、身体の疲れも、なんだか吹き飛んだ気がするわね」
「そう言うものなんだと思います」
イリアちゃんは一人頷き、庭を一瞥した。ホワイトデーの妖精にハートの杖を渡された時は、まさかこれで乳牛を出すとは思わなかった。
「乳しぼりは初めてだけど楽しかったわ。それに畑の収穫も! 砂糖とカラス麦、大麦……、麦わら帽子を被るのなんていつ以来だったかしら」
土の上を走り回り、指先が痺れるほど重いものを運び、固いものをこねくり回して働いた。何日も何日も居た気がするし、ほんの一瞬の出来事だったように思える不思議な時間だった。
「とても大変だったけれど、その分達成感はひとしおね」
(日本の皆が言う『天然』って、きっとこういう人のことだ)イリアちゃんはこほんと小さく咳をした。
「焔さんの納得のいくものが、無事に完成してよかったです」
「一部の材料は他の人たちから譲って貰えたからよ。美味しいチョコレートやジャムをね」
そう言って、焔はスカートを払う仕草をしながら立ち上がった。
「さて残りは包装ね。あとひと頑張りするわよ!」
*
プレゼント本体の作業が終わり、最後はラッピングだ。本人が「おまかせあれ」と言うので、桜が中心になっている。
「お菓子類がいくらうまく作れても、それを包むものがいまいちじゃ、ちょっとね……。
お返しするのなら、相手にときめきを感じさせるものの方がいいよね。例え中身はわかっているとしても、特別なプレゼントには特別なときめきを添えたほうが女の子の喜びもまた格別だし」
こんなアドバイスを聞くと、俄然気合が入ると言うものだ。
英二は小さな円柱型の紅茶の缶を手に、どうすれば理想とするポップな雰囲気になるのかと、柄ものの紙を合わせては試行錯誤している。
「マスキングテープとか使うと良いんじゃないですか?」
イリアちゃんが口を出すと、誉が「100均にも色々あるよな」と頷いている。
「例えば両面テープでリボンをつけて、紙袋に入れるだけでぐっと違うと思うぞ」
「リボンか……」
「メッセージカードを付けるのもいいし、何か花を一輪、リボンで結って添えるのもおしゃれだな」
「花!? ……花かあ。……花」
英二の眉がぐっと寄っているのに気づいて、誉とイリアちゃんは顔を見合わせて笑い出した。
「そんなに悩まなくても——」
桜は英二の隣に座ると、ラッピングペーパーをとってささっと箱を包んで見せた。円柱系をラッピングするのは、そこそこの技術がいる。
(多分ガサツな男子には多分向いてない。もっとも、負けず嫌いな男子の場合、自分でやるとか言ってきかないだろうから)
そう思うから、手取り足取りではなく『見本』なのだ。
あとはアドバイスだけしておけば、英二なら大丈夫だろうと、次にクッキーやマカロンやマシュマロを作った面子に、ジャーラッピングを教える。
基本は透明や薄い色のついたガラス瓶に菓子を入れるだけだ。
「簡単で手っ取り早いでしょ。重ねて入れるだけでもとってもシンプルで美しく仕上がるよ。
間にデザイン性のあるクッキングシートを挟んで入れると、良いアクセントになるし、さっき市橋君が言ってたみたいな小さなメッセージカードを、リボンや紐と一緒にタグみたいにつけたり、中にしのばせるのも悪くない」
蓋につけるシートやリボン類は、クッキーやマカロンやマシュマロの実物があるので、桜はそれに合わせた色柄を提案していった。
完成したものはどれもこれも美味しそうで可愛い、文句無しの出来だ。
馬桐がラッピングを終えると、誉は満を持してと言う雰囲気でイリアちゃんを呼んだ。教えたのは自分だが、頑張りを見ているから自信満々だ。
「これならどうだ? 合格か?」
「不合格なんて有りませんよ誉さん」イリアちゃんは眉を下げて微笑む。桜は言葉を繋いだ。
「そうね。ラッピングも、中身も。一番大事なのは贈る相手への想いをプレゼントに込めることかな」
頷く誉の肩を、武道が叩いた。
「皆、頑張ったんだ。その頑張りは、必ず報われてほしい。
俺はそう思うよ」
*
パステルカラーの部屋にあった無数のテーブルは、いつの間にか長いテーブル一台に変わっていた。
クロスの上に、クッキーとラングドシャと白いティーカップが並んでいる。
ガラス製のティーポットを持っているのは、紅茶を淹れた月詠だ。軟水でジャンピングさせた茶葉は、人数分と足してもう一人分。「妖精の取り分だよ」と彼女は言う。
ゴールデンドロップを、空席の前にあるティーカップに注ぎ終えた。
「さて休憩がてら茶会にしよう」
紅茶の香りに包まれて、雅人と一馬はプリンに舌鼓をうっていた。雅人の提案で、余った材料と時間で作っていたのだ。
「美味しい! 頑張った自分達へのご褒美ですよね、先輩」
「ああ、自分で作ったプリンは格別だぜ。しっかし、残ったものも活用するとは千鳥はすげえわな」
雅人は照れ笑いをした。
「……ん~、でも出来れば黄身もホワイトデーのお菓子に使いたいなぁ……。
あ。生地にしてマシュマロ乗せチョコタルトとか! よし、本番はそれで行ってみよう!」
一つ下の後輩のバイタリティー溢れる姿を前にして、一馬は自分も頑張ろうと思いつつプリンを飲み下した。
そんな中でも注目を集めていたのは、焔の例のクッキーである。一見普通に可愛いのは桜が教えた包装のみで、中身はあの凝りようだからだ。
誉は自分がホットケーキミックスで簡単に作ったクッキーと味を比べて「同じものとは思えないな」と驚嘆していた。拓郎も兄が手伝ったとあって、内心興味津々のようだ。
「えーと、でもね。うちのクッキーの原価は包装も含めて一個680円、お店で売ろうとすると一個二千円くらいになっちゃう」
「手作りの価値って、意外と高いですよね」と英二が言うので、竹高が手を挙げた。
「はいっはい! 俺が誉さんと作ったクッキーも高く売れたり!?」
「しねーわ」
「しません」
音春と馬桐が揃って答える。焔は腕を組みながら、哀愁漂う表情でしみじみと言った。
「美味しいお店のクッキーってすごいわね」
皆のやり取りの騒がしさに紛れて、望月はそわそわしながら武道に近づいて行った。
「おぉ、もっちーもいたのか!」
ニコニコ迎える武道へ、望月はぎこちなく、英二の手伝いで作っていた菓子をラッピングしたものを背中の後ろから出した。
状況的には似通っていたが、想い人へのプレゼントをするシーンに見える甘く切ない空気とは真逆の、重く苦しい雰囲気を纏っている。
「コレ、ソデノシタデス、ドウゾ」
「おぬしもわるよのう。……え?」
武道は菓子を受け取ったまま、不思議そうに聞き返した。武道の方は、望月がこんな態度を取るような行き違いを感じていなかったのだ。
「俺、何かしちゃった?」
「むしろしちゃったのはこっちの方で」
「ん? ごめんもっちー。ちゃんと話して欲しい」
武道は望月の口から直接聞いて、彼が自分の繊細な部分を雑に扱ってしまったと気に病んできた事を知る。意思の疎通を交わせば、なんでも無い話しだ。あの時はごめん、気にするなよ、と、互いの肩を叩くように和解した。
「あ、でもコレは貰ってくれよな」
望月は気恥ずかしそうに頰をかいている。
「では改めてイタダキマス……。んんっ、さっすが料理得意なだけあるなぁ、安定の味!」
武道は望月の前で彼に貰った菓子を頬張り、シャイな友人の背中を押した。
「当日も頑張ってな!」
談笑のひと時を過ごしている間に、刀はルヴィアを抱いてそっと席を立っていた。
イリアちゃんと月詠がそれに気づいて追うと、刀は振り返って薄く微笑んだ。
「もう帰っちゃうんですか」
「ああ。今日は上手く出来たと思うし、本番が失敗だったら失敗だったで次で挽回するさ。次もある、そう言い切れるだけの絆を俺達は育んで来た。
だから妖精の納得は不要だ、これがあいつ等に贈る今の俺の完璧なプレゼントなんだから」
「……格好良いですね」
イリアちゃんはぽかんとして、月詠に質問するように言う。既にドアノブに手をかけていた刀は、突然我に返ったように慌てだした。
「今のセリフは本人たちに言うと俺が羞恥で死ねるので黙っててくださいお願いします」
「分かりました。じゃあ本人たちじゃなく、兄さんたちに言いますね。明日には紅緒さんが聞いて、明後日には陽毬さんが知って、本人に伝わっちゃうかもしれませんけれど、僕が直接本人に言わなければ良いんですものね。うふふ」
イリアちゃんは年上をからかって楽しそうだ。
「ちょ、え、イリアちゃん!?」と慌てる刀をリビングへ押し込んで、ぱたんと扉を閉じた。
「しょうがないな」月詠は肩を竦めている。
二人が席に戻ると、皆が何を話していたのか期待する視線を送ってくる。イリアちゃんは応えないように、両手をぱちんと鳴らした。
「みんなが作ったプレゼント、どれも素敵でした。作った人と、手伝った人の気持ち、たくさん詰まっているから、貰える人はきっと喜ぶだろうなぁ。
今日は本当に、とても素敵な機会でしたね。月詠さんのお陰でとても美味しい紅茶も頂けましたし」
「ああ。こんなプレゼントも良いだろう? 諸君」
童話に出てくる憧れの王子様が実在するのならこんな風に違いない優雅な笑みを、月詠は浮かべている。
そして大事な一言を口に出した。
「気持ちでいいのだよ、気持ちでな」
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あとがき
担当マスター:
東安曇
ファンレターはマスターページから!
東安曇です。
らっかみタイムもバレンタインデーに続きホワイトデーがやってきましたね。皆さまどう過ごされるご予定ですか?
今回はその準備ということで、様々な手作りアイディアが登場してバラエティ豊かな内容になりました。
それではホワイトデー当日を楽しみにしつつ——、今回はご参加頂き有難うございました。
※お願い※
東はリアクション執筆の際に、名前の呼び方などで『ともだち』欄を参考にすることがございます。
PLの皆さまにはお手数ですが、ご負担にならない程度で構いませんので、PCさん同士の関係を埋めてくださいますと幸いです。
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2017年02月14日
参加申し込みの期限
2017年02月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月21日 11時00分
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