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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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【星幽塔】第六階層 彷徨い星と動かぬオルゴール
その中で、アカリが気になったのは、魔女を治療した後の事。治療だけでは終わらないよな、と考えた衛はいかにして魔女の印象を良くするか、悩んでいた。が、魔女の黒衣を見て閃く。
「どうしたんだ？」
「黒だ！ あの影の黒だよ、アカリくんっ！ 散々迷惑かけられてんだ、こっちも利用してやろうぜ！」
衛は「黒ってそもそも悪そうな色だろ」と言い、魔女の衣服を見ながら言葉を続ける。
「人は見た目が９割っつーしさ。黒以外の色でイメチェンして、今ある悪印象は黒影と黒い衣に押し付けちゃって持ってって貰ちゃえばいいんじゃねえかな」
「確かに綺麗に着飾ってあげたらいいかもな……」
アカリは衛の言葉に頷き、移動しようとする者たちに『魔女の為に綺麗な服を、なるだけ白っぽい物を用意して欲しい』とお願いした。勿論、アカリ自身も探すつもりでいる。
こうして、冒険者達は行動を開始した。
＊ ＊ ＊ ＊
冒険者達の多くが移動を初め、残ったのは魔女を護送する事に決めたメンバーだった。
「今回は隠し階層かな」
そう言ったのは結城 日和だった。彼女はバイオリンを抱えたまま穴倉の外を見た。すると、遠くにいくつかの木製帆船のようなのような物が見え、一同は嫌な予感がした。
「皆、彼女を探しているのかな……」
衛がそう言った側から虚空に銀の龍が現れ、くるりと回る。途端に地震が起こり、ぱらぱらと上から砂が落ちてくる。
「ここも崩れてきている。その隠し階層に早く行った方がよさそうだ」
魔女の様子を見ていた逢坂 魁が心配そうにいい、その場に残った全員が頷く。おそらく最年少だろう曖浜 瑠樹がかばんから色々出していた。
「ここが崩れそうだよぉ。ここから出て、隠し階層まで行こう？ お姉さんにはこれを使ってみるよぉ」
そう言って瑠樹は魔女の額に白い包帯を巻き、日和に手伝ってもらい黒衣から白いローブへと着替えさせた。
「どうやって隠し階層に連れて行こう？」
「んー、アステリズムは担当階層かそこにしか行けないとか聞いたよ」
魁の呟きに答えたのは、桜庭 円。彼女の言葉にステラも「階層を出たらなんかわかるかもしれないの」とよく解らないらしい。ともかく、一同は魔女を階層の出入り口まで連れて行くことにした。
だが、円にはそれとは別に気になる事があった。円はさっきからずっと魔女の肩の傷を見ていたのだ。
「毒ってさ。余裕で魔女さん排除出来てたんじゃない？ 少々オーバースペックぽいっ気がする。この傷を負わせた人、本気で狩る気はないよね。普通、こんな遊びはしない筈だしさ」
世を乱すのが目的で扇動されてたりするのかな？ と円は首をかしげる。
しかし、こうしている間にも船の陰は近づいている。一同は魔女の護送を決行する事にした。瑠樹は騎士の光を発動させ、白い羊を呼び出した。２人ほど乗れそうなそれの背中には白い翼が生えている。
魔女とステラをそれに乗せ、一行は洞穴の側面に空けた穴から脱出する。円は狙撃できそうな場所を探し、そこに注意を払う。
静かに、速やかに走る中、衛はちらり、と魔女を見た。肩の傷に顔をしかめる彼女の姿に衛は心を痛めていた。
（怪我もなんとかしなきゃだけど、せめてもう少し医者の勉強が進んでりゃ俺も力になれるのに）
そう思ったとき、彼の脳裏に１人のアステリズムの姿が脳裏に浮かんだ。
「アステリズムなら、隠し階層にいけるんだろ？ 丁度いい人がいる！ 俺、後で呼んでくるよ」
「確かに丁度いい人いたね。じゃあ、お願いしていい？ 僕は魔女さんの怪我の事で気になることがあるから、ここに戻って調査しようと思うんだ」
円の言葉に衛は小さく「頼む」と言った。
「あ、あれ……」
第五階層への道を見つけた瑠樹が声を上げたが、日和が息を飲む。ドコからとも無く「魔女だ！ 魔女を見つけたぞ！」という男性の声。どうやら、見つかったらしい。血走った目の人々が、次々に船で近づいてくる。
「走って！」
日和は魁達にそういうと、バイオリンを構える。そして息を吸い、魔風の力で風を巻き起こし、追手の気を引いた。
「皆様、少しばかりお付き合いくださいませ」
そう言い、旅芸人を装った日和は、バイオリンを奏で始めた。柔らかな旋律が風に乗り、追手たちの表情が僅かに穏やかな物になる。巧みな演奏と日和の愛らしさ、そして優しい音色が、追手達の怒気を沈めていく。
日和はバイオリンを弾く事でろっこん『音楽のちから』がきちんと発動した事に内心安堵する。その暖かな音色に癒された人々は、魔女を追っていた事を忘れようとしていた。
――１本の矢が、日和を掠めるまでは。
「どうしたんだ？」
「黒だ！ あの影の黒だよ、アカリくんっ！ 散々迷惑かけられてんだ、こっちも利用してやろうぜ！」
衛は「黒ってそもそも悪そうな色だろ」と言い、魔女の衣服を見ながら言葉を続ける。
「人は見た目が９割っつーしさ。黒以外の色でイメチェンして、今ある悪印象は黒影と黒い衣に押し付けちゃって持ってって貰ちゃえばいいんじゃねえかな」
「確かに綺麗に着飾ってあげたらいいかもな……」
アカリは衛の言葉に頷き、移動しようとする者たちに『魔女の為に綺麗な服を、なるだけ白っぽい物を用意して欲しい』とお願いした。勿論、アカリ自身も探すつもりでいる。
こうして、冒険者達は行動を開始した。
＊ ＊ ＊ ＊
冒険者達の多くが移動を初め、残ったのは魔女を護送する事に決めたメンバーだった。
「今回は隠し階層かな」
そう言ったのは結城 日和だった。彼女はバイオリンを抱えたまま穴倉の外を見た。すると、遠くにいくつかの木製帆船のようなのような物が見え、一同は嫌な予感がした。
「皆、彼女を探しているのかな……」
衛がそう言った側から虚空に銀の龍が現れ、くるりと回る。途端に地震が起こり、ぱらぱらと上から砂が落ちてくる。
「ここも崩れてきている。その隠し階層に早く行った方がよさそうだ」
魔女の様子を見ていた逢坂 魁が心配そうにいい、その場に残った全員が頷く。おそらく最年少だろう曖浜 瑠樹がかばんから色々出していた。
「ここが崩れそうだよぉ。ここから出て、隠し階層まで行こう？ お姉さんにはこれを使ってみるよぉ」
そう言って瑠樹は魔女の額に白い包帯を巻き、日和に手伝ってもらい黒衣から白いローブへと着替えさせた。
「どうやって隠し階層に連れて行こう？」
「んー、アステリズムは担当階層かそこにしか行けないとか聞いたよ」
魁の呟きに答えたのは、桜庭 円。彼女の言葉にステラも「階層を出たらなんかわかるかもしれないの」とよく解らないらしい。ともかく、一同は魔女を階層の出入り口まで連れて行くことにした。
だが、円にはそれとは別に気になる事があった。円はさっきからずっと魔女の肩の傷を見ていたのだ。
「毒ってさ。余裕で魔女さん排除出来てたんじゃない？ 少々オーバースペックぽいっ気がする。この傷を負わせた人、本気で狩る気はないよね。普通、こんな遊びはしない筈だしさ」
世を乱すのが目的で扇動されてたりするのかな？ と円は首をかしげる。
しかし、こうしている間にも船の陰は近づいている。一同は魔女の護送を決行する事にした。瑠樹は騎士の光を発動させ、白い羊を呼び出した。２人ほど乗れそうなそれの背中には白い翼が生えている。
魔女とステラをそれに乗せ、一行は洞穴の側面に空けた穴から脱出する。円は狙撃できそうな場所を探し、そこに注意を払う。
静かに、速やかに走る中、衛はちらり、と魔女を見た。肩の傷に顔をしかめる彼女の姿に衛は心を痛めていた。
（怪我もなんとかしなきゃだけど、せめてもう少し医者の勉強が進んでりゃ俺も力になれるのに）
そう思ったとき、彼の脳裏に１人のアステリズムの姿が脳裏に浮かんだ。
「アステリズムなら、隠し階層にいけるんだろ？ 丁度いい人がいる！ 俺、後で呼んでくるよ」
「確かに丁度いい人いたね。じゃあ、お願いしていい？ 僕は魔女さんの怪我の事で気になることがあるから、ここに戻って調査しようと思うんだ」
円の言葉に衛は小さく「頼む」と言った。
「あ、あれ……」
第五階層への道を見つけた瑠樹が声を上げたが、日和が息を飲む。ドコからとも無く「魔女だ！ 魔女を見つけたぞ！」という男性の声。どうやら、見つかったらしい。血走った目の人々が、次々に船で近づいてくる。
「走って！」
日和は魁達にそういうと、バイオリンを構える。そして息を吸い、魔風の力で風を巻き起こし、追手の気を引いた。
「皆様、少しばかりお付き合いくださいませ」
そう言い、旅芸人を装った日和は、バイオリンを奏で始めた。柔らかな旋律が風に乗り、追手たちの表情が僅かに穏やかな物になる。巧みな演奏と日和の愛らしさ、そして優しい音色が、追手達の怒気を沈めていく。
日和はバイオリンを弾く事でろっこん『音楽のちから』がきちんと発動した事に内心安堵する。その暖かな音色に癒された人々は、魔女を追っていた事を忘れようとしていた。
――１本の矢が、日和を掠めるまでは。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年03月11日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年03月18日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年03月18日 11時00分
