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きままにアルク 後編~ウォーカーズ・プロトコル
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【ホタルビト】
トワ・E・ライトフェロゥ
は語ります。
「お互いを滅ぼすまで戦っても、必ず禍根はどこかに残る。ここはひとつ、この戦いの落としどころを探しましょう?」
「くだらぬ。くだらぬ殻無しのくだらぬ戯言を、なぜそれがしが聞かねばならぬのだ?」
将軍の振り上げた大鎌が、ぴたり、トワの首元へ。
サキリ・デイジーカッター
が飛び出しかけるも、
夜海霧 楓
が再びそれを制して、
「……いいのかい?」
「今はまだ、な。それより、チャンスだぜ?」
サキリが周囲を小さく見回すと、将軍やムシたちの注目は今、トワひとりに集中しています。
「なるほどね。それじゃ、僕はやるべきことをやろうか」
一瞬で、しゅぱ! と姿を消すと、瞬間移動を繰り返し、彼は城内のどこかへと消えていきました。
トワは、首筋に触れるひやりとした刃の感触に、けれどそれを意にも介さず。淑女のように優雅な仕草で、するりと手を掲げます。
「そもそも……はっきり言って、悪いけど、貴方がた。別の世界を侵略して、戦争をしかけたところで、勝てるとは思えないわね」
「……何?」
いつもの、デス! マス! 口調ではありません。息を呑んで見守る
綾辻 綾花
の腕の中、アルクの翻訳能力のたまものでしょうか? トワの語り口はまるで、賢く気高い王女さまのようです。
「理由はいくつかあるけれど。ひとつ! 将軍、今は貴方が私たちの世界にいるのではなくて、私たちが貴方の世界にいるということ」
「どどど、どういう意味だ、殻無し! なっなっ何を言うか、何人たりと将軍の覇道を阻める者など……」
ヒステリックに叫んだのは、モズ。ネ族の裏切者を、けれど将軍はじろりと睨みつけ、
「黙っておれ、モズ。では、殻無しよ……攻めるは我らではなく、其方らであると言いたいのか?」
「場合によってはね。私たちには、その力があるもの」
ちらりと振り返ると、綾花が思わず、白黒毛並みをむぎゅっと抱きしめます。
トワにはもちろん、そんなつもりはありません。けれどタケ将軍には、伝える必要がありました。
「ふたつ!
魔導帝国ローシルテ
の擁する戦力は、貴方がたの比ではない。それに……考えてもみて? たかだか30~40人程度のウォーカーがいるだけで、戦況はすっかり、ひっくり返ってしまったわ。この戦力差を、貴方はどう考えるのかしら」
「戦況が……ひっくり返った? だと?」
将軍はその時初めて、異変に気付いたようです。城の階下、城門がすでに破られ、ネ族たちの侵入を許していたことに。
「……バカな。兵どもは何をしていた……モズ!!」
「はっ、はひ!! ウォーカーどもです、将軍……彼奴ら、各地の部族をことごとくに併合し、今やその大軍勢は我らを容易く上回り……」
ぎぎぎ、という音が聞こえて、モズはひいっと言葉を切りました。
将軍の瞳は怒りに燃え、二本の顎は、歯ぎしりするかのようにぎちぎちと震えています。
「では……ユークリアンナ。彼が、やってくれたのですね……!」
ネ族の姫君、ヒミはほっとしてか、よろけてユークリアンナΘへと寄りかかりながらに、茜色に透き通る涙をこぼします。
「ユメが、ああ……彼が、この者らを呼び寄せたのですね……!」
「そうなのでしょう。私の恐れは、どうやら杞憂に終わったようです。ネ族の勝利です、ヒミ姫」
ユークリアンナは、ぱちり。旅人たちへと、ウィンクをひとつ。アルクを奪われることを警戒していた彼女は、状況の好転に、やっぱり安堵の表情を浮かべました。
トワは、続けます。
「もうひとつ、付け加えるなら……その強大な力を持つ魔導帝国であっても、結局、完全な他世界渡航には成功しなかった。結果は惨憺たるものだったのよ。まして貴方たちが、自由自在に世界を移動できるようになるとは、ちょっと思えないわね」
「……そのようなこと。やってみなければ……」
「それより、貴方がたの侵略にかける執念や情熱を、別のベクトルに変えてみたらどう? たとえば、そう……music! 素晴らしいものよ? 世界を壊すのではなく、救ったり、変えてしまうことだってできるの。貴方たちにも、音を奏でることはできるでしょう? まぁ、音楽でなくても構わないのだけどね。何だっていい、本人がいなくなっても、文化はいつまでも残り続けるもの……どうかしら。これだって、いわば侵略と言えるのではないかし……」
「黙れィッ!!」
ごしゃ、とすさまじい音が轟いて、トワが立っていた足場は大鎌に両断され、がらがらと崩れ落ちていきました。
もちろんすんでのところで、楓がトワを抱きかかえ後方へ飛び退き、がしゃりと魔導銃を構えます。
「oh、こーしょーけつれつデス?」
「そうみてぇだな、残念ながら。だが時間は十分稼いだ。頃合いだ、退くぞ!」
将軍のぎょろりとした瞳はもはや、炎そのもののようにぎらぎらと燃え盛り、怒りはつんざく咆哮となって轟きます。
「音楽だと!? くだらぬ!! くだらぬ!! この身が朽ち果てようと、我が種が滅びを迎えようと、侵し、食い尽くし、全てを茜色に染め征くのが我らだ!! 音楽だと、かかか……二度とその戯言を口にせぬよう、うぬらは、滅するが良い!! かかかっ、かかかかか……」
将軍は怒声を響かせながら、やみくもに大鎌を振るい、居城の内部を破壊し始めました。吹き飛ぶ瓦礫。崩れ落ちていく止まり木。
旅人たちはヒミとユークリアンナを導きながら、城のあちこちからめらめらと、火の手が上がり始めていたことに気づきました。
「お、おやめください、将軍っ!! 城が!!」
モズが4本の手を振って、タケ将軍へと声を張り上げます。
「あなたが死すれば、わしは、このモズは、いずこへ行けば良いというのです……ネ族を裏切った、このわしに!」
「……『逃げるのです!!』」
よりどころであった将軍の乱心に、まごまごとし始めたモズと、その部下であるネ族たちへ。
語りかけたのは、祖父の台本を手にした、
鴻上 彰尋
でした。
「『彼はもはや人の心を失い、ひたすらに血を求めるケダモノへと堕ちました。あなたが愛した勇壮の将はもはや、死んだのです……!!』」
「な……なにを」
彰尋のろっこんは、台本を読み込み、自ら念じることで発動します。今、彼は演技をしています。
かといって、敵であるはずのモズや裏切者のネ族たちを説得し、ともにこの場からの脱出を促す彼の気持ちに、嘘はありませんでした。
「『さあ、私とともに逃げるのです。想いを断ち切り、今こそ!』……彼があくまで世界を渡り、他の世界を滅ぼそうというなら、あなたたちはついていくべきじゃない。彼は本能のままに事を行うだけ、死ぬまで戦い、満足して死ぬだけ。あなたたちのことなんて、最初から眼中にないんだ。置いていかれるだけだ……それでいいのか?」
「……お、おお……そんな、其方は……まさか」
ぽつりと漏らすように言ったモズが、今その目で見ている人物が何者なのか、彰尋には分かりません。ただ、進化した彼のろっこんが見せるのは、相手が望む者の姿です。少し卑怯だけど……と彰尋は思いつつも、結果として彼らが命を拾えるなら、決して悪いことではないのでしょう。
将軍の振るう大鎌に破壊され、燃え盛る炎は広がり、ハ族の居城は徐々に、崩れ落ちていきます。
「ひ……ひっ、退くぞ、同胞たち! タケ将軍は、乱心した! もはや我らを庇いだてはしてくれぬ、かくなる上は我らが姫を守り抜き、安全な場所へお連れするのだっ。せめてもの、つ、つっ、罪滅ぼしであるぅ……!」
ユークリアンナΘ、ヒミ姫を導き、楓やトワ、彰尋、それにモズたちがシノビカゲムシへと乗り込んでいく、そのさなかに。
「将軍は……どうしてアルクのことを?」
綾花の胸にはいまだ、疑問がくすぶっていました。腕の中で、アルクはにゃあと鳴き、彼らの周囲を囲み始めた炎の熱気にちりちりとヒゲをあおられて、目を細めています。
「ウォーカーがアルクを連れているのを、将軍は見ていた? でもそれだけで、世界を渡り歩くなんて、そんなことを思いつくでしょうか? どうして、将軍は……」
「……『いだいなるよあけごう』」
口を開き告げたのは、ユークリアンナΘに支えられている、ヒミ姫でした。
姫は綾花をまっすぐに、茜色がかった瞳で見つめて、どこか悲しそうに告げました。
「もはやいずことも数えられぬほどの太古より、連綿と受け継がれてきた記憶が、衝動が、彼をそうさせるのです。我々の誰もが、思い出すことができます……ローシルティウムに刻み込まれし、原初の記憶……勇ましき兵の並び。着飾った殻無しの王が叫ぶ、船の名を。
黒き船の旅立ちの日
を。遠くで我らを見つめていた、幼き殻無しの子と、その傍らの、白と黒の毛玉のような小さき生き物を。我らの祖は、殻無しとともに世界を飛び越え、この地に流れ着いたのですから……」
彼らは、つまり。最初から、知っていたのでしょう。
暴れ狂う将軍を見上げ、綾花の胸は複雑な思いにとらわれ、自然とその手は、アルクの背中を撫でつけました。
「滅び……滅び、滅び! 滅び!! それこそが我らホタルビトの、唯一無二の存在意義よ!! それを忘れた、怠惰で脆弱なネ族どもになど、生きる価値なし!! 滅ぼしてくれよう、それがしがこの鎌で、ウォーカーもろともに、さすれば白黒の生き物は我が手に落ち、あまねく世界を……」
「……悪いね。そうはいかないんだよ」
冷たさと、感慨と、強者への敬意を込めた言葉の主を、首をもたげたタケ将軍が、見ることはありませんでした。その時には、城に火をかけ混乱させるサキリの作戦は完遂され、瞬間移動によってとうに、姿を消した後だったので。
代わりに彼が目にしたものは、
「お……おおお、うおおおお……!! おのれェ!! ネ族が、殻無しごときが……それがしをォ!!」
頭上から降り注ぐ、燃え盛る巨大な城の残骸でした。
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墨谷幽
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きままにアルク 前編~二十四の轍
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月06日
参加申し込みの期限
2017年02月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月13日 11時00分
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