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秘められた思い出
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自身に課した一日の勉強を終えた。ベッドで横になった
八神 修
は、ぼんやりと天井を眺める。
――この季節のせいなのかな。中学の時に美咲紀と一緒に出掛けた卒業旅行が頭に浮かぶ。
枕元に置いたスマートフォンを横目で見る。手を伸ばし掛けて思い止まった。時刻は深夜を回っていた。
「おやすみ」
ひっそりと呟いて眠りに就いた。
翌朝、すっきりと目覚めた修はスマートフォンを手にした。澱みのない口調で旅館と切符を確保する。
「あとは美咲紀だけか」
僅かに眉間に皺が寄る。肝心の相棒の予定を聞いていなかった。軽く息を吐いて電話を掛けてみる。
三回の呼び出し音の後、明るい声が返ってきた。
『シュー君、おはようなのです!』
「おはよう、時間は大丈夫かな」
『問題ないのです』
その一言に修は表情を緩めた。
「じゃあ、一緒に出掛けよう」
『いいですよ。どこに行くのです?』
「ちょっとそこの茨城まで」
『ああ、茨城県ですか、ってちょっとそこではないのです!』
慌てた様子に修はにこやかに笑った。
「急に水戸の弘道館に行きたくなってね」
『中学の卒業旅行を思い出します。そうなるとですね。偕楽園はルートとして外せないのです』
「そうだな。そこも思い出の場所だから」
二人は落ち合う時間を決めて電話を切った。
「急がないと」
カジュアルなスーツに着替えた修は軽やかな表情で邸宅を後にした。
エントランスの建物内で
椿 美咲紀
が待っていた。清楚な白いワンピースに薄桃色のカーディガンを当てている。修の姿に気が付くと笑顔で手を振った。
「時間よりも早くに来ちゃいました」
「じゃあ、行こうか」
二人は抑えられない笑みを浮かべて出発した。
星ヶ丘駅から乗車して幾つかの線を乗り継ぐ。途中で下車した駅の売店では菓子や飲み物を買い込んだ。二人は窓際の席に並んで座り、流れる景色を見ながら話に興じた。
目的の駅が近づいてきた。
修は窓際の美咲紀に、それとなく言った。
「今回の旅館は料理が自慢のところだから期待していいよ」
「手際が良すぎてプロの添乗員さんみたいなのです。でも、こんな急な話をよくお付きの人が許してくれたのです。驚きなのですよ」
「え、それは、まあ、どうかな」
修はぎこちない笑みで目を逸らす。美咲紀が身体を寄せてきた。
「私はちゃんとメイドさんに言ったのです」
「俺は、その、駅に着いたら電話するから」
「怒られるのなら、早い方がいいのです」
「まだ怒られると決まった訳ではないし」
切りの良いところで水戸駅に到着した。人の流れに乗って二人は北口の改札を抜ける。
「電話してみる」
修は美咲紀に声を掛けると少し距離を取った。耳にスマートフォンを押し当てて神妙な顔で待つ。
「……風間か。俺だ」
威厳のある声で言った。数秒後、苦しそうな表情へと変わる。何回か、軽く頭を下げた。
「苦情の対応に追われるサラリーマンみたいなのです、かわいそうに」
美咲紀は涙を拭うような仕草を見せた。
「わかった、また連絡を入れる」
通話を終えた修はバツが悪そうな顔で戻ってきた。
「大丈夫です?」
「小言だけで済んだよ。今度から遠出の時は一声掛けることにする」
「それがいいのです」
美咲紀が歩き出す。修は横に並び、周辺に目を向ける。
「懐かしい感じがするね」
「梅が楽しみなのです」
二人は道路沿いの歩道を北に向かって進んだ。水戸城の跡地を目にしながら西へと曲がる。正面に弘道館の建物の一部が見えた。申し合わせたように二人の足が速くなる。
淡紅色の梅が視界に入った。
「綺麗に咲いているのです! 突撃するのです!」
「そんなに急がなくても梅は散らないよ」
言葉とは裏腹に修も小走りになった。
既定の料金を払った二人は正門を抜けた。広い庭に咲き誇る梅を見ながら、今度はゆっくりと味わうように歩く。
美咲紀は後ろ手に組んで顔を上げる。漂う梅の香りにうっとりとした表情を浮かべた。
「春は良いですね。梅で始まって桃になり、桜に受け継がれてゆくのです。バラ科を代表する美花木達の怒涛の開花時期を迎えるのです!」
「俺は梅の花を見ていると、少し物悲しい気分になるかな。春を告げて、春を迎える前に散っていく」
修は白梅を目にして立ち止まった。時を遡り、歌人となって一首を口にした。
「我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも」
「大伴旅人ですね! 風流なのです。今の和歌でシュー君の実家の庭にいる気分になったのです」
「ここまで広くないよ」
和やかな雰囲気で見て回る。建物にも目を向けて弘道館を後にした。
バスを利用して二人は偕楽園に訪れた。
直線の道の両側に梅が咲き乱れる。美咲紀は大いにはしゃいだ。陽気に当てられた修は隣で弾むように歩いた。
奥まったところで二人は過去を振り返る。切っ掛けとなったのは美咲紀の何気ない一言であった。
「最後の記念旅行だったのに、また高校で会えるなんてびっくりです」
「俺も驚いたよ。美咲紀は神道系の学校に進学すると思っていたからね」
「私も同じなのです。シュー君は付属の高校に行くと思っていました」
修は視線を上に向けた。青い空を背景にした紅梅が鮮やかに咲いている。
「急に飛び降りたくなったんだよ、エスカレーターから。もしかして美咲紀も?」
「大学を選ぶ自由はないので、その前に違う世界を見たくなったのです」
「そうだったのか。ちなみにどこの大学を受けるつもりなんだ?」
その質問に美咲紀は笑って顔を振った。
「決めてないのです。シュー君はどうなのですか」
「俺の第一志望は以前と同じで東大だ。滑り止めは軽王を考えている」
「滑り止めに滑りそうなのです!」
修は興奮する美咲紀を宥めるように言った。
「大袈裟だよ。もちろん、第一志望に合格する自信はあるけど先は長いからね。気を緩めないで日々の勉強を頑張るよ」
「私も頑張るのです。高校生活も負けないくらいに楽しみたいのです。色々な経験は無駄にならないと思うのです。最後に家を継ぐことになったとしても」
「その通りだ。だから、楽しもう。今、この時間を一緒に」
修は自然に手を差し出した。美咲紀は抵抗なく握る。
色鮮やかな梅の花に包まれた道を二人は笑顔で歩いていった。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月04日
参加申し込みの期限
2017年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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