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FEAR THE FORCE:変異-METAMORPHOSE
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買ったばかりの原付バイクは、なかなか快調な走りを見せている。
たとえるならば隼、『滑走』と表現したくもなる。静かなエンジン音も好みだ。いきなり捕まっては台無しなので法定速度で走っているのだが、それでも風切る爽快感は十分だった。
信号のないまっすぐな道路を走り、緩やかなカーブを曲がったところで、
如月 庚
は風よけゴーグルの隅に、黒い紐状のものを確認した。
しゅるりと長い。
水族館で見たウミヘビのよう。
しかもそれが、空の方向に見えたのである。
ブレーキを握って原付を止める。ディスクブレーキ特有の、キュッ、と凝集するような反動を味わいながら庚は空を仰ぐ。濃い銀色のヘルメットをずらして、よく見えるようにした。
見間違いではなかった。動物の長い尾、いや、尾そのもののような半透明の生物が、黒い姿をのたうたせながら空を駆け抜けていったのである。
すぐに生物(?)は姿を消した。
龍、そんな風に見えた。だが頭部は、トンボなどの昆虫に見られる複眼のようでもあった。
飛翔していったのは寝子島高校の方向だ。
生暖かい春風に、やや神経に障る香りが混じっていた。
マッチを擦ったときに似ている。かすかな硫黄の香りだ。
硫黄……硫黄って、元素記号は『S』だったか……。
つい期末テストのことを考えてしまい、庚は軽い頭痛を覚えた。あまり考えたくない物事のひとつではある。
けれども庚の好みなどおかまいなしに連想は続く。
この匂いは知っている。間違いない。
先日、鼻岬の洞窟で遭遇した匂いだ。
仮に『蟲』と呼んでいる……あの奇怪な生物が出現するときの匂い。厄介事、敵の匂いだ。
予感がする。しばらくなりを潜めていたあのときの怪現象と似たことが起こる予感だ。
――今度は学校か。
ゴーグルの奥で、庚の眼は尖った水晶のような光をたたえていた。
消えた龍の姿を追うように学校に原付を向ける。やがて庚の耳に、ひどく重い鐘の音が届いた。
「人に仇なす異変というのは、人によってもたらされる……」
我知らず庚は呟いている。
その真理を彼は、この一年、多くの異変に関わることで学んでいた。
硫黄の匂いにする方向に、黒幕がいる。そう直観的に思う。
――たしか、硫黄ってのは火山やら温泉やらに含まれる成分だったか……しかし、九夜山が活火山ってのは聞いたことがねぇしな……だとすると、ありえるのは寝子温泉……うん? だが、ここからだと遠すぎないか。
だったら学校で、硫黄と関連した場所を調べてみたい。
庚はブレーキから手を離し、アクセルをひねっていた。
エンジンの回転数が上がる。
◆◆◆
心頭、滅却。
邪なものよ去れ。
豁然と目を開いた
尾鎌 蛇那伊
の眼前
で、
異
変
は
点
滅
し、消えた。
ふっとその赤い唇に、刀傷のような笑みが浮かんでいる。
「……嫌な鐘の音だったわね」
呼吸を整え、蛇那伊は音の来たりし方向をにらむのである。
武道家たるもの、いつなんどき、就寝時や食事時であろうと、襲撃には備えなければならない。そういうものだと彼は知っている。
その心がけがあったが故だろう、気味の悪い音とともに訪れた魔界への誘いを、蛇那伊は心からたちまち追い払うことができたのである。
「アタシを落としたいならもっと強力なのを持ってきなさい……多少の幻術なんて屁の河童よ」
短い時間見えた幻の世界を思い、蛇那伊はふっと鼻で笑った。たしかに理想的な世界であるように思えた。けれども世の中、そうそう思う通りにいかないものだということくらい、尾鎌蛇那伊は知っている。いやというほど、この身で味わってきた。
――といっても。
大抵の人間は、蛇那伊のようにはいかなかったようだ。
蛇那伊は周囲に顔を巡らせ、鐘の音がもたらす誘惑をはねのけられなかった人間が幾人もいることを確認した。宅急便の配達職員が、車をアイドリングさせたままハンドルに両腕を乗せてぼんやりしている。自転車の老人も、道の脇にこれを停めてから口を半開きにして虚空を見つめはじめた。買い物籠を手にしたまま、立ち尽くしている主婦らしき姿もあった。
兵器やテロの類いでは、ないようね――。
完全に意識を奪われているようには見えなかった。自動車を運転している人間が、居眠り運転のようになって歩道に突っ込んだりしていないからだ。現在、呆けていることは呆けているのだが、彼らはちゃんと安全を確保してから呆けている。つまりある程度意思は残っているということだ。それはそれで、おかしな話ではあるのだが。
それに、と蛇那伊は振り返る。
影響を受けていない人間もあるらしい。現に、今も彼の背後で、道路を横切っていく原付バイクの姿が見えた。
原付は、寝子島高校の校舎のほうへ向かっているらしかった。
今日の予定はキャンセル、と蛇那伊は思った。
これは一大事、この原因を見極め、取り除こうではないか。
拳を一度握りしめて開き、深呼吸すると、蛇那伊は黒い虎のように走り出したのである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
FEAR THE FORCE:前哨
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月22日
参加申し込みの期限
2017年01月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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