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FEAR THE FORCE:変異-METAMORPHOSE
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三度目の、鐘。
「もうっ、取扱説明書を探してるうちに……!」
この鐘でまた、トリップする生徒が出たことだろう。一時的に目覚めてまた、引き込まれた者も少なくあるまい。パブロフの鐘みたいだ、と鬼河内萌は思った。犬がヨダレを垂らすとパブロフ博士が飛んできて鐘を鳴らすという……あれ、違ったっけ?
もどかしくなって階段を、一段飛びで駆け上がる。けっして長身の萌ではないので、段を飛び越えるのは楽ではなかったが、それでも腕を勢いよく振ることで弾みを付けていた。
――ふふ、貧乳ゆえ腕は振りやすいのさ……ってそんなことはどーでもいい!
自分の心の声に自分で激しいツッコミを入れて、廊下のところで萌は、偶然ながら見知った姿を目撃していた。
段ボール芸術家のアルチュール・ダンボーではないか。
ちょうど遠ざかっていく数人連れのうち、一人が確実に彼だった。あのヒッピーみたいな後ろ姿、絞り染めシャツにバンダナというネイチャー指向のルックスは見間違いようがない。
というか、なんで学校にダンボーさんがいるんだろ?
校内に段ボールでももらいに来たのか? 臨時の美術講師になる予定とか??
声をかけるべきか迷ったが、あいにくと彼らが進んでいる方向には用がない。
「……ま、いいか!」
萌はそう決断して、放送室へと向かったのである。
しかしそうは簡単にいかないらしい。途中の廊下で通気口から、ぼわっと黒い蟲が飛び出してきたのだ。それも次々と。嬉しくないことにいずれも蚊や蝿に似ている!
「せめてウスバカゲロウとかなら……! ってそういう問題じゃない!」
慌てて萌は手近な板をひっつかんだ。盾になる、と判断したからだ。
ところがこれが、ただの空っぽ段ボール箱だった。みかん箱くらいの大きさ。これがついさっき、アルチュール・ダンボーを見たことによる導きだというのか!?
「ええい! それならそれで使い道があるっ!!」
調理室から拝借した包丁で、手早くぐるりと穴を開ける。そして萌は、えいっ、とこれを鎧のように装着した。
「アーマー・オン!
装着!
」
この『装着』は『そ・う・ちゃ・く』とスタッカートを入れながら発音したということは記しておきたい!
「キタキタキタ! これぞ即席コスプレ戦士『NYANDAM』ッ! 今、段ボール箱で蘇る!」
まさかの再臨だNYANDAM! NYANDAM、またも大地に立つ!(大地じゃなくて校舎内だけど)
これで防御力は確実に上がったはずだ。さらに萌は、放送器具の取扱説明書を取りに行くついでに、職員室ですばらしいウェポンを手にしていたのだった。
「一方職員室では、NYANDAM新兵器の最終テストが繰り返されて、いた……!」
大袈裟な発言だが、要は殺虫剤と電気ハエ叩きだ。害虫相手にはこれが一番! 害虫というより害蟲か。
「萌、いっきまーす!」
両手に武具を握り段ボールアーマーに身を包むと、萌は蟲の群れに突入する。
あとはもう、バイオレンスの嵐であった。
「……お兄ちゃんならこの蟲もカレーの具にするんだろうなぁ」
足元に散らばる蟲の残骸を眺め萌は呟くも、心配無用とばかりに砕けた蟲たちは、倒した順に消えていった。
あとは何も残らない。段ボールを着て右手に殺虫剤、左手に電電気ハエ叩きを握りしめた萌のほかには。
――もしかしてボク、恥ずかしいカッコしてる?
ふと萌は我に返った。恥ずかしいというか、怖いかも知れない。これであとは頭に鉢巻きし、両サイドに懐中電灯でもくくりつけておけば、津山三十人殺しというか、「祟りじゃ~っ!」ってなものであろう。
「えっ、あっ、ここの学生さん……です、よね?」
だからそう声をかける豊田華露蘿の声が震えているのも、致し方あるまい。萌はグルリと振り向いて、
「見ぃーたーなー!」
じゃなくて、と咳払いして言い直した。
「うん、そうだよ。えーっと、あれ? 文具屋のお姉さん? それに、五十嵐先生も?」
萌の頬は赤い。「これは、怖い蟲と闘っていたのでー」と言い訳しながら段ボール箱を脱ぐ。萌はときどきファンシー文具を買いに華露蘿のいる店舗を訪れていたので、彼女とは顔見知りだ。華露蘿も、萌だと知って胸をなで下ろしている様子だ。
華露蘿の隣には、疲れたような笑顔を浮かべる五十嵐尚輝の姿もあった。彼はいつもの白衣姿だが、気のせいか元気がないように見える。肩から白衣が滑り落ちそうになっていた。
「事情を話すとお互い長くなりそうだね」
わかってる、というように華露蘿はうなずいた。
「だから今は、すべきことをしよう。……先生、お願いします」
「ええ」
尚輝は白衣のポケットから鍵を取り出し、放送室のドアを開けた。この鍵は、萌が職員室を探しても見つけられなかったものだ。先生が持ちだしていたのか。
だがすぐに、彼らは呆然とすることになる。
放送室のコンソロールボックスの前に、事件の首謀者が座っていると萌は予想した。
不敵な笑みを浮かべて、「そうだ。私が黒幕だ」などと語り始めるものだと。
けれども実際は、違っていた。
「あの鐘の発生源は……ここではないんだと、思います……」
機材に両手をついて尚輝はうなだれていた。その背が、とても小さなものに華露蘿には見えた。
放送室は無人だった。しかもその機材はすべて、きちんと電源が落とされていたのである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
FEAR THE FORCE:前哨
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月22日
参加申し込みの期限
2017年01月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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