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FEAR THE FORCE:変異-METAMORPHOSE
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数が多い。
「あの時のか?」
眼前には集団。それはいずれも、蟲。黒ずんだ大型昆虫が、節くれだった脚を動かす音が聞こえる。
彼らの姿なら知っている。見た記憶のみならず体験として。
漂う硫黄臭も記憶の助けとなった。危険信号だ。
優木遥斗はすでに竹刀を抜いていた。多対一を意識し、とっさに取ったのは現代剣道ではありえない構え、八相であった。
遥斗は静かに息を吸い込んだ。
ちゃ、と彼のスニーカーの爪先が小石を蹴飛ばした。
それが合図となった。
聴力が一瞬、消し飛んでしまうほどの羽音、遥斗を包み込むように、蟲という蟲が彼の体にたかってくる。どれも乳児くらいの大きさがある。取りつかれでもすれば、たちまち彼の姿は、無残な蚊柱のようになってしまうことだろう。
裂帛の気合いが遥斗の口から漏れた。腕の筋肉が正確無比な動きを示した。
相対する遥斗の剣筋、それは回転を加えた袈裟斬りだ。風圧が、遥斗の前髪をはためかす。
振り下ろすタイミングが早い。
どの蟲にも当たっていない……ように見えた。
しかし竹刀の起こした風があった。風は烈風、目に見えぬ刃と化し、群がる蟲を一斉に薙ぎ飛ばす!
これこそ遥斗の『ろっこん』だ。名を『風の籠手』という。
雹(ひょう)が自動車のフロントガラスを叩きつける音、それを数十倍にしたようなものが鳴った。弾かれた蟲が壁や地面に叩きつけられ、砕け散る音だった。以前遭遇したときと同じだ。蟲は、行動不能になると砕けて消滅し、後に何も残さない。
遥斗は携帯を取り出した。メールが来ている。
差出人は、『獅子目悠月』とあった。
文面を確認し、遥斗は確信を持った。やはり連中は、鼻岬で遭遇したものと同じようだ。しかも、悠月のメールには、重要事項が強調文字で記されていた。
「注意が必要……か」
軽々しく『ろっこん』を使わないほうがいいということらしい。香川と名乗る人物は、その力を吸収し、反射することすらできるという。
◆◆◆
ふわっといい香りがした。
心を、内側からくすぐってくるような香り。
軽音の部室から来る途中で嗅いだ、蟲の硫黄臭とはまるで違う。
きつい道中だった。ずっと息を潜め、なにがあっても対処できるよう身を小さくして歩んだ。そうやって黒依アリーセは、蟲から逃れここまでやってきたのである。生徒会室までもう少しだ。ちり取りを握りしめている手は、強く握りすぎたせいで血色が引いており、痛い。
ところがそんな風に強張っていた自分を、ふわっとした香りがなだめてくれたようにアリーセは思った。
香りの主は、あの人だった。
胡乱路秘子。通路の向こうからやってくる。麝香の香りのする光に包まれて。
「んふふふふふふふっ♪」
楽園の水辺を散歩しているかのように楽しげに、まぶしげに目を細めて歩いてくる。秘子の通った後には花が次々と芽を出し、濃い原色に咲き乱れていくように思えてならない。
秘子は今日も普段通りだ。いつも、フツウ、なのだ。
たとえ混沌に学校が覆われようと、自分のペースを失わない。むしろそれを、合成甘味料たっぷりのキャンディバーのごとく味わっているようでもある。
アリーセはこのときほど、秘子と友達になりたいと思ったことはなかった。
「胡乱路さん……」
たまらなくなってアリーセが声をかけると、にちゃり、と湿潤な音を立てて秘子は桃色の唇を開いた。
「ごきげんよう、黒依さん」
そのまま会釈しすれ違って通り過ぎようとしたので、アリーセは足を止め振り返っている。
「待って! ……待って、下さい」
「どうしましたか?」
振り返った黄金の目に、自分が映っていることをアリーセは知った。
「いえ、あの……怖く、ないですか?」
秘子は軽く首をかしげた。その仕草ひとつをとってもどこか、この世の者ではないように見える。
ちっとも、というような回答をアリーセは予想した。それこそ秘子らしいと思うからだ。ところが、
「すこうし、怖いですわね」
秘子はそう告げて含み笑いしたのだった。そしてねっとりと、官能的な色の瞳を向けてくる。
無意識のうちにアリーセは胸に手をやっていた。服を透視されて、一糸まとわぬ自分の姿を鑑賞されているような気がしたのだ。彼女に見られるのなら許せる……ような気がしないでもない。
でも、恥ずかしい――。
「けれど」
秘子は言った。
「怖いくらい、愉しいです」
それでは、とスカートの両端をつかみフランス人形のようにお辞儀すると、ふたたび秘子は歩き出し、間もなくして見えなくなる。
んふふふふふ……その笑い声だけが、しばらくアリーセの耳に残った。
「あっ」
アリーセは小さく声を洩らしていた。
蒸しパンひとつ、胡乱路さんにさしあげればよかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
FEAR THE FORCE:前哨
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月22日
参加申し込みの期限
2017年01月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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