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FEAR THE FORCE:変異-METAMORPHOSE
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――絶対、あれ、まともな人じゃないよ!
豊田華露蘿は唾を飲み込む。
殺し屋とかマフィアとか、そんなフィルムノワールな雰囲気がする。ラバーマスクの女性は、その衣装だけでなく冷たい視線、もっといえばたたたずまいだけでも、自分とは異なる宇宙からやってきた存在に思えた。
華露蘿は当然、今すぐ逃げ出したい気分であったがその一方、ピンチだと肌で感じたせいか、妙な度胸が据わってきたもの事実だった。だからいたって平然と、
「悪いんですけど、私たちこれから用がありまして」
と口にしたのである。
ラバーマスクの女性が何か言うかと期待したが……ずっと黙っているので、勢い、華露蘿は話を続けざるを得なくなる。
「えーっと、用というのはランチバイキングです。ええ、五十嵐先生と僕とで。あのー……デートとかじゃなくて、その、異業種間の情報交流と申しますか、あ、私、文具屋でして、ご存じないかもしれませんが、文具関係の話って盛り上がるんですよ?」
話しているうちにどんどんボロが出てきた気がする。焦ったか一人称が『僕』だったり『私』だったりもしていた。
「そうか」
と言って、すっとラバースーツは歩き始めた。
「だが予定はキャンセルだ。バイキングとやらはそこの子どもと行くといい」
しかし女性……ナターシャは足を止める。
「おい、そこの女。名前はネリンガ
(※)
か何かだったか?」
机のひとつに背を預け、向かいの机に片脚を置いて、如月庚が彼女の行く手を遮ったからだ。
「ナターシャだ」
呼びかけが気になったのか、ナターシャの声には軽い怒気があった。
「ああそうかい。ところでナターシャ、知っててもらいてぇことがある。俺は『子ども』って名前じゃねぇってことだ。如月庚、ここの生徒だ」
ナターシャは何も返さないが、庚は構わず続けた。
「学生としては、いわゆる不良って部類に入るな。だが、そんな不良でも善悪は知ってんだよ。この世で一番下衆な悪ってのは、厄介事を引き起こす輩じゃねえ。
起こった厄介事を眺めて、ほくそ笑んでいる輩のことだ
」
ナターシャは鼻を鳴らした。
「善も悪も関係のない話だ。黙ってそこをどけ」
「そっくりそのまま返すぜ。黙って出て行くなら追わない」
「蟻がここにもいたか」
彼女は、小馬鹿にしたように告げた。
「そこをどかないなら、蟻らしい扱いをしてやるまでさ」
庚が寸前までいた机が、鈍い音を立て二つに割れた。
ナターシャの踵がハンマーのように、そこに叩き落とされたのである。
寸前でこれをかわしながらも、庚は肝を冷やしていた。
――でかい態度を取るだけはあるな。
見た目ばかりの相手ではないようだ。彼女には、態度の根拠となる凄味がある。あの一撃をまともに受けていれば、喧嘩慣れしていない常人なら即死の可能性すらあっただろう。
つまり、命を奪うことに躊躇がない種類の人間ということだ。
初撃の勢いそのままに繰り出されるナターシャの手刀を、庚は受け流そうとしかけるも身を引いた。
触れるのはヤバイ、そんな予感がしたからである。
間違っていなかった。
手刀が空中で変化し、庚の肘をつかむ動きになったのがはっきりと見えたからだ。
あのままうかつに腕を取られたら、関節を逆に極められ、即行動不能にされた可能性がある。長身にふさわしい腕の長さ、加えて机を叩き割るあの怪力だ。ひとたび固められたら脱出はできないだろう。
「問答無用か」
へっ、と不敵に庚は笑った。もう少し話して狙いを読み取りたかったが、ナターシャはあまり多弁なほうではなさそうだ。
それならそれで、ねじ伏せて聞き出すという手もある。
「……」
庚の実力を知ったのだろう。ナターシャは無音で彼と距離を取り、腰を落とした。
さて――庚は唇を結ぶ。
庚には『ろっこん』がある。名は『青にして蒼穹』、神魂を込めた拳だ。
だが庚は、これを一度きりの切り札だと考えていた。下手に出せない。
他愛のない蟲たちとは違う。あれほどの猛者だ、一度見せてしまえば、ナターシャは確実に対策を立ててくるに違いない。
自分を倒そうとせず、五十嵐尚輝だけを襲いはじめるという危険もある。ナターシャが相手では五十嵐はひとたまりもあるまい。どうしてナターシャが彼を狙っているのかはわからないものの、彼女の好きにさせる気は庚にはなかった。
だから着実に決める。それで勝つ。
求める結果はひとつだけだ。
問題はどこで出すか――ここで庚は意表を突かれた。
ナターシャが軽業師よろしく、机の上でとんぼ返りを打ったのだ。
そうして、最前よりはるか高い位置から、もう一度強烈な踵落としを繰り出したのである。
ナターシャの動きに目を奪われたため、庚は避けるタイミングを逃した。
両腕でガードするか? だがガードごと砕かれたら?
ならば、
今しかない。
「その力で、何を手に入れるつもりか知らねぇが」
額の傷痕を指でなぞる。なぞった手が神魂を導き、導かれた力はたちまち、青白いエネルギーへと変換される。
エネルギーは庚の拳を包み込んでいる。
拳そのものが、エネルギー体と化したかのよう。
「俺の領域に入ったんだ。噛み砕かれても文句はねぇよな!」
庚は、天を突くように拳を振り上げた!
「!」
ナターシャが目を見張った。
庚も同じだ。
直撃していれば、いかなナターシャの脚でも、骨が砕けたに違いない。
しかれどこのとき、庚の拳は彼女の脚を浅く打ったに過ぎなかった。
動物的な勘か、わずかにナターシャが軌道を変えたのである。踵は庚の肩口に落ちた。
みしり、と骨がきしむ音を庚は聞いた気がする。
だがこれも、浅い。ためらいが生んだ浅い一撃だ。
バランスを崩したナターシャが、どっと後方に倒れ込むのが判った。
いくら真芯を外されたとしても、肩に重い衝撃があり庚は追い打ちするに至らない。
「くっ……」
声を洩らして顔を上げたとき、教室の扉が締まる音が聞こえた。
あの文具屋の姿がない。五十嵐もだ。
「いいぞ!」
ドアに向かって庚は声を上げた。
「逃げろ! こいつは俺が引き受ける!」
振り向くと、よろよろとナターシャが立ち上がるのが見えた。
ナターシャの青白い目が、閉じたドアと、自分を何度か見比べているのが判った。
「どうする? 続きをやるか?」
庚が額に再度手をやると、ナターシャは外に面した窓に向かって体当たりした。ガラスが砕ける。
「クソッ!」
判断が、早い。
窓に飛びついた庚は、もう彼女に追いつけそうもないと悟ったのだった。
華露蘿は尚輝と共に駆けながら、職員室への道をひた走っていた。
「先生、あの怖い人に追われる理由に心当たりは!?」
「まったくありません」
尚輝の声に、知っていてとぼけている様子はまるでない。事情は向こうにのみあるのだろうか。
「まず職員室で、放送室の鍵を入手します」
そう尚輝は言った。
そしてその鍵で扉を開け、放送を止めるのだ。
できるかな――不安に思わないでもない。しかし華露蘿の心は折れない。
いや、やらないと!
(※)ネリンガはロシアの伝説に出てくる巨人の女性。ナターシャの体格と、ロシア系らしいことに引っかけている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
FEAR THE FORCE:前哨
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月22日
参加申し込みの期限
2017年01月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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