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FEAR THE FORCE:変異-METAMORPHOSE
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「抜け出す……」
鴻上彰尋の呟きは、しかし声となって導かれることはなく、ただ震えるような、小さな唇の動きにしかならなかった。
――
ここ
から抜け出さなきゃいけないんだ。この『現実』が、本当の現実と入れ替わってしまうかもしれない……。
けれど、この『現実』の世界に、隠れている存在が、いるかも……しれない。
手を握った七夜あおいの体温を、まだ感じていたいという気持ちもあるのは事実だ。
でも――。
彰尋は腹部に鈍い痛みを感じ、身を『く』の字に折り曲げた。
膝をついてうめく。呼吸ができない! 目にじわっと涙が浮かんできた。どうやら、息ができないと涙が出てくるものらしい。
「……悪いな、坊や。苦しいのはすぐ消えるはずだ」
その声の通りにやがて呼吸が戻り、痛みも引いていった。
彰尋が顔を上げると、そこには見知らぬ顔があった。
大人の男性。
長身で細身だが、ひょろりと高いというよりは、鋼のように引き締まっている印象を受ける。
目が覚めたか、と男は言った。確かにその通りだ。彰尋がうなずくと、彼は手をさしのべてくれた。
「おはよう。キツイ目覚ましで悪かったが、こんなとこで寝てたら危ないぞ?」
とっさに彰尋はあおいの姿を探した。危ない、という男の言葉に、彼女のことを反射的に気遣ったのだ。だが首を巡らせながらも、すでに彰尋はここが、あおいと探索している『現実』ではないことを彼は悟っていた。
「……どうやら、気を失っていたようですね」
「もっと悪いかもしれない。不躾で悪いが、坊やは別の世界にトリップしていたように見えた」
男の言い方には確信めいたものがあった。
ならば否定しても仕方がないだろう。
「おっしゃる通りです。白昼夢を、見ていたのかも」
腹をさすると、痛みはすっかり消えていた。彰尋は格闘技についてそう詳しいほうではないが、いわゆる活入れが綺麗に入ったものと見える。余計なダメージがないのだ。
自分を救ってくれたこの人は誰なのだろう、という、当然といえば当然の疑問を口にしようとしたのだが、彰尋より早く行動した者があった。
「そこの人、誰だ!? 何をしている!」
コートの裾が風に吹き上げられた。華やかな顔立ちだが、いま、その榛色の瞳にたたえられているのは鋭い怒りだ。
目に刃をたたえ、口を真一文字にして近づいて来るのは獅子目悠月だった。
「彼は俺の友人……返答次第によっては、こちらにも考えと手段がある」
声こそ閑かだったもののその語気は、馬上の騎士のごとく有無を言わせぬものがあった。
悠月は軽く拳を握り右腕を引いている。いつでも即対応できるよう構えを取っているのだ。
ただならぬ状況なのは明かなのに、男はむしろこれを愉しむように落ち着いている。
「おっと、そうか、オトモダチか、坊やの」
ぴたりと、男は手のひらを立てて、
「そこから見たら、俺がいきなり、この坊やを殴りつけたように見えただろうな。危うい状態に見えたもんで目を覚まさせた……肩をつかんで揺すっても起きなかったもんでな」
その通り、というように彰尋はうなずいて見せた。これで悠月は、拳を解いたのだった。
「誤解させたようなら悪かった。俺は藤堂という。話せば長くなるが、端的に言えば通りすがりってことになるな」
彰尋も手短に名乗って、
「それで、藤堂さん、今、危ないって、言いましたよね……? どういう意味です」
「ああいう意味だ」
静は長く説明することをせず、近くの茂みを指さした。
◆◆◆
驚きの声が漏れそうになるも、豊田華露蘿は自分の手で自分の口を塞いでいる。
見間違いだったら嬉しい。
見間違いでありますように――そんなはずはなかった!
それでもラジコンの玩具ではないかと、一縷の望みを託して華露蘿は、改めてその姿を曲がり角の陰から確認するのである。
ジジ、と耳障りな羽音が、廊下に響いている。
黒っぽく、バレーボールほどの大きさ。セミに似ているが、セミよりもっと、口の針が長いように思う。羽の形も奇妙だし……。
――あれって、やっぱり……アレだよね!?
蟲。
ラジコン玩具ではなさそうだ。なんというか、生きている気配を感じる。
その蟲が一匹、バタタと羽音を上げて曲がり角の向こうにいるのであった。これを見つけた華露蘿は、慌てて元来た道に戻って身を隠した。幸い、まだ気付かれていないようだ。
この学校のウサギ小屋で、ああいうものを飼育しているという話はないはずだ。というか高校では、ウサギやニワトリを飼っていない気がする。もちろん蟲も。
昆虫が強烈に苦手というわけではないが、華露蘿とてやはり、あれと関わるのはご免だった。
――この前の洞窟にいたようなんじゃ……なかったらいいなあ……。
だがその願いはたぶんきっと、かないそうもない。
こうなったら、君子危うきに近寄らずだ。
直線距離ですぐのはずだが、華露蘿は二階に上がって、迂回して五十嵐先生に会いに行くことに決めた。
納品予定時刻は遅れそうだがやりとげてみせよう。
そう、誇り高き文具店員華露蘿は、仕事を途中で投げ出したりしないのだ!
◆◆◆
取材だ。そう割り切ったので、南戸河蔵人はいくらか大胆になっている。
コンビニで見た光景と同じだ。校内の人は少ないが、誰も彼も茫然自失の人形状態である。その事実も蔵人を安堵させていた。これなら、「不審者が校内に!」などと騒がれることもない……と思う。突然彼らが目を覚ましたりしなければ。
――さっきの音が特定の人に影響する波長をもたらした、とか……ってこれだとちょっとファンタジーすぎるかな。
とはいえ音で人の気分を操るというのはよくある話だ。音の出どころがやはり怪しいだろう。校内を調べてみたい。
万一生徒たちや教師が目覚め見とがめられたとしたら、雑誌の取材で、とか、校長の許可を取りに来た、とか、色々言い訳すればいい。聞いてないと言われたら、「あっれーおかしいなあ」と口八丁で乗り切ろう。それでいい。それが冒険というものじゃないか。冒険心を忘れてしまうなんて、物書きには似合わない。
こうして校舎内に踏み込んだわけだが、残念ながら蔵人は、自在に歩くことができなかった。
当てずっぽうで進んだのが良かったのか悪かったのか、いきなり異変と遭遇する。
蟲たちの手荒な歓迎を受けたのである。
狭い通路。半ば開いたままの部屋からうわんと飛び出してきたのは、硬い外骨格を持つ甲虫たちだった。昆虫の薄い翅特有の、バチバチバチっという破裂音が甲高い。ミヤマクワガタに似たのがいる。あれはオオクワガタだろうか。いきなりのクワガタ大行進、少年の心を失わぬ蔵人としてはもっと喜びたいところではあるが、相手が手に乗るサイズならともかく、こちらの首を挟み切れそうな体長ゆえそうもいかない。
「わわっ! また出てきた! この虫、この間のと一緒かなぁ?」
前のとき同様、硫黄(正確には言えば硫黄は無臭なので、これは二酸化硫黄ということになるだろうが)の匂いがどこからともなく漂い始めた。むせてしまって蔵人は咳き込む。視界が黄色く染まっているような気がする。昔、タバコの煙がもうもうと立ちこめた雀荘を取材したことがあったが、あれに似た気分の悪さだ。
しかし蔵人は恐慌を来したりしない。こんなこともあろうかと、とばかりに、最近持ち歩いている傘があるのだ。
「ただの傘だと思う? 違うんだな、これが」
聴衆は蟲くらいだがそれでも芝居がかった口調で告げて、傘の柄をぐいっと引き抜いた。
するとたちまち現れたのは刀身、すなわち、仕込み杖ならぬ仕込み傘だったというわけだ! ときどき怪異現象に襲われる身として、蔵人はこれを携帯するようにしていた。ちゃんと傘としても使えるし。
「さあ、魑魅魍魎よかかってこい!」
一応、刀身には刃がないので、銃刀法違反には問われない――と、思う。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
FEAR THE FORCE:前哨
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月22日
参加申し込みの期限
2017年01月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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