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FEAR THE FORCE:変異-METAMORPHOSE
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やっぱ、いやがったか。
七峯亨は微苦笑した。待ってました、なんて口が裂けても言わないが、自分の力が求められているのであれば出し惜しみする気はない。
用務員室を目指す途上の廊下で、道を塞ぐ数匹の蟲を発見したのである。
おなじみセミ型、一応見たことあるカブトムシ型、それから……初登場かな? カナブン型? その他数匹。
大きいのはバランスボールくらい、小さいのならソフトボールサイズの蟲たちが、廊下の天井から床まで、ぴたっと張り付き群生している箇所に亨はさしかかったのだった。
「よくもまあ……俺らの学校でやってくれるよなぁ?」
亨は腰に手を当てて溜息をついたが、蟲は聞いているのかいないのか。その場をじっと動かない。
ひょっとしたら戦う気はないのか? という思考が頭をよぎったが、それは間違いのようようだ
亨が床のカナブン型を避けて通り抜けようとした途端、うわん、と耳を聾す羽音とともに、蟲たちは一斉に襲いかかってきたのである。四方八方から包み込むように。
「ま、武器もなんとか整ったし、こいつらはどうせ、叩きつぶしたら塵一つ残さないわけだから……」
亨は旅の武芸者になったつもりで、六尺の槍を抜き放ちくるりと回した。ばさっと上着を脱ぎ捨てる。
「こいつは掃除のしがいがあるってもんだ!」
ぶうん、遠心力を付け槍を振り下とす。蟲退治の始まりだ!
怯んだ敵から叩く! 叩く! 叩く! 外骨格を避け腹の柔らかい部分を、突き刺し叩き落として足で踏む。槍を高飛び棒よろしく、突き立て軸にしてぐるり回転、蹴りに小物を巻き込んでいく。すべての行動に対し、乾いた音がバンッ、バンッ、と立つのが気持ちいい。
蟲たちは潰されたそばから、硝子細工のように砕けて消えていった。
よく考えたら亨の用いている槍は、これに見立てたホウキなのだった。
すなわち、意味こそ違えど『掃除用具』として役立っているということになる。
――もはや狂気か……だが己の狂気も、場の正気も信じられる気がしないなら、まず信ずべきは己の勘だ。
縦横無尽に暴れまくりながらも、亨の冷静な部分はこれからの計画をめぐらせていた。
可能なら、途中で数学準備室に立ち寄ってみよう。あそこなら鉛筆削りの木くずとか、可燃物には不自由しまい。そうすれば渡り廊下まで一直線だ。
なお着火具のほうは、その前に用務員室で拝借する予定である。
鐘が鳴ってから十数分ほど経っただろうか。
校内を進む御剣刀は、階段の踊り場である女生徒に出くわした。彼女は刀の目の前で、両手をだらりと下げたまま呆けきっていた。目は閉じ、危ういバランスながら立っているため、派手なうたた寝をしているようにも見える。
そっとその前を通り過ぎようとしたとき、
「……あれ?」
突然ぱたっと、彼女が前のめりに倒れそうになった。幸いすぐに刀が受け止めたので、大事には至らなかったが。
「え? なに? 御剣君?」
反射的に刀にしがみついた格好のまま、女生徒は目をぱちくりとした。刀と顔見知りの生徒だった。たしか
弥島純子
という名だ。委員会か何かの用事で学校に来ていたらしい。
女子に抱きつかれているというのはそう悪い気はしないものではある。けれど刀も、エチケットは心得ている。
「ああ。そろそろ、自分で立ってくれると嬉しいんだが」
失礼にならないよう、そっと純子の背中を叩いた。
これで我に返ったかと思いきや、さにあらず。ありがとう、と小さな声で言うと、そのまま純子は、ぺたっと床に座り込んでしまった。そして、
「おかしい」
と彼女は言った、自分はここにいるはずではないと。さっきまで自分は、読者モデルとして雑誌用の写真撮影セッションに出ていたのだ、必死の面持ちでそう主張した。
「それは幻だ。おそらくは……夢を見ていたんだ」
「そんなはずないもん! 願いが叶ったんだもん!」
しまいにはこんな駄々っ子のようなことまで言い始める。かつて、出そうとして出せなかった読モ募集の葉書、これを『出す』という選択をやり直した後の『現在』を体験していたと純子は言った。
「でしょう? 御剣君、こっちのほうが……夢なんだよね? 独り寂しく日曜日に学校に来ているこの世界のほうが」
そうだと言ってあげるべきなのかもしれない。けれどもそんな優しさは、本人のためにならないと刀は知っている。
だから、彼は首を振った。
「人の理想につけこんで、甘い理想の世界を会間見せている奴がいるらしい。俺から言わせればそんなものは現実逃避にすぎない。残念ながら……この世界こそが現実だ」
「どうしてそんなことわかるのよ!」
「ある人に聞いた」
「誰!?」
「……胡乱路先輩だ。さっき、話した」
なぜ胡乱路秘子がこれを見抜いたのかは、知らない。秘子も正気を保っていた一人のはずである。だが秘子は、疑う余地などない、といわんばかりにこれを告げると、花を探す蝶のように刀の前から飛び去っていったのだった。
その名前は絶大な効果があったようだ。
「秘子お姉様が!」
さっきまでの悄然たる様子はなんだったのか、これを聞くやたちまち、純子はすっくと立ち上がったのである。
「だったら私、幻影に負けないよう頑張る! ありがと御剣くん! さよなら!」
そして純子は軽やかに階段を駆け降りていった。
「あ、ああ……気をつけて……」
刀は見送るしかなかった。
それでいいのか――という気もしないでもない。
けれど、と刀は考える。あれくらいぱっと振り落とす程度でいいのだ。妄執にとらわれるよりずっといい。
過去を書き換えて得た夢など、偽りにほかならないのだから。
「手品ってのもねぇ」
尾鎌蛇那伊はやれやれと溜息をついた。
肩をすくめて、『困ったもんだ』というジェスチャーをする。
「二回やられても興ざめなだけなのよねぇ……ハットから鳩が出るのも、二番煎じには誰も驚かないわよ」
まったく、まったく。
またもこの大味昆虫軍団(=蟲)とは。
シュシュッとシャドウボクシング風に拳を繰り出し、その風の音を聞いて、
「じゃ、どこからでもかかってらっしゃい」
蛇那伊は真っ赤な唇を三日月型に歪め、笑む。コンディションは良好だ。
彼の逞しい肉体が前進を再開すると、その味見をしようとでもいうのか、口に長い針をもつ大きな蟲たちが、羽音もやかましく前から後ろから上から、うわんうわんとたかってきた。
「もうちょっと可愛い蟲ちゃんなら、連れて帰って飼って上げてもいいんだけど、こんなグロテスクなのは悪いけど、こっちから願い下げというやつよね」
蛇那伊は音楽を奏でた。独奏だ。
正確には、奏でるようにリズミカルに、華麗に魅せるように、引き締まった腕と脚を次々繰り出したのである。
手刀で蟲を割る。
肘で叩き潰す。
伸ばした脚の甲で、サッカーボールみたく蹴り上げる。
歩きながら、まるで歩調を緩めずにそれを続けた。
真後ろに来た蟲すら、まるで見えているかのように半回転して膝で砕いた。
パリンパリンという蟲の破裂音すら、楽譜に従っているかのようだった。
この先にはきっと、彼女がいる。
「覚えておく……」
あのときナターシャは、そう蛇那伊に告げたのではなかったか。
アタシも覚えてるわよう――。
期待と興奮とで、蛇那伊の肩の肉が震えた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
FEAR THE FORCE:前哨
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月22日
参加申し込みの期限
2017年01月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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