this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
FEAR THE FORCE:変異-METAMORPHOSE
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
39
つぎへ >>
鼻高々、それが
桜庭 円
の状況だ。
そりゃあ鼻高々にもなる。
ボクは完ぺきだ。
そう断言したい。
ミス・ワールドだかなんだかの、水着を着けてガウンを羽織って、威風堂々花道を歩みたいほどのスタイルであるのみならず、知能においてはIQ300越えを達成、辞書をぱらぱらとめくるだけで、その内容を完璧に暗記するという怒濤の天才ぶりを披露した。それでいて傲慢にならず、気さくで話のわかる人格者であったため、誰もが円を敬愛してやまない。
円が道を行けば人々がたたえる。手を合わせて拝みはじめる老人まで出る始末だ。
円が書店を探せばなんと、書店業者のほうがやってきて円にレア書籍のコレクションを贈呈しようとする。買うからいいよといくら彼女が言っても、円様に所蔵されることこそが本の幸せですから、と誰も彼もがこれを彼女に捧げ奉ろうとするのである。
この日も円は、
「おっ、これは寝子島書房のレア本、『実録錬金術論』!」
わずか三冊しか現存していないとされる幻の書籍、それもまだページも開かれていない新品同様美品を、国連事務総長から譲られようとしているのだった!
おお、目が宝石のように輝く!
おお、この至福の世界よ……!
両肩をつかまれぶうんぶうんとシェイクされて、ようやく円は目が覚めた。
「ほえ? 海ちゃん?」
なんと国連事務総長が
小山内 海
だったなんて……!
これは素晴らしい人選ね、と円は腕組みして納得する。海ならきっと、世界を平和な方向へと導いてくれるだろう。
「事務総長海ちゃん、ありがとう! 大事にするよ……
え? 違う?」
なぜか海はぶんぶんと首を横に振るのだった。
『円ちゃん、目の焦点が合ってなかったよ。なんていうか……心ここにあらずというか、様子がおかしかったから揺さぶったの』
そうして海がさらさらと記したメッセージが、これだ。
『私がちょっと遅刻したのが悪かったのかなあ……ごめんね』
「あっ、またトリップしてた、ってこと? なんだ、やっぱそういうことかぁー」
ちょっとショックだ。ミスコン優勝やIQ300超はまあいいとしても、『実録錬金術論』は心底残念だ。ダイヤモンドだと思っていたものが、ジルコニアだったと教えられたような気分だった。『実録錬金術論』を手に取りたかった。読みたかった。
『またトリップって? もしかして洞窟の時みたいに昔のことでも見てたの?』
「ううん。そうじゃない。本来の流れとは違う平行世界っていうか、ボクの妄想をガンガンにかなえたものだったっていうか……実際、あれが『現実』だってトリップ中はかたくなに信じてたね」
円は体験した内容を包み隠さず話した。とりわけ、『実録錬金術論』のところは念入りに。
ところが熱弁した書籍のところを海は、ふーん、というような顔をしただけで簡単にスルーしていた。そしてペンを走らせる。
『トリップ中はそのことに気がつかないの?』
「あ、うん。変な鐘の音がして、気づいたらもうひとつの『現実』にいた気がする……」
海はスケッチブックをめくって何か書き始めたが、書いては斜線を入れを繰り返し、四度目にしてようやく、完成した文章を円に見せた。
『本当に過去が変わりつつあって、その影響で過去が変わった結果としての現在が見えた……っていうのはちょっと小説の読みすぎかな……?』
「まったくの見当違いとは思わないね」
ふふふと円は笑った。
「あれって、幼少期にボクの隠された天才性が突然開花した姿だったかもしれないし」
そう言って円は校舎を見上げる。
「この前の、『過去』そして、さっきのトリップ、現実がどっちか良くわからなくなる、今度は『今』ってところなの、かなあ……?」
眺める校舎はよく見慣れた姿だ。しかし本当に本当かと言われると、自信がなくなってくるのも事実だった。
ここは裏門のあたりだ。今日はまったく別の用件で、たまたまここを待ち合わせ場所にしていた円と海だったのだが、例のチャイムのおかげで、元々の予定は消し飛んでいる。
「あと、そういえば匂いだけはやけにはっきりしてたね。ずっと空気に香りがついてた。オレンジみたいな」
『フレグランス?』
「香水ってこと? ……うーん、そうかも。タンジェリンっていうんだっけ、あんな感じの匂い。なんだか爽やかな……」
過去はローズマリーのような香りがした。もうひとつの『現実』はタンジェリンか。しかし今は、学校のコンクリートの匂いがうっすら漂っている程度である。
何かに気がついたのか、海がトントン、と円の肩を叩き校内を指さした。
「……ボクだけじゃなさそうだね」
円のトリップと似た体験をした生徒、現在もトリップ続行中の生徒がいるようである。校内に生徒はまばらだが、口を半開きにして突っ立っている者、空を見上げたままの生徒、そうした姿が数人見られた。
気になるね、と言いたげな顔を海はした。円にはすぐに理解できた。自分も、同じ気持ちだったから。
そんな円と海の間に、無造作に押し入ってくる姿があった。
高校生くらいの少女だ。チョコレート色の姿のスウェットスーツを着ている。肌は、よく日に焼けていた。
割り込んできた、というより、人と人の間というのを特に気にせず通り抜けようとしているような印象がある。
「おっと、無事の人?」
円が呼びかけると、スウェットスーツ少女は足を止めた。
「無事……? どういうこった?」
少女は眉をついっと上げた。
「さっき変なチャイムがしたでしょ? あれがきっかけで、ほら」
円が校内と、そこに発生している異常を示すが彼女は驚かない。
「……ま、こういうことになってても仕方ねーよな。ああいうのが飛んでたら」
腕組みして答える。なんとも伝法な口調だ。
「ああいうの、って?」
「見なかったのか?」
彼女も寝子高生らしい。少女は簡単に事情を話した。空に大きな「蛇かトカゲか知らねーがなんか長いの」が飛んでいたということ。それが学校のほうに飛翔していったということ。以前遭遇した気味の悪い存在を連想させたということまで。
「……蛇とかトカゲは空を飛んだりしないしドラゴン的な物だったりするのかな。ウロボロスっていうと輪廻転生とか永劫とかの象徴だっけ……」
と顎に手を当てて考え込む円よりも、その横でただうなずいているだけの海のほうが彼女は気になったようだ。
「そこのあんたはずっと黙ってるけど、なんか意見ねぇのか?」
すると海はスケッチブックを取り出して、自分の事情を書いたのである。
「……悪ぃ。ずけずけと失礼なこと言っちまって……」
『気にしないで。私の名前は、
小山内海
だよ』
再び海は書いたものを示した。顔文字で『(^^)』と横に記している。
「そっか、俺は
詠 寛美
。1年9組だ」
はい、と円が手を挙げた。
「ボクも自己紹介自己紹介ー。桜庭円って言うんだ。寛美ちゃんかぁ、いい名前だね」
「そ、そうか? あんまりそんなこと、言われたことねーんで……」
あまり誉められ慣れていないらしい。寛美はしどろもどろになる。
「海に円ってのも、いい名前だと思うぜ。ま、よろしく」
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
39
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
FEAR THE FORCE:変異-METAMORPHOSE
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
FEAR THE FORCE:前哨
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月22日
参加申し込みの期限
2017年01月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!