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中学生の期末テストのあれやこれや<物語編>
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【3】テスト後
体育の答案用紙が速やかに回収された。教壇で担任の藤倉 遼が持ち易いように整える。
「これでテストは終わりだ。皆、楽しい放課後を迎えてくれよな」
遼は軽い調子で教室を出ていった。
席に着いていた
渡辺 美里愛
は満面の笑顔を浮かべる。机の上の筆記用具を手早く鞄に入れると両手を突き上げて跳び上がった。
全身で喜びを表現してクラスの全員に目を向ける。
「テストが全部、終わったねー! みんな、おつかれさまでした!」
「おまえもな」
「ミリアちゃん、お疲れー」
「テストの出来はどんな感じ」
一人の女子が聞いてきた。美里愛は笑顔で答える。
「ミリア、がんばったよー! だから、いい点数が取れているとうれしいな!」
「ミリアは頭が良いから心配しなくてもいいんじゃないの」
「そんなこと、あるかな!」
「そんなことないよ、じゃないのかよ」
男子の的確な指摘に笑いが起こる。当の本人も、えへへー、と無邪気な笑顔を見せていた。
緊張を強いられるテストが終わった。解放された生徒は喜びを爆発させた。教室内に浮かれた声が飛び交う。早速、遊びに行く相談が始まった。留まる時間を惜しんだ者達から教室を飛び出していく。
五分後、三年四組は閑散とした。その静けさの中に
藍川 慶介
がぽつんと残る。イスの背もたれに上体を預けて緩やかに息を吐く。
――本当の意味で、最後のテストになっちゃったね。
卒業なんて、なんか他人事みたいで信じられないな。
灰色の瞳で見回す。見える全ての物に惜しむような視線を向けた。
――寝子高に入学が決まって、そのことは本当に嬉しい。あそこにはすごい先生や先輩がたくさんいるし。やっぱり一番は樋口先生で、俺が入学する頃にもいるといいなぁ。
慶介は瞼を閉じた。軽やかなリズムに乗るように金髪の頭が揺れる。
聖なる日のアコースティックギター
が聞こえているかのようだった。
そこに声が飛び込んできた。
「ケーくんだー! テストおつかれさまー!」
「あ、美里愛ちゃんもお疲れ様」
美里愛が教室に駆け込む。
「テスト、どうだった? やっぱり難しかったー?」
「そうでもないよ。たぶん、受験の後だから、先生が気を使って簡単にしてくれたのかな。美里愛ちゃんは、どう?」
「ミリアはねー、ばっちりだよ! だってお医者さんになりたいからね!」
腰に両手を当てて踏ん反り返る。愛らしい姿に慶介は微笑んだ。
――幼く見えてもちゃんとしている。母親が医者だから、って俺の父親も医者で知り合いでもあるんだよな。自分もしっかりしなくっちゃ。
慶介は照れたように笑って頷いた。
「美里愛ちゃんなら、きっとなれるよ」
「だから、お勉強いっぱいがんばってるの!」
「少しは息抜きも必要だよ」
「あ、それってケーくんのバイオリンー?」
机の脚の内側に黒いケースが置かれていた。しゃがんだ美里愛が顔を近づける。
「そうだよ。テストが終わったら思いっ切り練習ができるからね」
「そーだ! ミリア、ケーくんのバイオリンが聞きたいなー! それって息抜きになるよね!」
「そうだね。じゃあ、弾いてみようかな」
照れたように言うと美里愛は飛び跳ねて喜んだ。
「じゃあ、どっか空いてる教室、探しにいこ! ほら、ケーくん、はやくはやくー!」
「そんなに急がなくてもいいんだよ」
「えー、なんでいーの?」
少しむくれた顔で小首を傾げる。
慶介は微笑みを浮かべて席を立つ。教室の開いていた扉を閉めて回った。
「ほら、ここが、その教室だから」
「ホントだー! ケーくんとミリアだけしかいないねー!」
「じゃあ、始めようか」
二人だけの演奏会が始まる。
ケースからヴァイオリンと弓を取り出す。
楽器を手にした状態で慶介は美里愛に言った。
「曲でリクエストはあるかな」
「ミリアが決めていーのー?」
「なんでも弾けるわけではないけどね」
「うーんとねー、えーっと……」
メトロノームの振り子のように頭を左右に動かした。ぴたりと止まって笑顔で声を上げる。
「かわいーの! なんか聞いてて、キューンてなるやつがいーな!」
「可愛くてキューンね……じゃあ、子犬のワルツでどうかな」
「わんわん、かわいーの!」
肘を曲げた状態で両手を前に出す。その微笑ましい姿に慶介は目を細めた。
「それでは聞いてください。子犬のワルツ」
ヴァイオリンに顎を乗せて弓を構える。緊張を和らげるように微かに息を吐いた。
音程を小刻みに変化させるトリルを用いた。静かな広がりを見せつつ、軽快に音は跳ねる。自由に空間を飛び回り、ゆったりとした流れに繋げていく。
黙って聞いていた美里愛の身体が微かに揺れる。草原を走り回るような笑顔で音と戯れていた。弾いている慶介も躍動した。
二人は音に連れられて草原の中を思いのままに駆け回る。自らが生み出した風を髪に受けて、どこまでも走っていく。
最後の一音を弾いて曲が終わった。少し遅れて美里愛の動きが止まる。瞬間、目を丸くして手を打ち鳴らす。盛大な拍手であった。
「すごーい! すっごくかわいくて、ステキだったよ!」
「ありがとう。少しほめすぎかもしれないけど」
「そんなことないよ! だってミリア、今すっごく楽しいきもち! ケーくんのバイオリンが、すっごーいからだよねー!」
言いながらも拍手を続ける。掌が赤くなっていた。気付いた慶介は素直に称賛を受け入れた。
拍手が終わると同時に声が上がる。
「もう一回! もう一回、聞きたいなー!」
美里愛は愛らしく掌を合わせた。そのアンコールに慶介は快く応じた。
二人は草原に戻って、幼い子供のように走り回るのだった。
アンコールは一回で終わらなかった。何度も愛らしい姿で頼まれ、その都度、全力の演奏で応えた。
窓から西日が射し込む。目にした慶介は構えを解いた。
「もう、こんな時間なんだね」
「夕方みたい! いっぱい聞けたから満足だよ! ケーくん、今日はありがとー!」
「受験やテストで忙しかったから、今日はいっぱい弾けて満足したよ。美里愛ちゃん、ありがとう」
二人は夕陽で赤く染まる。
慶介は美里愛の目を見て口にした。
「そろそろ帰ろうか」
「そうだね! ミリア、お腹ぺこぺこだし、一緒におうちにかえろー!」
腹部を摩る仕草を見て、そうだね、と慶介は朗らかに返す。
二人の演奏会は笑顔の間に終わりを迎えた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月14日
参加申し込みの期限
2017年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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