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- 00月00日生 00歳
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せんせいといっしょ：津止先生編
そして、約束の休日。場所は、旧市街の参道商店街前。
万一の時の為にと、津止 孝道先生の傍で警戒を忘れないようにしながらも、
（伝承……異世界絡みの話、見つかるかな）
なんて、いざ古書店巡りを目前にした恵御納 夏朝は、胸をどきどきとさせていた。
（クローネが住む？ あの世界の情報はないかもだけど……）
その他の異世界の情報なら見つかるんじゃないか、なんて期待する夏朝だ。
他の面々も何らかの発見があればと、或いは胸を弾ませ、或いは気を引き締めている。
待ち合わせ場所には、大天使 天吏も姿を見せていた。また、
「さあ！ 古書店へＧＯなのです！」
なんて、ズバッ！ と商店街の入り口を指差す椿 美咲紀も、いつの間にか合流している。
瞳を生き生きとさせている美咲紀を見遣って、御剣 刀がぽつりと漏らした。
「椿はいつの間に……」
「ふっふっふ。新聞部員の情報網を舐めてもらっては困るのですよ」
曰く、学校にて、津止先生が古書を調べにいくという話を聞きつけたのだとか。
「資料調査は得意なのです！ 新聞部員の底力は、私がここに現れたことで証明済み！」
「……はあ」
「伝承を調べるのも大好きだし、是非お手伝いさせて下さいな！」
刀の気のない相槌もなんのその、美咲紀は津止先生へと猛アピール。
美咲紀の花咲くような笑顔とは対照的な仏頂面で、けれど津止先生は、
「……では、よろしく頼む」
と、低い声で応じた。益々華やぐ美咲紀のかんばせ。
「やった！ えへへ、過去と今を結び付けるような資料を見つけたいですね！」
無言で津止先生が頷いた、その時である。
「あっ！ 津止先生、やっほー！」
ぶんぶんと元気良く手を振りながら駆けてきたのは、桜庭 円だ。
「わ、何だかよくわからないけど大所帯だね！ どうしたの？」
ことりと首を傾ける円に、刀が事の次第を簡単に説明する。
ふむふむとその話に聞き入って、円は赤の双眸をきらりと煌めかせた。
「へええ、異世界との交流かぁ。そういうことなら、ほら、貴重なこの一冊！」
ズバリと円が取り出したる本の表紙を見遣って、御巫 時子が不思議そうに首を傾げる。
「これは……『幻想世界ヒッチハイク・ガイド』……？」
「そう！ 寝子島書房から出てる本だよ！ しかも初版本！」
熱く語る円。何しろ彼女は、寝子島書房の熱烈な妄信者なのである。
ちょっと、周りとの温度差がすごい。なんかもうすごい。
「何その顔！？ とにかく、前提として、一般の人からは認知されない話を調べたいわけだよね？」
続く発言の真っ当さに、周りの温度が戻ってきた。成る程、と頷く顔も多数。
「で、それを書くとしたら、創作系に紛れ込ませるか……」
――もしくは、本気で書いて批判される奇書の類になる気がしない？
円の言に、ほう、と卯木 衛の口から感嘆の息が漏れる。
「円くん……なんかすげえ！」
「えへん！ そこでやっぱり、ここは謎と浪漫に溢れる！ 寝子島書房の出番だよ！」
円のプレゼンを、津止先生は相変わらず感情の読みにくい表情で聞いていた。そっとその顔を見遣って、
（伝承を調べる、かぁ。前向きで嬉しくなるね！ 大分、先生の印象が変わった）
なんて、円は密かに頬を緩ませる。
そして、円はにっこりとして、津止先生へと声を投げた。
「津止先生！ 先生って、大分柔らかくなった気がしますね、素敵です！」
円の言葉に、津止先生は仄かに目を瞠る。
「……そう、だろうか……？」
怪訝な色の滲むその声に、うんうんと頷くのは壬生 由貴奈だ。
「うちも、津止せんせーから本屋さん行かないかー、なんて誘われた時はびっくりしたよぉ」
「あ、俺も。先生って無口っつーか、あんまり私的な話しないイメージだったから……」
ちょっと意外だった、かも……？ と来島 アカリも言葉を継ぐ。
津止先生は、考え込むような、至極複雑な顔になった。そして、
「……否定は出来ない。以前の私なら、この行動を取らなかった可能性もある」
と、じきに、珍しく長めの台詞を訥々と喋ったのだった。
その反応に皆が顔を見合わせる中、
「津止先生……こんなところで奇遇ですね。課外授業か何かですか？」
大学生ほどに見える整った顔立ちの女性が、立ち止まって軽く小首を傾げる。
津止先生を始めとした一行が、一瞬きょとんとした。
やがて――衛が、「あっ！」と目を丸くして声を上げる。
「紫さんだ！！」
その通りだと、仙藤 紫は頷くことで応じた。
私服姿の紫は、大人びた雰囲気にも拍車が掛かって、とても高校生には見えないのである。
万一の時の為にと、津止 孝道先生の傍で警戒を忘れないようにしながらも、
（伝承……異世界絡みの話、見つかるかな）
なんて、いざ古書店巡りを目前にした恵御納 夏朝は、胸をどきどきとさせていた。
（クローネが住む？ あの世界の情報はないかもだけど……）
その他の異世界の情報なら見つかるんじゃないか、なんて期待する夏朝だ。
他の面々も何らかの発見があればと、或いは胸を弾ませ、或いは気を引き締めている。
待ち合わせ場所には、大天使 天吏も姿を見せていた。また、
「さあ！ 古書店へＧＯなのです！」
なんて、ズバッ！ と商店街の入り口を指差す椿 美咲紀も、いつの間にか合流している。
瞳を生き生きとさせている美咲紀を見遣って、御剣 刀がぽつりと漏らした。
「椿はいつの間に……」
「ふっふっふ。新聞部員の情報網を舐めてもらっては困るのですよ」
曰く、学校にて、津止先生が古書を調べにいくという話を聞きつけたのだとか。
「資料調査は得意なのです！ 新聞部員の底力は、私がここに現れたことで証明済み！」
「……はあ」
「伝承を調べるのも大好きだし、是非お手伝いさせて下さいな！」
刀の気のない相槌もなんのその、美咲紀は津止先生へと猛アピール。
美咲紀の花咲くような笑顔とは対照的な仏頂面で、けれど津止先生は、
「……では、よろしく頼む」
と、低い声で応じた。益々華やぐ美咲紀のかんばせ。
「やった！ えへへ、過去と今を結び付けるような資料を見つけたいですね！」
無言で津止先生が頷いた、その時である。
「あっ！ 津止先生、やっほー！」
ぶんぶんと元気良く手を振りながら駆けてきたのは、桜庭 円だ。
「わ、何だかよくわからないけど大所帯だね！ どうしたの？」
ことりと首を傾ける円に、刀が事の次第を簡単に説明する。
ふむふむとその話に聞き入って、円は赤の双眸をきらりと煌めかせた。
「へええ、異世界との交流かぁ。そういうことなら、ほら、貴重なこの一冊！」
ズバリと円が取り出したる本の表紙を見遣って、御巫 時子が不思議そうに首を傾げる。
「これは……『幻想世界ヒッチハイク・ガイド』……？」
「そう！ 寝子島書房から出てる本だよ！ しかも初版本！」
熱く語る円。何しろ彼女は、寝子島書房の熱烈な妄信者なのである。
ちょっと、周りとの温度差がすごい。なんかもうすごい。
「何その顔！？ とにかく、前提として、一般の人からは認知されない話を調べたいわけだよね？」
続く発言の真っ当さに、周りの温度が戻ってきた。成る程、と頷く顔も多数。
「で、それを書くとしたら、創作系に紛れ込ませるか……」
――もしくは、本気で書いて批判される奇書の類になる気がしない？
円の言に、ほう、と卯木 衛の口から感嘆の息が漏れる。
「円くん……なんかすげえ！」
「えへん！ そこでやっぱり、ここは謎と浪漫に溢れる！ 寝子島書房の出番だよ！」
円のプレゼンを、津止先生は相変わらず感情の読みにくい表情で聞いていた。そっとその顔を見遣って、
（伝承を調べる、かぁ。前向きで嬉しくなるね！ 大分、先生の印象が変わった）
なんて、円は密かに頬を緩ませる。
そして、円はにっこりとして、津止先生へと声を投げた。
「津止先生！ 先生って、大分柔らかくなった気がしますね、素敵です！」
円の言葉に、津止先生は仄かに目を瞠る。
「……そう、だろうか……？」
怪訝な色の滲むその声に、うんうんと頷くのは壬生 由貴奈だ。
「うちも、津止せんせーから本屋さん行かないかー、なんて誘われた時はびっくりしたよぉ」
「あ、俺も。先生って無口っつーか、あんまり私的な話しないイメージだったから……」
ちょっと意外だった、かも……？ と来島 アカリも言葉を継ぐ。
津止先生は、考え込むような、至極複雑な顔になった。そして、
「……否定は出来ない。以前の私なら、この行動を取らなかった可能性もある」
と、じきに、珍しく長めの台詞を訥々と喋ったのだった。
その反応に皆が顔を見合わせる中、
「津止先生……こんなところで奇遇ですね。課外授業か何かですか？」
大学生ほどに見える整った顔立ちの女性が、立ち止まって軽く小首を傾げる。
津止先生を始めとした一行が、一瞬きょとんとした。
やがて――衛が、「あっ！」と目を丸くして声を上げる。
「紫さんだ！！」
その通りだと、仙藤 紫は頷くことで応じた。
私服姿の紫は、大人びた雰囲気にも拍車が掛かって、とても高校生には見えないのである。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年01月09日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年01月16日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年01月16日 11時00分
