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寝子島高校
回向亭茶話 ~今なら不良坊主も同席につき。
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小さな子供が育つのはあっという間――
新田 亮
を知る人間は、皆そう言った。
寝子島高校野球部期待の新人として、一年生ながらにブルペン入りをゆるされた少年は、ひたすらに禅を組む修行僧のように、ストイックに、淡々と、練習に励んでいた。
構えたミットに寸分たがわず、様々な球種を投げ込む少年。試合ともなれば、緩急、高低、奥行きと、狭いベース上の空間を無尽に使い、打者を翻弄していくことで知られているらしい。
亮は、コンプレックスであった体格が、もしよければどうなっていたのだろうとの思いをずっと抱いていた。
――そうして、開いた扉の向こうの世界に来た彼は、今一人の自分を体験したのだった。
「野球部なのは予想通りだったんだけどな」
それは、扉から戻り来た少年の言葉。カウンターに一人座り、自分よりも背が低く見えるも、キビキビとした所作で珈琲を淹れている老僧に、語り掛けていた。
「練習後ってほら、みんなで集まるんだよね。それで、同じクラスの子がどうの、マネージャーにかわいい子がいないだのワイワイしながらお好み焼き屋なんかに行く算段をたてたりなんかして――」
最も、部室の扉を開けるとともにこちらへ帰ってきたものだから、現実には部活帰りの寄り道を体験することはできなかったわけであるのだが。
野球部なのは――体格がよければなぁ、と思っていたところもあり、概ね予想の範疇内といえるものだった。
「でも、なんであんなに社交的になれてたのか……」
今の自分はこれほどに人見知りであるというのに。ただ、身体が大きいだけで、何故……? その思いが顔に出ていたのだろうか。
「体が小さいゆえに、したことがあろう」
用意ができた珈琲を差し出してきた老爺が、そう端的に、問いかけた。
「小さい、ゆえ――」
心当たりならば、あった。
「小さくって、いじめられて――だから、強くなろうと思ったんです」
そうして、身体を鍛え、技を身に着け、いじめてこようとする者たちを逆に帰りうって。だが、その後はどうだっただろうか。
強さに溺れ、ほとんど必要もないような、ちょっとした諍いにも、手を出して解決するようになった自分がいはしなかったか。
「自信が、持てたんです。でもそれがうれしくて――そうして、間違った……?」
酔いしれて、好きに任せて、そうして人が周りから消えていった。
畏怖の感情を向けられて、それが問題だと思わず、むしろ強者であるのだと、無闇に誇っては増上していなかったか。
「そういえば、そのころから、か。人付き合いが、うまくいかなくなったのは」
それが重なり、やがてどう触れたらいいかわからなくなって。わからないから、怖くなって。
あぁなんだ――単に意地をはって、弱さを繕って、壁を作って。でも、本当はその壁を乗り越えたくて……でも、乗り越えるのが怖くて、また壁を自ら高くして。
今の己の在り様は、体格がどうのではなかったんだと、亮は思う。
それは、あまり理解したくない類の結論ではあったのだけれども。
差し出された珈琲を一口。
「マスター、扉を貸してくださってありがとうございます」
亮はカウンター席の背に体重を預けるかのようにし、自虐的な笑みを浮かべた。
「自分の醜さを改めて実感しました。本当、俺は嫌な人間ですね」
普段なら意地をはって、こんな弱みを見せない亮。そんな少年がうっかりと口を滑らせたのは、目の前のどことなく風格のある老人に、愚痴を聞いてほしくなったから、なのかもしれなかった。
これまで見ないようにしてきた、「それ」は、すぐさま引き取り抱え込むには、少しばかり、重すぎた。
「人は誰しも醜いものじゃよ」
そう言って、老爺は自身用に淹れたらしき珈琲をカップへと注ぎ、一口含んだ。
「――苦いの」
「失敗したんですかね」
眉をしかめ呟いた老人の言葉に、問いかける。答えは、「否」だった。
「この苦みを踏まえるからこそ、次はいかにすべきか、己の行いを見直すことができるんじゃ――すべての道は、悟りに至るまでの過程に過ぎん。そう思えば、いくらか楽に生きられるというものじゃ」
そういってヒョッヒョ、と笑うと一気に珈琲を飲み干した老僧の言葉に、亮は少しだけ目を見開いた。
「そう、ですね――そうかも、しれません」
手の中の珈琲は、すっかり冷めてしまい、苦みが表に出てきていて。
けれども、この苦みを覚えていよう。そう、心の中で亮は小さく呟きながら、胃の腑へとその液体を、飲み下していくのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼李月
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月08日
参加申し込みの期限
2017年01月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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