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回向亭茶話 ~今なら不良坊主も同席につき。
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「真央ちゃんの大事な釘バットが行方不明なのだ! ここか~!? いや、ここかーっ!?」
通りのかたすみ。ポリバケツのごみ箱のふたを開けては覗き込み、自動販売機のつり銭口に手を突っ込んではううん、とうなり。
「はっ、きっとあそこに捨てられてしまったのに違いないのだ!」
いつの間にか迷い込んだ細い路地の中、通りの集合ゴミ捨て場らしき小さな造りのコンクリートの小屋が目に入る。ここに違いない――そう息巻いて鉄の扉を開けた瞬間。
後木 真央
は、見たことのある喫茶店の中にいた。
視線を向ければカウンターの奥には、いつかの店主。美貌はそのままに、前より十ばかり老け込んだように見えなくもない。
だからといって、逡巡するようなことはない。勧められることすら待たずサクサクっとカウンターについた後木が、にかっと笑って注文がてら店主へと話しかけた。
「まさかゴミ置き場の扉を開けたら喫茶店とは斬新すぎてお客さんが入るか心配なのだ、とりあえずミルクティー、オッチャンの驕りで」
勢いよく扉が開いたと思えば、パタパタと入ってきた上でのこれである。
「またか――この前もそうだが、今回も見てみたい自分を探すってのは、しないのか? 不思議を探索して回ってるんだろう?」
「望む自分……ううん、釘バット探し終えてヒャッホイしか浮かばないのだ、そして所詮夢で、結局は見つかってなかったとか、どん底にも程があるのだ、パス1なのだ」
そうか、と応じ店主は作業を再開する。その口元には、少し呆れたような、それでいて楽し気な笑みが浮かんでいる。そんな店主の表情を眺めやりながら、後木は店主へと、なんとはなしに問いかけた。
「ところでおっちゃん。坊主というからには親がいるのだ? まさか人間に見せかけつつこの喫茶店の付属品なのだ? そっちの源さんが知ってるならそれでもいいのだ」
「そりゃあいるだろう――俺は人だぜ?」
ほんとだぞ? と店主は重ねて笑った。
「NMRを追っかけすぎて、すっかり真央ちゃんもすれちまったのだ」
そんな店主に、後木はフッ、と鼻で笑って見せた。どうにも作った態度感が強くて、それを受けた側は側で、小さく笑みをこぼしてしまう。
「で、なんでまたそんなことを聞く? この前は生きた人かと聞いてきたし、そんなに俺はみょうちくりんか」
「おっちゃんはみょうちくりんなのだー。……真央ちゃん、この前夢をみたのだ。夢の中の真央ちゃんは一人っ子で、もう働き始めてずいぶん経っていて。昔死んじゃえと思うほど嫌いだった父親しか残っていなくて。でもその父親が癌で死ぬと分かったら、嫌いだと思ってた筈なのに泣いてたのだ」
そういって、手の中の紅茶をちびりと飲む。
「真央ちゃんは弟が居るし、両親なんてどうでもいいのだ。他人なのだ。でもおじぃやおばぁや叔父貴が死ぬって分かったら――ガチ泣きするのだ、絶対。だから……なんであんな夢を見たのか不思議なのだ。何となく他の人と親の話を聞いてみたいのだ」
「両親はどうでもいいのか?」
いいのだ、と肯く後木に、沢庵は笑みを浮かべ、新たな紅茶を差し出した。
「俺の親は会社がつぶれてなぁ。よ――人から見たら落ちぶれた、というかもしれん。俺は、会社の主として傍若無人にふるまう父親は嫌いだったがね……最後の頃の、自分の狭い畑でとれたものだけで慎ましく過ごす父は、嫌いではなかったな」
よくわからないのだ、と問う後木に、店主は少しだけ肩をすくめた。
「人は変わる。嫌うということは過去に何かあったんだろうが――嫌わなくてもよいほどに、人が変わるかもしれん。あるいは、お前さんが変わるかもしれん。もしかしたら、いつのまにか少しだけ変わっていて、それが夢になったのかも、しれないしな」
それはないと思うのだぁ、と言いながらも後木は小さく首を傾げた。
「……変わるのかなぁ、いつか」
少し迷うように尋ねる少女に、店主は幼子を諭すような笑みで肯いて見せた。
「万事は流転。いいこともわるいことも、影響を与え合いながら連なっていくもんさ。間違えた選択はしたことないっていってたが、その選択の結果はお前にだけかかるもんじゃない」
手が空いているのだろう。乾かしていたコップを噴き上げながら語り続ける沢庵の言葉に、後木はただじっと黙って耳を傾けていた。
「他人にも影響を与えるし、それは自分に翻って帰ってくることもある――まぁ、お前さんみたいなのは、進みたい道を進むのがよかろうよ」
―-考えたところで、余計な穴に落ち込みそうだからな。
呵々、と笑う店主に、後木は「失礼なのだー!」と叫びを返す。
そんな少女の額をカウンター越しにツン、とつつき、沢庵はその瞳を覗き込んだ。
「お前さんは、お前さんの中にちゃんと答えを持っていられる子なんじゃないかと思っているからな、とりあえず、生きたいままに生きてりゃあ、そのうち行くべき所につくんじゃないか」
そういって、「お替りいるか?」と問いかける店主。
「もらうのだー! あとほかにも注文したいのだ!」
さっくり答えた後木は、再びのメニュー制覇に挑んでいくのであった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼李月
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月08日
参加申し込みの期限
2017年01月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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