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回向亭茶話 ~今なら不良坊主も同席につき。
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何度目かの邂逅だった。
会うたびに微妙に年齢の異なる店主。それでいて前に話した内容は覚えているようだから、別人ということもないのだろう。
そういうこともあるか――そう内心で思い、
八神 修
は席へ着いた。
「コーヒーを、いただけますか」
お勧めのブレンドで。そう言うと、ふとカウンターに紙の束を置いて書き物をしているらしき僧侶の姿に気付く。四十絡みのお坊さんであるように見え、最初に会った時の店主に似ているな、と思い、友人なのだろうと推量する。
だからこそ、珈琲が出るまでの間の手持無沙汰に、一段落がついたらしき男性に声をかけてみた。
「お仕事ですか?」
「いやぁ、たまりたまった飲み食いのツケのかわりにな、肉体労働で返せやこらって言われたんで、せこせこ書いとりますのや」
苦笑しながらそう言った目の前のお坊さんが、とん、とん、と書き終わったお札らしきものの束を整えるのを見て、興味を惹かれる。
「お札を書いているところを見るって、あんまりないので――もしよろしければ、一枚見せてもらってもいいですか?」
ああ、ええよー。どきどきしながら尋ねたら、想いのほかあっさりと見せてくれた。その札は、なんだか怖い顔をした鬼のような、人のような、不思議な絵の描かれたお札で。
「ま、魔除けの札くらい書かせても不心得者とは言われんくらいにはおごった気がするからな。どうだね、お前さんも一枚もらうかね」
今日は七、八十を超えているように見える、矍鑠とした様相の老爺の言葉だったが、八神は小さく首を横に振る。
「俺は、何もしてないんで、ただでもらうと悪いです」
「霊験あらたかなお札なんじゃがな――ほれ、飲みなさい」
珈琲を出され、八神は札を言って受け取った。一口すすり、ほっと、ひといきついて店内を見回した。
「最近は何か面白いことでもあったかね」
何度目かの気安さというものなのかもしれない。そう話しかけてきた店主に、そうですね、と八神は近頃の己が同行を思い起こす。
「特に変わった事はないんですが――あぁ、でも、異世界の夢をよく見るんですよね」
異世界。星幽塔――その不思議な世界。
階層に分かたれたその世界で、出会った人達のこと。黒い炎のオーブをもった作業服の女性のこと。その世界で、ひととは違う、不思議な形態の「ほしびと」達。
迷い人や、異世界からやってきたまま住み着いた冒険者たちの末裔が、「ほしびと」としているその世界。
そういう世界の夢を時々みるんですよね――そういう八神は、しかし困惑というよりは、楽しそうな様相で。
「自分は、その世界に、ずっといたかったりするん?」
源と名乗った僧侶――横に座って興味深そうに話を聞いていた――の言葉に、八神はしばし考え込む。
「ううん……結構、これで自分のことを現実主義だと思ってるんですよ、俺。だからああいう世界って馴染めないだろうなって漠然と思ってたんですが」
これが、意外と居心地がよくって。
「自由に往来できないのが地味に不便だなぁって最近は夢の中で思ったりもするんですよね。ねこよろずって店を開いてみたんですけど、割と順調に軌道にのってきてて――でもあんまり突発だと、此方から商品の一部を仕入れているもんだから、不便だなぁって」
そこまで話して、はっと八神は我に返り、「あくまで夢の話ですよ?」と断りをいれる。
鍛冶職人のクレイグとの間で交わした新武器開発に向けての説得。それに乗ってくれた時の、嬉しさ。
楽しそうに森での生活のことを話すピレーのこと。
あちらの世界での様々なことを語りながら、ふと八神は店内を見渡した。
「どうしたね」
八神の話を聞きながら静かに器具の手入れをしていた店主が、不意に口を閉ざした八神に対して問いかける。
「この店も、雰囲気が似ているなって思って――ここも、違う世界で、夢だったりするのかなって」
「お前さん、今寝てるのかい?」
にやっと笑って問いかけてくる老爺に、八神は小さく首を振る。
「とはいえ、寝てると気づかないのが夢なのかなって――でも、やっぱり現実、なんですよね」
「さてどうじゃろうな……。色はすなわち空。空はすなわち色。お主はどう思うね?」
問われ、八神は考え込んだ。
色即是空の一般的な意味は知っている。
だが、何を問いかけられたのか――しばし考え、ふとひらめくものがある。
「夢の中だろうと、そうでなくっても、ここにいて、考えて、行動して、話しているのって俺なんですよね。だったらどっちでもいいし、どちらでもいいように、後悔しないように、していれば何の問題もないのかなって」
正解かどうかはわからないままに、あやふやなものをつかむように、見えない珠を手探りで探すように紡がれた言葉に、老人はただ「そうかい」と答えた。
傍らの源が、「ええんちゃうやろかそれで」、と背中を叩いてくれる。
不思議な店で、不思議な人たちと繰り広げられる会話。
これが子不語の世界で夢の一部だとしても。
興味深く聞き、考えた内容を忘れなければ――それはきっと、楽しい一日として、自分自身に刻まれるのだろう。
「もう一杯コーヒーをいただけますか?」
もう少し、二人の話を聞いていたい。
そう思い、八神は店主に二杯目をお願いしたのだった。
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あとがき
担当マスター:
蒼李月
ファンレターはマスターページから!
今回は、色々と修羅場でした――(瀕死
と、いうわけで、皆さまご参加いただきありがとうございました!
おかげさまで、盛況に追われてよかったなぁと思う次第でございます。
エッセンス程度になればいいなーと出した不良坊主の源さんも、意外と構ってもらえたので当人も喜んでいることでしょう。
姿かたちの一定しない店主や客たちではありますが、
またの機会がございましたら、是非ごひいきにしていただければ幸いです。
重ねてになりますが、このたびはご参加いただきありがとうございました。
またのご縁がありますことを、願いつつご挨拶とさせていただきます。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼李月
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月08日
参加申し込みの期限
2017年01月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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