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ねこ島温泉郷の五日間
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『お風呂』
『お風呂入ろ』
『おっ風呂ー』
腹の上で飛び跳ねられ、頬に肉球パンチを受け、鼻に冷たく濡れた鼻を押し付けられ、
来島 アカリ
は唸る。しつこい攻勢に重たい瞼を何とか上げれば、飛び込んできたのは家で留守番しているはずの愛猫ウィルと同じ鯖虎模様の子猫が三匹。
『お風呂!』
声を揃えてにゃあにゃあと騒ぎ立てられ、アカリは薄紅色の瞳を擦りながら起き上がる。布団から追い出され、寒い寒いと嘆きながら眠った割に不思議と温かな手足をぼんやりと眺める間もなく、
『お風呂ー!』
「あーもう、わかったよ!」
背中に膝に頭に、よじ登ってくる子猫たちに業を煮やし、三匹まとめて両腕に抱き上げる。
(ったく、普段は風呂嫌がるくせに……)
ぼやきながら寝ぼけ眼で部屋を出、大浴場に向かう。なんだかなし崩しにウィルのようなそうでないような三匹の世話をすることになっている気がするけれど、気にしていてはこのねこの温泉郷では過ごせない。
『おっ風呂ーお風呂ー』
「おーよしよし、いいご身分だなー……」
上機嫌な子猫たちのお供の態で、大浴場へ続く暖簾を潜る。ふわりと漂う湯煙に思わず頬を緩めたのも束の間、脱衣所で服の袖や裾を捲ろうとするアカリの足元をすり抜け、猫たちは大浴場に突進する。
「こら、先に身体洗わねーと!」
『洗ってー』
タイル敷きの洗い場で立ち止まってねだる猫たちのもとへ急ぎ、用意されていた桶に湯を汲む。備え付けの猫用シャンプーを泡立て、順番に猫たちを洗っていく。
「ってうわ、やめろ! お湯かけんじゃねぇ!」
洗われながらもはしゃいで桶の湯にダイブし暴れる猫たちを抱き上げ、手近な湯舟に放り込む。人間の掌が浸かるほどの深さしかない桧風呂でご機嫌に鼻歌まで歌い始める猫たちを仏頂面で眺め、アカリはタイルの上にしゃがみこむ。温泉の匂いを嗅ぎながら、湯煙漂う大浴場へ視線を巡らせる。
何十匹も入れそうな桧風呂に始まり、緩い流れのある歩行浴用温泉路、猫が寝そべることのできる寝湯、花弁の散らされた花風呂、林檎のぷかぷか浮く林檎風呂。見渡す限り種々様々な風呂がある。
『あつい』
『のぼせた』
『ゆだった』
「ほらもー出るぞ! 順番に拭く、……って揃って逃げんじゃねー!」
アカリの手で湯舟から上げられるなり、猫たちは息を吹き返したように逃走を始めた。
「……あっちも大変だな」
逃げる猫たちをタオル片手に追いかけるアカリを目で追いかけ、
新田 亮
は呟く。とは言え、厄介なお客猫の専属になっているのは亮も同じ。
白ライオンと見紛うばかりの大きな猫は、楽しそうに大浴場を覗き込み、いそいそと脱衣所に戻る。脱ぐものもなし、そのまま入れるだろうと首を捻る亮を悪戯っぽく見たかと思うと、彼はひょいと二足歩行で立ち上がった。首の付け根に手を回す。ファスナーを開くような仕草に、亮は目を丸くする。
(それ地毛じゃなかったの!?)
まさか中身は猫温泉に紛れ込んだ人間か、と疑う亮に、彼はぱかっと口を開く。笑ったらしい彼の口は、紛れもなく猫だかライオンだかのもの。
(もはやライオンですらない。ただのパチモンだろ)
驚きの表情を隠せぬ亮を見て、パチモンと名付けられたことも知らぬ彼は首元に回した手を下ろした。白い毛皮はそのまま、素知らぬ顔で浴場に向かう。
ついてこい、とばかりに横目に見られ、亮は思わずむくれた。どうやらからかわれただけらしい。
洗い場の風呂椅子にどかりと腰を据えるパチモンの背に桶に汲んだ湯を掛ける。濡れた毛皮の下、がっしりとした骨格と筋肉が浮き出し、猫らしからぬ体つきに亮はまた目を瞠る。
鍛え上げられた肉体に見惚れられたと勘違いしたパチモンはやおら立ち上がり、亮の前でマッスルポーズを決めてくれた。
(こいつは生物学上は何に分類されるんだろうな)
真剣に考えつつも、亮は笑顔で拍手してみせる。湯舟に浸かっている間、接待の一環として話し掛ける内容は、その筋肉美についてにしようと画策しながら。
「はいはーい、ちょっと失礼しまーす」
湯舟に向かう亮とパチモンの脇をすり抜け、
桜庭 円
が足早に向かうは、湯舟の縁でうろうろおろおろ立ち竦む猫のもと。湯気のたつ水面をじっと見つめる猫の傍、更にその猫をじっと見つめる
岡野 丸美
の姿もある。
円が辿り着くより早く、丸美が思い切ったように桶にお湯を汲んだ。そうっと、猫に気付かれぬくらいにそうっとそうっと、お湯をその背中にかける。
気配もなくいきなり背中を流されて、猫は飛び上がった。飛び上がるようにくるりと振り向き、濡れた毛を逆立てて牙を剥き出し唸る。
「わ、ごめんなさい」
全身で怒られても、丸美は驚いた顔ひとつ見せず、のんびりとした笑顔を猫に返す。威嚇にもおっとりのんきに返されて、猫は毒気を抜かれたようにその場にぺたりと座り込んだ。
入りたくともお湯に入れず、迷いに迷う猫に、辿り着いた円は朗らかに笑いかける。
「だいじょーぶ」
手にした桶にお湯を汲んで小さなお風呂を作ってやれば、猫はそろそろ恐る恐る、前脚から桶の湯に入った。入ってしまえばこちらのもの、その温かさと心地よさにごろごろと喉を鳴らす猫に円は緋色の目を細める。
湯に浸かった猫に乞われ、丸美がその背を撫で始めた。飽きずにゆったり、持ち前の気の長さでのんびりと背を撫でられ、丸美に威嚇したことも忘れて猫はぐんにゃりと気持ちよさそうに身体を伸ばす。
「ありがとう、桜庭ちゃん」
「いいよいいよー、だいじょーぶ、丸美ちゃん!」
ふわりと笑う丸美に屈託なく笑い返して、円は広い浴場に視線を巡らせる。どの風呂も浅く造られているとは言え、万一にでも溺れている子が居ないか、注意だけはしておかなくては。
(子猫さんとかは抱きかかえて入れてあげたほうがいいかも)
桶風呂に気持ちよさそうに浸かる猫を見つけ、他の猫たちが我も我もと寄って来る。乞われるまま桶風呂を用意していくうち、ぐるりを猫の入った桶風呂に囲まれて、円は思わず笑みを零した。
(みんな、水で毛がぺったんしてるなぁ)
視線を伸ばせば、重なり連なる桶風呂の向こう、広い湯舟に悠々と入っている白ライオンのような猫も、その長い毛をぺたりと筋肉質な身体に貼りつかせている。
思わずじろじろ見つめる円の視線に大猫が気づいた。咄嗟ににこりと笑う円に、ばしゃん! 大猫は猫パンチじみた動きで円に向けてお湯を掛ける。
「ひゃー!」
「わあっ」
円の傍にいた丸美も一緒にお湯を浴びて、けれど丸美は気にした風でもなく楽しげな悲鳴をあげる。
「……あ、照れたのか」
大猫の専属世話係となっている亮がふと気づいて思わず口にした途端、更に照れたパチモン猫は亮にも湯を浴びせ、照れ隠しじみた動きでぶくぶくと湯に沈んだ。
「だ、だいじょーぶ?」
心配する円に大きな肉球の手をひらひらと振り、大猫は気に入りらしい御付きの亮を連れて別の湯舟を楽しみに向かう。
濡れた顔を掌で拭い、円は足元にすり寄る子猫を見下ろす。湯煙によくよく見れば、それは猫の温泉郷を存分に楽しんでいるらしい愛猫の茶虎猫。
「にゃーくんも、桶のお風呂欲しいの?」
にゃ、と返事をするにゃーくんにも桶のお風呂を用意して、周りでゆったりお湯につかる子たちの顎を撫でて背中を撫でて。猫の温泉郷の使用人の仕事はさても忙しい。
にゃあにゃあみゃあ、こちらにも猫の温泉郷の使用人がひとり、抱き上げた猫に命じられるがまま、濡れた床を歩いてくる。
仲居の着物にエプロン掛け、襷がけも凛々しく、
仙藤 紫
はお猫さまを両腕に抱えて大浴場を横切る。
(猫って水が苦手じゃなかったっけ?)
あちらには肩まで沈む大きな猫、こちらには桶で作った小さな湯舟にみっしり詰まって幸せそうな猫たち。どうやらここに集まった猫たちは概ね温泉が好きらしい。
みゃあ、と腕の中で猫が鳴く。遊んでは食べて寝て、好き放題な猫たちは、今日も今日で好き放題。使用人たる人間に一緒に風呂に入れとねだる。
「私も?」
にゃあ、と返事を返され、着物姿の紫は困る。
(さすがに猫も温泉で気持ち良くなれば大人しくするかな……)
湯舟の縁に腰を下ろし、足袋だけ脱いだ素足を湯につける。爪先に縋りつくようにして湯に入る猫を見下ろし、小さく息を吐く。
「ッ……」
ふと聞こえた鋭い悲鳴に顔をあげれば、同じように湯舟に足だけ浸からされ、ねだられるままに猫の背を撫でてやっていたらしい白銀の髪に血色の瞳した少年が、血の滲んだ手をもう片手で押さえている。
引っ掻かれた己よりも、引っ掻いた猫の方が戸惑った顔をしているように見えて、
如月 蘇芳
は苦笑する。撫でる加減を間違えたのか、怒らせてしまったのだろうか。
(言葉が通じないと加減がうまくできないな……)
手の甲の血を指先に拭い、蘇芳はどこか怯えて見える猫に優しく微笑みかける。怒ってはいないと、伝えたかった。
「ごめんね?」
けれど呟いた途端、猫は恐ろしいものを見たかの如く、全身の毛を逆立てた。濡れた尻尾を膨らませ、湯を蹴立てて湯舟から飛び出し、一目散に逃げて行く。
(昔から動物には好かれないタイプだけど……)
こちらを心配そうに眺める黒髪の年上らしい女性に、蘇芳はちらりと肩を竦めて見せた。
「流石にちょっと傷つくな……」
なんてね、とにこりと笑う。
底の見えぬ少年の微笑みに、動揺の一欠けらも見せず小さく頷き返しながら、紫は駆け去った猫の背を視線で追う。怯えた猫が向かうのは、大勢の猫をその足元に纏わりつかせた夏草色の少女のもと。
「ん、どうしたの?」
駆け寄って来た猫を慣れた手で抱き上げ、両腕に抱きしめてやりながら、円は浴場と脱衣所を分ける厚めの暖簾を分ける。
「あがったらタオルで拭いてあげるからねー」
言いつつ脱衣所に出れば、その足元に群がる何匹もの濡れた猫を見てか、
柏村 文也
がおどけたように目を丸くした。
「おや、大繁盛だね」
息抜きもきちんとするけれど、仕事もきちんとする。それが大人というもの。
(……かなー?)
「此方も大繁盛となりますかどうか」
客商売と生業としているだけあって、お客に喜んでもらえるのはやはり嬉しい。
(得意なのは珈琲淹れることなんだけど、猫には珈琲は厳禁だったかな)
ぬっくぬくのほっかほかな身体を丁寧に拭きあげられていく猫たちの隣で、文也は手にしたたくさんの布を広げる。
珈琲が駄目でも、得意事はまだある。例えば裁縫や着付け。であれば、ここで己が出来る面白そうなことと言えば、
「お風呂上りに着る半纏なんてどうだい?」
番頭猫に提案し、必要な道具や布は調達済み。時間の合間を見つけて、少なからぬ量の半纏は縫い上げてさえいる。
「私が君に似合うものを仕立てて差し上げよう――さて、猫の半纏屋の開店だ」
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阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月30日
参加申し込みの期限
2017年01月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月06日 11時00分
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