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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【星幽塔】第八階層 妖精のオーブと２人の乙女
●救出
キリア達の救出に向かった者達は、順調に２階に駆け上がった。
「２階はSpider少ないデスネー」
走りながらトワがきょろきょろする。一同は重厚な扉の前で止まった。
「王の寝室だ。まもるの話から推測すれば、多分ここだと思うのだが……」
エイロスが言う。亮が一歩前に出た。
「早く救い出そう。彼らの疲労も心配だ。ただ、鎌八は子蜘蛛がたくさんいたと言ってたと思うんだが……」
そう言いながら亮がギイッと扉を開く。途端にゾワッと子蜘蛛の大群が押し寄せた。
「キャーーーッ！」
クレオが叫びながらまた思わずしゃがみこむ。子蜘蛛が一斉にジャンプして襲いかかった瞬間、突風が子蜘蛛を吹き飛ばした。
「大丈夫か？！」
咄嗟に風の魔法を放った亮だ。クレオがこくこくと声もなく頷いた。
「みんな、気を付けろ」
仲間を守るように先頭に立つと、亮はすぐにろっこん＜鬼人の体＞を発動した。呼吸を止めている間、身体能力が３倍になるこのろっこん。小柄な彼が戦闘で使うのにぴったりだ。
亮は同時に風の魔法をその両腕に纏わせる。そして近付く子蜘蛛達に思い切りパンチを繰り出した。まさに鬼人のようなパンチが子蜘蛛にお見舞いされる。凄まじい風と共に、たくさんの子蜘蛛達が吹っ飛ばされた。
「道が出来た！」
見えた床に亮の目が力強い光が宿る。そして彼は再びろっこんを発動すると、もの凄い速さで駆け始めた。
「サポートならまかせて！」
子蜘蛛の集団を前に、クレオがけなげに立ち上がった。
（足の多い生き物はクレオそんなに得意じゃないんだけど……でも、やるしかない！）
グッと唇を引き結ぶと、クレオは右手から炎の魔法を発動した。緋色の光が火炎放射のように的確に走る亮の周囲の子蜘蛛を焼き払う。遠距離からの見事なサポートだ。
エイロスは剣を構えながら後ろを振り返った。
「君は小さいから、私の後ろを離れないようにね」
そう、彼の後ろにはトワがちょこんと立っていた。エイロスの言葉にこくこくと頷きながらも、トワは密かに感心していた。
（見事なタラシ……イイ人ぶりデスネー）
「さあ、行こうサナ！」
自分の横を飛ぶ妖精に頷くと、エイロスは次々に子蜘蛛に斬りかかる。その後ろをちょこちょことトワはついていった。
キリア達は部屋の１番奥に蜘蛛糸でぐるぐる巻きにされ、壁に貼り付けられていた。
「キリア！」
エイロスが叫ぶ。ぐったりしている王や王妃、そしてキリアの蜘蛛糸をエイロスと亮がそれぞれの剣で次々に斬りつける。糸は綺麗に斬り裂かれ、エイロスはキリアを、亮が王と王妃を両手で受け止めた。
「キリア、キリア！」
エイロスが抱き留めたキリアに呼びかけると、うっすらと彼女の目が開いた。
「エ……イロス……ど……うして？」
青い顔で小さく呟くキリアに、エイロスが言った。
「来るのが遅くなってすまない……苦しかったろう」
エイロスの言葉にキリアは小さく小さく首を振る。エイロスが涙の滲んだ目を悔しそうに閉じた時、トワがその肩をぽんと叩いた。
「キリアもKing達もトワがヒールするマス。でもSpiderいたら危ないデス！」
「それもそうだな。ライトフェロゥは治療に専念してくれ。この部屋の子蜘蛛は俺が倒す」
王達を床に横たえた亮が、グッと拳を握った。その横でクレオも気合いを入れる。
「私も頑張るわ！ キリアさん達には子蜘蛛の足１本触れさせない！」
騎士とお姫様という童話のワンシーンのような光景を生で見た彼女は、勇気１００倍のようだ。ギュッと右手に嵌めた赤いグローブを握り直す。
「トワは自分が出来る事をするマス。大丈夫、キリア達すぐ良くなるデス！」
トワがエヘンとその小さな胸を叩く。エイロスの瞳が潤みながら大きく見開かれ、言葉もなく彼は寝子島の勇者達に頭を下げた。
「よし！ 早く片付けて1階の仲間と合流しよう！」
亮の檄に一同が頷く。亮とエイロスが子蜘蛛の群れに飛び出した。クレオは床に寝かされているキリア達を背に、子蜘蛛を１匹も近づけまいと炎の魔法で奮闘する。
唯一の治癒魔法を持つトワは、しゃがみ込みながら小さな手にパールを握る。淡い白い光がぽうっと浮かんだ。
「大丈夫……大丈夫デスヨ」
そう呟きながら治癒をするトワの額にはうっすら汗が滲む。そしてしばらくするとキリアの頬に赤味が戻ってきた。
「やったデス！」
トワは叫ぶと、すぐに今度は女王の治癒を始めた。
トワは部屋で繰り広げられている戦いを見ようともしない。分かっているのだ。彼らに任せておけば安心な事を。自分は余計な心配をする暇があったら、少しでも早くキリア達を元気にするのが役目なのだ。
徐々に顔色が戻ってくる女王を見て、トワは微笑んだ。
キリア達の救出に向かった者達は、順調に２階に駆け上がった。
「２階はSpider少ないデスネー」
走りながらトワがきょろきょろする。一同は重厚な扉の前で止まった。
「王の寝室だ。まもるの話から推測すれば、多分ここだと思うのだが……」
エイロスが言う。亮が一歩前に出た。
「早く救い出そう。彼らの疲労も心配だ。ただ、鎌八は子蜘蛛がたくさんいたと言ってたと思うんだが……」
そう言いながら亮がギイッと扉を開く。途端にゾワッと子蜘蛛の大群が押し寄せた。
「キャーーーッ！」
クレオが叫びながらまた思わずしゃがみこむ。子蜘蛛が一斉にジャンプして襲いかかった瞬間、突風が子蜘蛛を吹き飛ばした。
「大丈夫か？！」
咄嗟に風の魔法を放った亮だ。クレオがこくこくと声もなく頷いた。
「みんな、気を付けろ」
仲間を守るように先頭に立つと、亮はすぐにろっこん＜鬼人の体＞を発動した。呼吸を止めている間、身体能力が３倍になるこのろっこん。小柄な彼が戦闘で使うのにぴったりだ。
亮は同時に風の魔法をその両腕に纏わせる。そして近付く子蜘蛛達に思い切りパンチを繰り出した。まさに鬼人のようなパンチが子蜘蛛にお見舞いされる。凄まじい風と共に、たくさんの子蜘蛛達が吹っ飛ばされた。
「道が出来た！」
見えた床に亮の目が力強い光が宿る。そして彼は再びろっこんを発動すると、もの凄い速さで駆け始めた。
「サポートならまかせて！」
子蜘蛛の集団を前に、クレオがけなげに立ち上がった。
（足の多い生き物はクレオそんなに得意じゃないんだけど……でも、やるしかない！）
グッと唇を引き結ぶと、クレオは右手から炎の魔法を発動した。緋色の光が火炎放射のように的確に走る亮の周囲の子蜘蛛を焼き払う。遠距離からの見事なサポートだ。
エイロスは剣を構えながら後ろを振り返った。
「君は小さいから、私の後ろを離れないようにね」
そう、彼の後ろにはトワがちょこんと立っていた。エイロスの言葉にこくこくと頷きながらも、トワは密かに感心していた。
（見事なタラシ……イイ人ぶりデスネー）
「さあ、行こうサナ！」
自分の横を飛ぶ妖精に頷くと、エイロスは次々に子蜘蛛に斬りかかる。その後ろをちょこちょことトワはついていった。
キリア達は部屋の１番奥に蜘蛛糸でぐるぐる巻きにされ、壁に貼り付けられていた。
「キリア！」
エイロスが叫ぶ。ぐったりしている王や王妃、そしてキリアの蜘蛛糸をエイロスと亮がそれぞれの剣で次々に斬りつける。糸は綺麗に斬り裂かれ、エイロスはキリアを、亮が王と王妃を両手で受け止めた。
「キリア、キリア！」
エイロスが抱き留めたキリアに呼びかけると、うっすらと彼女の目が開いた。
「エ……イロス……ど……うして？」
青い顔で小さく呟くキリアに、エイロスが言った。
「来るのが遅くなってすまない……苦しかったろう」
エイロスの言葉にキリアは小さく小さく首を振る。エイロスが涙の滲んだ目を悔しそうに閉じた時、トワがその肩をぽんと叩いた。
「キリアもKing達もトワがヒールするマス。でもSpiderいたら危ないデス！」
「それもそうだな。ライトフェロゥは治療に専念してくれ。この部屋の子蜘蛛は俺が倒す」
王達を床に横たえた亮が、グッと拳を握った。その横でクレオも気合いを入れる。
「私も頑張るわ！ キリアさん達には子蜘蛛の足１本触れさせない！」
騎士とお姫様という童話のワンシーンのような光景を生で見た彼女は、勇気１００倍のようだ。ギュッと右手に嵌めた赤いグローブを握り直す。
「トワは自分が出来る事をするマス。大丈夫、キリア達すぐ良くなるデス！」
トワがエヘンとその小さな胸を叩く。エイロスの瞳が潤みながら大きく見開かれ、言葉もなく彼は寝子島の勇者達に頭を下げた。
「よし！ 早く片付けて1階の仲間と合流しよう！」
亮の檄に一同が頷く。亮とエイロスが子蜘蛛の群れに飛び出した。クレオは床に寝かされているキリア達を背に、子蜘蛛を１匹も近づけまいと炎の魔法で奮闘する。
唯一の治癒魔法を持つトワは、しゃがみ込みながら小さな手にパールを握る。淡い白い光がぽうっと浮かんだ。
「大丈夫……大丈夫デスヨ」
そう呟きながら治癒をするトワの額にはうっすら汗が滲む。そしてしばらくするとキリアの頬に赤味が戻ってきた。
「やったデス！」
トワは叫ぶと、すぐに今度は女王の治癒を始めた。
トワは部屋で繰り広げられている戦いを見ようともしない。分かっているのだ。彼らに任せておけば安心な事を。自分は余計な心配をする暇があったら、少しでも早くキリア達を元気にするのが役目なのだ。
徐々に顔色が戻ってくる女王を見て、トワは微笑んだ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2016年12月24日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年12月31日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年12月31日 11時00分
