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花の名は。
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ラッキースターが往く!
上下 左右
の白く柔い肌には今日のような陽気が必ずしも良いものとはいえなかったが、だからといって外出を断念するほど凶悪にも成り得なかった。
日差しに気を付けながら、カツンカツンと規則正しく杖を突き、彼女は自分のペースでこの展覧会を楽しんでいた。
「ん~とてもいい香りですわ」
そうして庭園を歩いて回っていると、鼻をくすぐるほのかな香りに気が付いた。強烈な薔薇の香りの隙間を縫うように、かすかに香るその正体は――
「おやっ? このお花は……」
ふらふらと吸い寄せられた先にあったのは、彼女と同じ『
上下 左右
』という名前の白い花だった。
「私と同じ名前のお花ですわ! こんな偶然な事もあるのですね」
薄鈍色の瞳を輝かせた左右は、杖を置いて花壇の縁に腰掛けるとその花にそっと手を伸ばした。
花を指先で愛でながら、左右はこの花の説明文に目を通した。
花言葉:人見知りの幸せ
この花が咲いているところを見た人は、たちまち幸運を引き寄せると言われている
「このお花が咲いたところを見ると幸運が訪れるのですね、でも一輪も咲いていませんわ」
左右が不思議に思ってよくよく観察してみると、説明文にはまだ続きがあることに気が付いた。
人の目があると閉じてしまう恥ずかしがり屋、誰もこの花が咲いたところを見たことがないという
注意書きの通りその花は硬く蕾を閉ざしており、どれほど探しても例外はなかった。
「ふむ、閉じてしまう花ですか……本当に……偶然ですわね」
左右は唇を引き結び、何かを考え込むようにすっと目を伏せた。薄鈍の瞳に、白い睫毛の影が落ちる。暗く染まりきらない眼裏では、目の前の花と自信の姿がピタリと折り重なって見えた。
「……わたくしは」
左右は杖を手に取り、その場にすっくと立ち上がる。
そして――カンッ! 杖の先を庭のタイルに打ち付けた小気味いい音が響く。それと同時に蕾が丸みを帯び、膨らみ、そして透明感のある白い花弁がゆっくりと綻んでいった。
ブルースターのような可愛らしい小ぶりの花が、一斉に咲き開く。あたり一面にふんわりとした いい香りが漂っていく。
「やっぱりお花は咲いている方が素敵ですわね」
左右は、近くの薔薇園と喧嘩をすることもない甘やかな香りをじっくりと堪能してから、満足そうに微笑んだ。
ルイマリから『上下左右』を譲り受けた後も、左右は花園を立ち去ることなく散策を続けていた。
落とさないように、傷つけないように大事に抱え込んでいるため、行きに比べても歩く速度は落ちてしまったが、その分他の花をじっくり眺めていられる。左右は現状を楽しんでいた。
そうして歩いていると――
「あ、そのお花! 咲いたんですね!」
向かいを歩いていた
宮祀 智瑜
が、首筋まで伸びた赤いリボンをパタパタと跳ねさせながら駆け寄ってきた。
「実はさっき蕾の状態のものを見ていて……ああ、よかったです」
そう言うと、智瑜はふっと表情を綻ばせた。
「お、いい香りだな」
香りにつられてやってきたのは
八神 修
だ。
「幸運をもたらすと言われている花ですわ」
「ほぅ、そうなのか。なら、探しものも見つかるかもしれないな……」
修もまた嬉しそうに目を細める。
逸話もあながち嘘ではないのかもしれない。左右は賑やかな現状に少々の戸惑いはあったものの、花がもたらした笑顔を見ていると胸に温かいものが満ちていった。
「ありがとうございました!」
突然聞こえてきた威勢のいい声に、その場の全員が視線を向けた。
桧垣 万里
が花を抱えながら、ルイマリに手を振り走り出したところだった。
どうやら花を譲ってもらったらしいことが見て取れる。
花とは関係なくとも、幸せそうな人を見るのはいいものだ。などと左右が思っている間に、万里は左右の目の前まで迫っていた。
「あ!」
声を上げても、時既に遅し。万里と左右はぶつかってしまった。
「あ!」
「……あ」
「ああ!?」
そこまでであればまだよかったのだが……、バランスを崩して倒れ込んでしまいそうになった左右を支えようとした智瑜がなぜか万里にぶつかっていき、智瑜の突撃を受けた万里は何がどうなったのか智瑜の胸に埋もれて、弾んでその場にバタンキュー。
結局支えを得られなかった左右は、倒れる寸前のところで修に助けられたのだった。
「す、すみません……」
ぶつけた箇所を撫でながら智瑜が謝るものの、倒れた万里は一向に起きる気配がなかった。
「あの、大丈夫ですか?」
何度か声をかけてようやく起き上がったかと思えば。
「あれ? ここはどこかしら?」
と万里は目をパチクリとさせた。
「こ、これは噂の記憶喪失というものですの!?」
「え、えっとどうしましょう!?」
「……少し落ち着いてみよう」
と言う修さえも、平常心とは言いがたかった。
「あ、いえ、記憶喪失ってわけじゃなくて」
万里が慌てて否定をして、ようやくその場は収まり、左右は胸をなでおろした。
「……それにしてもいつの間にこんなところまで来たんだろう」
ボソリと聞こえた彼女の独り言は聞かなかったことにして。
「この花もなんだろう……?」
左右には聞こえない。
「……でも、なんだかほっとする花ね」
左右は誘惑に負けて、万里の様子を覗き見た。
「……幸せのおすそ分け大成功」
左右が満面の笑みを浮かべた瞬間、花は再び閉じてしまった。
「あ……」
「あった……これだ」
左右の淋しげな呟きに被せられた修の歓喜の声。
彼の視線の先にあったのは、力強いタチアオイに紛れて咲く、楚々としたミズアオイの花だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月22日
参加申し込みの期限
2016年12月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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