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花の名は。
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二心同体
胡蝶蘭のようだと思った。けれどその花は明らかに胡蝶蘭ではなかった。胡蝶蘭は一株にいくつもの花が付き、その花の多さが人間的な価値に繋がる。
けれど
八神 修
を射抜いたその蘭には、一つ花が付いているだけだった。
花自体は大きいものの、花弁の形をとっても胡蝶蘭に比べると細くシャープ。神々しい純白の花弁には黄金の筋が光っていて、細かく筋の通った唇弁は自ら輝いているようにも見えた。
一方、花が一つしか付いていないのに対して葉の数は多く八枚ほどが根出状に連なっていた。丸みのある葉だが、緑の配分の多さからもどこか男性的な印象を受ける花だった。
花に魅入られ、吸い寄せられるように修は歩みを進める。
「その花の名前はヤソノカミといいます。漢字は……そこのプレートを読んでいただいた方がわかりやすいわね」
突如現れた女性に言われるがままに、修はプレートに視線を移す。そこには確かに『八神』と記載されていた。
「……俺と同じ漢字なのか」
「まぁ、そうなの! 素敵な偶然は重なるのね」
「え?」
修は聞き返したが、ルイマリと名乗った女性は繰り返すことはなく「これは古代の花を復元したものですわ」と花についての蘊蓄を語り始めた。
「これは古代の花を復元したもので、八意(やごころ)を持ち合わせた神の花とされております。ですから別名はオモイカネと言いますの」
「思兼神ですか!」
思わぬ名前が出てきたことで、修の好奇心に火が付いた。
「ええ八意とは多くの知恵であると同時に、立場を変えて考える事。たいへん思慮深く、かつ柔軟性を兼ね備えた――しなやかな花ですわ」
うっとりと語るルイマリに相槌を入れながら、こんな立派な花と類似点があるという事実に修は自尊心が満たされていくのを自覚する。
美しい姿形だけでなく知恵を神格化した神の花と同じ名前だと言われて悪い気がするはずもなかった。
「ただし、ヤソノカミという悪しき神々と同じ名前というのにもわけがあるのかもしれません……あちらは正確には八十神と書きますし、読みもヤソガミと呼ばれることのほうが多いのですが」
「なるほど……」
絵に描いたような理想ではない。その事実に修は落ち込むどころか、むしろ自分によく似ていると思った。さすがに邪神まがいのものと同一だとは思わないけれど。
「とう(刀)が欠けたため、そこまでの毒気は持ち合わせていないとも言われておりますが、でもこの花の根には毒がありますの」
毒と言われて、修は曖昧な笑みを浮かべる。けれど否定も驚嘆もしなかった。邪神と言われるよりはよほど自分に近い存在に思える言葉だったから。それも人目につかない根にあるという。
「ちなみにヤソノカミが懸想した相手はヤガミヒメと言うんですよ」
「……ヤガミ、ですか」
これには苦笑を禁じ得ない。しかし続く言葉のために、苦いものはあっという間に引っ込んでいった。
「そして花言葉は『君だけを愛す』」
ルイマリは意味深長な笑みを浮かべ、修の反応を待っているようだった。
「……微笑ましいですね」
「あら、とても面白い解釈ね」
「悪しき神々も、想い人には一所懸命だった――ということでしょう?」
「……そうね、そういう考え方もありますわ。でも真実は単純に、蘭らしい花言葉。というだけですの」
「それもまた、人間臭い話ですね」
「ふふ、でしょう?」
格調高い花の、泥臭い話にやはり修は微笑ましいものだと薄茶色の目を細めた。
(……それに確かに自分にも心の中の1人の女性が居るからな)
完璧ではない花と自分が重なって見えるのは、やはり名前のせいなのかもしれない。けれどそうでなくてもこの花に修は魅せられていた。そのため、その言葉は自ずとこぼれ落ちた。
「一株、買いたいのですが。お譲りいただけませんか?」
交渉の末、ルイマリは快く蘭を八神に譲ってくれた。お金を払う払わないでは一悶着あったものの、結局「受け取ってもらえないのであればこちらも受け取ることができない」と修がはね除けたことでルイマリが折れる形となった。
(犬猫の入らない部屋に置こう……)
持ち帰り用に鉢に移し、風呂敷に包んだ花を眺めながら修はふと思い巡らせた。
(……あの花もあるのだろうか)
力強く花咲く、鮮やかなあの花。
修はまだ帰路につくことはなく、のんびりと展覧会を巡ることにした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月22日
参加申し込みの期限
2016年12月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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