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花の名は。
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「そんなに急いで……おい」
いつになく早足の六花を、征一郎は必死に追いかけた。下駄を履いているはずなのにどうしても追いつけない。
「り――」
その名を呼ぼうとしたとき。
「征一郎……見つけた」
征一郎よりも早く、六花が彼の名を呼んだ。
しかし六花は征一郎のことをまったく見ておらず、目の前の花に釘付けになっているようだった。
何事かと征一郎もその花を見ると――
征一郎
別名:悪魔を憐れむ奏で手
花言葉:初心、繊細、本当の私を受け入れて下さい
「てめぇも見つけただと?……それも自分の花を?」
六花は静かに頷いた。しゃらん。柔らかい鈴の音が、征一郎のざわつく胸を撫で付ける。
「……これが」
騒ぎ出す鼓動に気が付かないふりをして、征一郎は眼前に咲く花を観察した。
不思議な色合いの薔薇だった。中心は純白といっても差し支えのないほど白いが、全体を見れば青みが強い。
花弁一枚一枚を見れば、そこには五線譜のような花脈が刻まれている。
胸のざわめきが大きくなる。
押さえ込むべく視線を逸らせば、その薔薇に慈愛に満ちた眼差しを注ぐ六花の姿があった。
「その花、とても不思議でしょう?」
静寂を割いたのは、この展覧会の案内人・ルイマリ・アンティークだ。
「ヴァイオリンの音色を聞かせて、育てた花なんですの」
「ヴァイオリンで?」
「ええ。聞かせるヴァイオリンの音色によって、咲き方の変わるちょっと気難しい花なんです。
元はそういう花ではなかったのですけれどね、ドイツ出身のさるヴァイオリニストがこの花をとても大切にしていたんです。
この花と共に暮らし、ヴァイオリンをかき鳴らして……花が枯れればその子どもと同じように過ごして……。
そのヴァイオリニストの彼はとても波乱万丈な生き方をしたのですが、そんな彼と生涯を共にするうちに花がこのように変化していったんです」
聞けば聞くほど不思議な――曰く付きと言っても差し支えのないような花だった。にわかに信じがたい。
「ふふ、信じられませんか?」
「いや、別にそういうわけじゃねぇが……」
自分自身を見透かされたような気分になって、征一郎は言葉を濁す。
「向こうにあった六花っていう花には何かねぇのか?」
「六花ですか?」
ルイマリは一瞬きょとんと幼子のような顔をしたかと思うと、
「あれは……可哀想なくらい綺麗な花ですよね。ふふ」
と怪しげな笑みを浮かべた。
「あの花も、とある花の亜種で……不思議な花なんですよ。
心を込めて育てると、次第にその者の心をその身に映し出すんですの。
ということは、私の心は無垢な白ということですわね。それでこの花の物語ですが……」
それは婚約者を待ち続けていた女性が――襲われ、純潔を奪われ、白く咲いたこの花を抱き自害したという物語。
あまりの衝撃に、征一郎も六花も閉口する。
「……と言われております。どちらにしても伝説のようなものですけれどね。
花言葉の方がそれらしいと思いますわ」
ルイマリがあっけらかんと言ったことで、ようやく空気が軟化した。
「征一郎本人より、花言葉の方が雄弁だな」
「六花の花言葉こそ偶然にもよくお前を表してると思うが?」
六花がいたずらっぽく笑ったので、征一郎も負けじと言い返す。
「俺とこの花言葉……共通点あるのか?」
けれど六花にはまったく効いていないようで、征一郎は苦笑することしかできなかった。
その後、同じ名前であることを告げるとそれぞれ記念に花を譲ってもらうことになった。
「貰ってしまったな」
「まぁ向こうがいいって言ったんだから、気にすることはねぇだろ」
そう言うと六花は曖昧な笑みを浮かべ、ぽつねんと呟いた。
「面倒かもしれないが、征一郎に育てて欲しい。……きっと、綺麗な蒼になるから」
笑みはぎこちなく、強張っている。紅の瞳も征一郎のことを見ているようで、彼の姿を映してはいなかった。
征一郎は迷った末に「お前がまた勝手にいなくならずコイツに顔見せるなら育ててやってもいい」と口にする。
「そういうものを自分に託すな……ちゃんと向き合え」
六花の肩がかすかに跳ねた。
「まあ自分が言えたことじゃねぇけども……もし行くなら何かを成す為に進め」
しばらくの間、六花は俯き黙り込む。けれどしばらくしてから「……うん」と消えてしまいそうな声ではあったが肯定した。
だから、征一郎も「ああ」と頷いて、花を受け取ったのだった。
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あとがき
担当マスター:
つるこ。
ファンレターはマスターページから!
ごきげんよう、皆さん。このたびはわたくし、ルイマリ・アンティークの酔狂にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。それから、お家を貸してくれた、あずささんもありがとう。
わたくしの選りすぐりの可愛いお花たち、楽しんでいただけたかしら?
同じ名前の花があった? それは、素敵な偶然ね。
不思議な出来事があった? うーん、それはどうしてかしら。
まぁ中には人を惑わすお花もありますもの。といってもそんなに毒気の強いものではないはずなんですけど。なにぶん、珍しい花が多いものですから、わたくしもそのすべてを知っているわけではないの。残念なことではあるけれど。
今日は何人かの方とご縁があって、お花をお譲りいたしました。季節に合わない花もあったかもしれませんが……どうか大切にしてくださいね。もし手酷く扱うようでしたら、わたくし黙ってませんからね?
それでは皆さんごきげんよう。またご縁がありましたら、そのときは是非、気軽にお声をかけてくださいませ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月22日
参加申し込みの期限
2016年12月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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