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八神 修
は再び九夜山の扉の前に立った。防寒に優れたジャケットには多くのポケットが付いている。調査に必要な細々とした物が収められていた。
隣には
椿 美咲紀
が興奮した様子で控えている。パンツルック姿で四十リットル相当のリュックサックを背負っていた。
本格的な調査に入る前に修が念を押す。
「この調査には危険が伴うかもしれない。危ないと感じたら即時撤退する」
「もちろんであります、シュー隊長! よく心得ているのでありますです!」
「わかっていればいいが、少し荷物が多過ぎないか?」
修は美咲紀の背負うリュックサックに目をやる。とんでもない、と本人は大きく顔を振った。
「必要最低限の物だけですよ。懐中電灯でしょ、カメラは必需品だし。ICレコーダーも証言の為にいるし」
「確かにそれらは必要だな」
聞いていた修も頷いた。美咲紀は指を折り曲げながら続ける。
「携帯電話が繋がらないって話だからトランシーバーでしょ。それと三日分の携帯食料に寝袋なのですよ」
「最後の二つは必要ないだろう。学校はどうするつもりだ?」
美咲紀は悪人面で笑った。修は酷薄な笑みで、日帰りだ、と断言した。
「ですよねー。わかっていますって。さあ、張り切っていきますよ!」
微かな舌打ちを無視して修は出発した。右の扉を抜けて暗がりを進み、長々と続く階段を上がっていく。
二回目なので修の足取りは軽い。その後ろで美咲紀が喘いでいた。
「俺が少し持ってもいいが」
「これくらい、どうって、ことは、ないのです。家庭菜園パワーを、見せ付けてやる、のですよ!」
「そのパワーに期待しているよ」
負けず嫌いな美咲紀を巧みに誘導して集落が見下ろせるところまでやってきた。
ゆるゆると吹く風が熱を孕んだ身体を労わる。
「気持ちいいのです~」
「少し休んだら、すぐに調査に入るからな」
「アイアイサーなのです~」
脱力した声に修は軽く笑った。
僅かな休憩を取って二人は行動に移る。下りの階段を難なく超えて集落に入った。
修は中心にある社を指差す。
「俺は社から調べる。美咲紀は現存する家の調査を頼む」
「シュー隊長、わかったのであります! 必要とあれば、突入も辞さない覚悟で臨むのですです!」
「何かあった時はトランシーバーな」
二人は手分けして調査を開始した。
修は簡素な階段を軽快に上がって社と向き合った。中の御神体が破損していることは前回の調べでわかっている。最初は周辺に注意の目を注いだ。生えている雑草を手で掻き分けた。
社の裏側で動きを止めた。鉈が出てきた。刃の部分が錆びていて所々が欠けている。
「御神体はこれで壊されたのか。地震の影響か」
修は社の正面に回った。今一度、閉じられた格子戸の中に目を向ける。小型のライトで御神体の全体を照らした。
「頭部が二つ。双頭か。剣を持つ方が不動明王で、三本の手は愛染か」
二体の明王は修の脳裏で一体に合わさる。
「厄神明王ということは、厄の元凶がここに……」
更に深い推察に没入する。知的な光を湛えた目は半眼となって時を遡る。
「何故、壊された。誰かの悪意によって、集落は厄に晒されたのか……または厄に対抗できず、絶望の末の暴挙なのか……」
深い眠りに落ちるように瞼を閉じた。幾通りもの可能性を口は紡ぎ出す。
「調査の開始なのです」
美咲紀は手近な家屋から当たった。開いた門柱からそっと中に入る。雑草の生えた庭を横目に玄関へと向かう。
引き戸に指を掛けた。力を入れると抵抗なく開いた。
「こんにちは」
自然を心掛けて言った。耳を澄ますが何も聞こえて来ない。
最初に目に付いた上り框に関心を寄せる。綺麗に見えて、少し埃が溜まっていた。指の腹で擦ると少し黒くなった。
「人は、いないみたいですね」
気になるところにカメラを向けて写した。早々に見切りを付けて次の家へと向かう。
最初の家よりも大きい。庭には落ち葉が散乱していた。人工の池の水は意外と綺麗で荒んでいるようには見えなかった。
引き戸は僅かに開いていた。
「こんにちは」
期待を込めて少し強く言った。少し待っても返事はなかった。
「私、道に迷ってしまって。誰かいませんか」
更に声を強めて粘る。
「仕方ないのです」
決意の顔で美咲紀は潜入を試みる。黒光りする床を踏み締めて各部屋を見て回った。
ほとんどが和室であった。大きな黒塗りの仏壇には位牌が置かれていた。長い戒名が名家を思わせた。
以前の生活を感じさせる品々にカメラを向ける。その過程で小さな部屋を見つけた。左右に本棚が設えてあり、文学作品や全集が収められていた。
「これは、これは、ではないのです!」
読み耽りそうになった自身を窘める。医学書の類いはそれ以上に多かった。
小さな文机には古びたノートが置かれていた。中を開くとびっしりと文字が書かれていた。専門用語が多い上に達筆で難解を極める。
「まあ、読めないことはないですけど。シュー君の役割を奪ってはかわいそうなのですです」
ぎこちない笑みで美咲紀はトランシーバーを使った。
『テステス、こちら美咲紀一等兵であります。貴重な資料を入手しましたので、これから持ち帰りたいと思いますです、オーバー』
『こちら修、隊長なのか? 至急、社まで帰還するように』
『了解でありますです』
通信を終えた。美咲紀は速やかにノートを回収した。
家を出て社に向かった。
二人は社の高台で合流した。
修は美咲紀から手渡されたノートを読み込む。
「シュー隊長、どうでありますですか」
「ここには虚(ウロ)と呼ばれる穴があるらしい。伝承では冥府に繋がっていると書かれている」
「冥府ですか」
ぴんと来ないという風に答えた。
「実録として災厄はあったみたいだ。昭和初期、流行り病と読める」
「結核とか?」
「違うみたいだ。ウロから大量に発生した蝙蝠が原因で致死性の病原菌がばら撒かれたとある。ノートの持ち主、村医の見解だが」
「え、それって今は大丈夫なんですよね?」
「風邪と同じで飛沫感染だから、どうなんだろう。全身から血を流して約五日で死に至るらしい」
美咲紀は青褪めた。急に周囲を気にして挙動がおかしくなる。
「そのウロはどこにあるのです!?」
「社の裏手の山。中腹にあるらしいが、入り口は岩で封じられているみたいだ」
修は開いていたノートを閉じた。最後の方は文字が掠れて読めなくなっていた。断片的に『献体、蝙蝠、研究者に渡す』とあった。
修の表情が少し険しくなる。自前のカメラを手にして社の裏手に立った。望遠を駆使して山の中腹にレンズを向ける。
カメラを持つ手が僅かに震えた。側にいた美咲紀が身体を寄せてくる。
「シュー君、どうしたのです?」
「……ウロがあった。注連縄は切れている。それよりも入口に、岩がない」
「ど、どうして、封じたんじゃ」
「地震の影響で、岩が転げ落ちたのかもしれない」
その事実が二人に重く伸し掛かる。
「この先、どうすればいいのかな」
「現状は何もない。住人がいないから、はっきりとはわからないが」
「蝙蝠は見ていないのです」
「その感染経路は絶たれたのだろう。ただ、ウロの奥にある冥府が何を意味しているのか。未知の病原菌が蔓延しているのか。本当に魑魅魍魎が跋扈する世界が……」
「話が大き過ぎてよくわからないのです」
素直な意見に修は口を閉ざす。ウロとノートを交互に見て踵を返した。
「今日はここまでにしよう。手にした資料を詳しく調べることで新たな発見もあるかもしれないし」
「そうです。帰るのです。善は急げなのです」
長居する気はないらしく、美咲紀は社の階段を足早に下りていった。
一度、修はウロに振り返る。恐怖と興味が綯い交ぜになった表情で帰路に就いた。
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
動物・自然
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月11日
参加申し込みの期限
2016年12月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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