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授業風景 ~1年1組の場合~
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ぽすん、と背中に何かが当たる。
課題はそうそうに諦め居眠りを続けようとしていた
吾妻 優
は、ごくごく軽いその衝撃にハッと目を覚ました。
「ねー」
背後から間延びした声が聞こえてくる。と、もう一度ぽすっと背中に衝撃。ちらりと後ろを見やると、
納 十一
が丸めた髪を投げつけているのが見えた。見えたのを確認して、吾妻は無言で再び机に伏せて寝る姿勢をとる。
「んだよ無視すんなー」
その態度に納はむっと口を尖らせると、べしー、と効果音を口にしながら吾妻の背中を定規で叩いた。
やわらかめのプラスチックの定規を、目一杯しならせて。
バシィィンと背中に走った激痛に、さすがの吾妻も飛び起きた。
五月中旬、だいぶ温かみの強くなってきた陽気にブレザーを脱いでいたのが仇となった。薄っぺらい白のシャツ越しに、しなった定規の衝撃が鋭く背中を駆け巡る。
「いっ!」
思わず口から漏れた大声に、吾妻は慌てて口を押さえる。あいつら何やってんの、とクラスメイトたちの好奇心に満ちた視線がちらちらと向けられたが、先生は遠くの生徒にアドバイスをしていたようで、幸い気づいた様子はない。
じんじん痛む背中をさすりつつ、吾妻は後ろの席を振り返った。
「おい、いてぇだろ!」
「だってー、優が無視するから」
「だってじゃねえ! ……ったく」
で、なんの用なんだよ。
吾妻がそう尋ねると、納はぱっと顔を明るくさせて言った。
「お昼おごって!」
無言で前を向こうとする吾妻に、あー待って待って、と納は慌てて呼び止める。
「じゃあ英作文手伝ってよ、もうちんぷんかんぷんでさ」
参ったというように言う納。しかし吾妻も英語が得意という訳ではない。
むしろ苦手だ。英作文は諦めて昼寝しようとしていた程度には。
「俺も英語苦手なんだよ。予習しようが復習しようが英語はマジで無理」
「優……意外とマジメくんだったんだね」
納のぽかんとしたその言葉に、うるせえよ、と若干の気恥ずかしさを紛らわすように吾妻は言った。ついうっかり余計なことを口走ってしまった…!
「でもそれなら俺よりは英語分かるでしょ。日本語にはかろうじて書き起こせたんだけど」
「日本語はさすがに難なく書き起こせよ……どれどれ」
身を乗り出して納の日本語作文を読む。
ーーGWはおじいちゃんがロリハァハァって言いながら痙攣を起こしたので病院へ運びました。
「んだよこれ!」
理解の範疇を超えた一文に、吾妻は思わずツッコミをいれる。と、予想以上の大きな声に慌てて口を抑えた。先生は相変わらず遠くの生徒に構っている。せーふせーふ。
「え、なに? わかんないの?」
吾妻の態度に、……っふ、とバカにしたように笑う納はなぜだかとっても上から目線。
「そうじゃねーよ……いや、確かにそうだよわかんねーよ。つーかそれ以前の問題だろコレ」
「なにが? あ、もしやGWは略さずゴールデンウイークって書く派?」
「んな派閥知るかよ。……あーもう、いいわ。知らん。分からん」
これならまだ自分の英作文を考えた方が有意義に過ごせる。ちょっと優ぅぅ、と背後から聞こえる声を無視すると、吾妻はやむなく筆箱からシャーペンを出してノートを開く。
……ロリハァハァって英語でなんて言うのかな、などと内心で考えつつ。
二人がやりとりしている間、島岡は一人の生徒の席の横に立っていた。
「じゃあ、ゴールデンウイークはどこかに行きましたか?」
その言葉に無言で首を横に振ったのは、
黒須 聖
である。小学生と見紛うほど小柄で幼い顔立ちをした彼女は、しかしその様相とは不釣り合いなほど静かな瞳を持っていた。その顔も無表情である。
「……分からない」
「そうですか」
白紙のまままったく進んでいない黒須気にかけて声をかけてみたのだが、その言葉に黒須は無言でノートに文字を記したのだった。I am Japanese と。恐らく日本人なので英語は分からないという、彼女なりの主張なのだろう。
島岡は英語教師である。が、その前に彼女の担任でもあった。
この課題で本当に知りたいのは、単純な英語力だけではない。生徒のことをもっともっとよく知りたいというのが島岡の内なる思いであった。学力の把握に留まらず、一人一人が持っている色を。
特に黒須は、クラスでも孤立しているような印象があったため、島岡は以前から密かに気にかけていたのだ。とはいえ、クラスメイトから意地悪をされている様子は感じられない。どちらかというと、むしろ自ら人との避けているようであった。
人付き合いを避けるようになったのは、何か原因があるのかもしれない。無理にクラス馴染めとアドバイスすることが彼女のためになるとも思えない。
それでも、せめて担任として彼女の心の支えになりたいというのが島岡の率直な気持ちだった。
そうした気持ちを胸に、島岡は黒須に優しく声を掛ける。
「でも、課題を白紙のまま提出っていうのはいけませんね。なので、これから先、黒須さんが楽しいって思えるようなことがあったら、いつでもいいから先生に教えてください」
そして一緒にそれを英語に訳してみましょう、と島岡は続けた。
その言葉が伝わっているのかいないのか、黒須はじっと白紙のノートを見つめたままだった。が、視線も表情も少しも動かさないまま、かすかに聞こえるくらいの声で返事をした。はい、と。
それはとても短く小さな声であったが、確かに首肯であった。
時刻は淡々と過ぎて行く。
あ、もう五分経った……と教室前の時計を見て
東雲 人里
は小さくため息を着いた。
英語が苦手なものにとって、英作文とはとにかく厄介な問題である。和訳したり穴埋め問題を解くのにも一苦労なのに、と東雲は困ったような表情でペンを走らせては消してを繰り返す。
ーー喫茶店でバイトをしたり動物園に行ったりしました。楽しく過ごせてよかったです。
日本語の文は完成した。前半部分も辞書を使えばどうにか英訳できそうだ。
(だけど、楽しく過ごせて、ってどうすればいいんでしょう……)
文法が思いつかない以上、辞書を使っても仕方が無い。
うう、こうなったら、と東雲は声を潜めて隣の生徒に話しかけた。
「あの。すみません、ちょっと教えてほしいところがあって……」
隣に座る
鷺守 昴
は、突然話しかけられて驚いたように少し目を丸くしている。彼の机に広げられたノートには既に英作文が記されている。どうやら英語は苦手という訳ではないようだ。
「教えてほしいところ? ……僕でよかったら」
「ありがとうございます! どうしてもここが分からなくて」
鷺守の言葉に東雲はほっと息を着くと、ノート持って鷺守に問題の箇所を示した。差し出されたノートに、鷺守も軽く身を乗り出して英作文に目を通す。
「楽しく過ごせてよかったです、ってどうすればいいんでしょう」
「そうだね……『楽しく過ごせて』っていうのを主語にして考えた方がいいかな。でもそのままだと主語が長くなるから、thatでくくって……」
鷺守は自分のノートの端にさらさらとペンを走らせる。
It was good that I could spend it happily.
「あー、なるほど、そっか」
示された解答を見て、東雲は納得したように声をあげる。
「日本語をそのまま訳そうとしたから難しくなったんですね」
ありがとうございます、と東雲は丁寧に礼を述べた。
「役に立てたならよかった。……東雲さんはバイトしてるんだね」
鷺守の言葉に、今度は東雲が少し目を丸くする。
隣同士ではあったが、どちらも積極的に人に話しかけるタイプではなかったため、二人はお互いのことをあまり知らなかった。授業の業務的な会話以外を交わすのは、もしかすると初めてかもしれない。
驚いた顔をすぐ笑顔に変えて、東雲は頷いた。
「はい。299っていうカフェでバイトしてるんです。鷺守さんは何かバイトとかしてるんですか?」
「実家が古書堂をやっているから、そこの手伝いなら」
鷺守の言葉に、へえ、と東雲は声をあげる。全然知らなかった、と。
「古書堂って古本屋さん? そっか、いつも本読んでますもんね。じゃあ今回の連休も」
「そうだね、手伝いしていたよ」
そう言って鷺守はノートを示した。そこには丁寧な字で英作文が綴られている。
ーー僕の家族は古書店を営んでいます。連休中、彼らの手伝いをしました。
「結局いつもと変わらない連休になったかな」
言葉少なではあるが、彼が実家の古書堂を大切に思っているのは充分に伝わってくる。東雲は今まで知らなかったクラスメイトの一面に、ほわりと微笑んだ。
「私、思い切って質問してみてよかったです。お互い知らないことって、いっぱいあるんですね」
でもそれを一つずつ知っていくのに、焦る必要はないだろうと東雲は思う。
今はまだ五月。みんなのことを知る機会は、きっとまだまだたくさんあるだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月20日
参加申し込みの期限
2013年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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