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授業風景 ~1年1組の場合~
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今日も授業は平和だった。
しかし生徒にとって平和は気だるさの裏返し。四コマ目というお昼前の時間も相まって、教室には眠気と空腹の入り混じっただるーい空気が漂っていた。
一度ゆるんだ空気を引き締めるのは難しい。
島岡 雪乃
はチョークを握りしめながらどうしたものかと思案する。注意するのは簡単だけれど、寝るなと言ったところで眠いものは眠いし、空腹など更にどうしようもない。
(こうなったら、奥の手を使うしかないわ)
滅多なことでは生徒を怒らない島岡の授業は、しかし一方で「意外とオニ」と噂されているらしい。
今日はちょっとオニになろうかしら。穏やかな眼差しでだるだるな生徒たちを見つめながら決意すると、島岡は握りしめたチョークで黒板に文字を書いた。日本語だ。
ゴールデンウィークの思い出、と。
お昼の前は眠たくって仕方がない。
いや、ご飯を食べたあとの授業もなかなかに眠いけど。それに朝一番だって眠いし、午後の授業も疲れて眠くなっちゃうし……。
うとうとと夢見心地だった
千鳥 雅人
は、何の前触れもなく上がった悲鳴にびくっと目を覚ました。
「わっ、なに? なになに?」
周りを見渡してみると、頭を抱えてうめく者、困った顔で辞書を開き始める者、現実を受け入れずに悲壮な声を上げ続ける者……これはただ事ではない。そこで改めて教卓の方へ視線を向けると、相変わらずほわほわとした笑顔を浮かべる島岡先生の姿。その後ろの黒板に書かれた文字を読もうと、千鳥は目を細めた。
「ゴールデンウィークの思い出……?」
訳が分からず首を傾げていると、英作文にしろってさ、と補足するような声が耳に飛び込んだ。
振り向くと、近くの席に座っている
御剣 刀
の困り切ったように肩をすくめた。
「げげっ、英作文! ど、どうしよう~」
千鳥は思わず頭を抱えた。
英作文なんて、英作文なんて! アイラブユーくらいしか分からないよ!
「あーあ、今日はダッシュで焼きそばパン買おうと思ったのに。……これじゃ厳しーなー」
どうやら御剣も英語は得意ではない様子だった。
黙っていれば精悍でどこか険のある御剣だが、ひとたび口を開けば腹ペコ少年である。お昼前のこの時間、その空腹は限界まで達しているようだった。
焼きそばパン、というその具体的な一言は、千鳥にも一気に腹ペコを感染させる。
ソースの染みた焼きそばに、紅ショウガの酸味、そしてふわっふわのパン……!
そういえば焼きそばパンといえば、購買に何やら新商品が出たという噂を前に聞いた。
「焼きそばパンって、もしかして旨塩唐揚げ焼きそばパンのこと?」
「おっ、そうそう! 千鳥も食べたことある?」
空腹と英作文でどんよりしていた御剣は、その言葉にぱっと顔を明るくさせて言った。
「ううん。僕はまだ食べたことないんだ~。ちょっと気になってたけど、ほら一個限定っぽいし」
ていうか普通の焼きそばパンも食べたことなくってねー、と千鳥は困ったように笑う。
旨塩唐揚げ焼きそばパンは一日一つ限定で売られる特別メニューである。しかも毎日は入荷されないという激レア品であり、普通の焼きそばパンですらゲットできない千鳥には夢のまた夢の話であった。
「確かになぁ。普通のヤツですら昼休み10分も経てば売り切れちゃうし……ってあああぁ~」
話していた御剣は、唐突に言葉を切ってうめき始めると、がくっと頭を抱えてうなだれた。
「……食い物の話してたら腹減った」
「……だねー」
二人は我に返って、真っ白なままのノートを見る。
「じゃあこれ終わったら、今日一緒に昼食べようか。他にも何人か誘ってさ」
それでもお昼休みが頭から抜け切れない様子の御剣。その誘いに千鳥は笑みを浮かべた。
「わあ、いいね! じゃあ一緒に食べよう。……っと、その前に」
教室はだんだんと静寂を取り戻しつつある。みんなはもう辞書片手に作文を始めていた。
「じゃあ、がんばって終わらせような」
「だね」
声を潜めて頷きあうと、千鳥はそこでようやくペンを握って課題に向き合った。
だるだるだった空気はぴんと引き締まり、数分もすると教室は緊張感のある静けさに包まれた。
その真剣な雰囲気に、ふふっと島岡は少しだけ満足そうな笑みを浮かべる。
(みんなやればできる子なんだって、先生知ってるんだからね)
島岡は教壇を降りると、整列した机の間を縫うようにゆっくりと歩き出した。まだごそごそ内職をしていた者は慌てて机の中にしまい、うとうとしていた者はハッと意識を現実に引き戻す。
横を通り過ぎると、未完成の英文を先生にチェックされるのが恥ずかしいのか、ほとんどの生徒はさっと隠してしまう。そんな中、一人堂々と英作文を書き続ける者がいた。
(ったく、どいつもこいつもだらしねえな)
迷いない調子で作文を進めるのは、
御風 不二夫
であった。
どうやらしっかり集中しているようで、島岡の気配に気付いている様子はない。
(御風くん……。とってもお行儀良くて真面目な子なんだけど、何か無理をしている感じがするのよね)
普段品行方正に過ごす彼であるが、しかしそんな姿に島岡は内心でかすかに違和感を覚えていた。その感覚は彼の英作文を前にして、ひょこっと好奇心に変身する。それも、教師としてではなく一個人としての。
彼はどんな休日を過ごしたのかな? と島岡は彼の書く英文をそっと覗きこんだ。
――連休はバイトの休みがもらえたので、出来心で地元に帰りました。
――ただ、家には戻りませんでした。一人前になるまで戻るつもりはないからです。
――なので友人と遊んでいたのですが、地元の不良に絡まれて、ついうっかり
ついうっかり?
「って発表できるかこんなもん!」
気になるところで唐突に筆を止めた御風は、ばしーんとシャーペンを机に叩きつけると頭を抱えた。きちんと整えた髪がぐしゃりと歪む
ついうっかりとっちめて返り討ちにしてやったなどと、勤勉な姿勢を貫き通して来た(つもり)の御風にとって、とても皆の前で発表できることではなかった。
せっかく高校デビューに向けて猛勉強を重ね、真面目な態度を崩さず、メガネもかけて、不純異性交遊もせず、黙々と励んできたこの努力をこんなにあっさりと水の泡にしてしまう訳にはいかないのだ。
かといって他に何かしたかといえば何もない。
どうすべきか。
しばし逡巡したのち、御風は渋い顔で叩きつけたシャーペンを手に取った。
(こうなったら仕方ない。適当にでっちあげるか)
今まで書いていた英文をぐしゃぐしゃと消しゴムで消すと、先ほどとはまったく違う思い出というか作り話を綴り始めるのだった。
書いている英文を全て消してしまった御風とは裏腹に、
桃原 空音
の筆は軽やかに進んでいる。
(うへへ、今日は真面目に授業受けるのだー!)
英語は得意な方なので、ここは先生からの評価を高く得るチャンスでもあった。明確な目的意識を持っているせいか、子どもっぽい雰囲気とは裏腹に、彼女の授業に対する姿勢はいつも真面目なのである。
ただ、その「目的意識」はずいぶんと常軌を逸したものであるのだが……。
――ゴールデンウィークは自作の漫画を書きました。
――私が今書いた漫画は、小さな男の子と幼稚園の先生のお話です。
――男の子にネコミミは生えるお話です。
――男の子が可愛くなるように頑張りました。
ここまで書いたところで、にへら、と桃原は思い出し笑いを浮かべた。
(かーわいかったなぁ、あれ。我ながらよく描けたと思うもん。うんうん)
――男の子が可愛くなるように頑張りました。
ぼへーっとしていたら同じことを二回も書いてしまった。しかし問題ない。
because it was important, i said it twice!
その男の子は、元気がなくなると耳がへちょっと垂れてしまうのだ。最高に可愛いのだ。
――読者が萌えを感じる本になるように頑張りました。
そしてその可愛いネコミミ少年を、幼稚園の先生が……
ふへへっ、とついに口から飛び出した笑い声を慌てて手で押さえながら、もう片方の手は筆を動かすのをやめない。
――これからも絵の練習をいっぱいして、魅力的なマンガがかけるようにがんばります!
(ふう、なんとかきれいにまとまったかな?)
出来あがった作文に目を通して確認するが、不自然な箇所は特にない。
あえて指摘するのならテーマそのものがきわめて異色である。
が、もちろん桃原はそんなことは意にも介さない。彼女にとってはこれが日常であり常識であり、何より大正義であるのだ。
一息ついて筆を置いたところで、ちょうど島岡先生が桃原の側を横切ろうとしていた。
その隙を見逃さず、はいはーい! と桃原は元気に手をあげた。
「あら? どうしたのかしら桃原さん」
おっとりと歩みを止める島岡に、桃原は満面の笑みでノートを差し出した。
「できました! へへ、あたしが一番乗りかな? チェックお願いします!」
まじかよ、と周囲からかすかに起こるどよめきが最高に気持ちいい。その羨望と懐疑の混じった視線を見る限りでは、みんな苦戦しているようだ。
「本当に? すごいわねぇ、桃原さん。一番最初じゃないかしら」
島岡は嬉しそうにほにゃりと笑うと、差し出されたノートを受け取った。
「…………」
島岡はほわほわ笑ったままだ。
「…………あらまあまあ」
受け取ったままの笑顔で、島岡は桃原にノートを返す。
上手に書けたのかな。ノートを受け取った桃原は、内心ドキドキしながら先生を見上げた。
そんな桃原を見やると、島岡は口を開いた。
「素晴らしいわ、桃原さん! 間違ってる箇所は特にありません。それに、とても有意義な休日を過ごしたみたいですね」
「わー、ホントですか? よかったあ」
ほっと胸を撫で下ろす桃原。
(この調子でいっぱい頭良くなって、総理大臣になって、ぜったいぜったいオタク文化を文化遺産に登録するんだから!!)
彼女の野望は果てしない。高校生らしい熱情とオタクらしい向上心は、時としてとんでもないパワーを孕んでいるのだ。若さあふれるエネルギー! たとえ変態と言われようとも! 前進あるのみ!
さて。課題も終わったことだし次のイベントに向けてネタを構想しなくっちゃ。桃原は返してもらったノートの片隅に、早速がりがりお絵描きを始めるのであった。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月20日
参加申し込みの期限
2013年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月27日 11時00分
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