this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
夜とお菓子と、あとひとつ。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
16
つぎへ >>
宮祀 智瑜
は悩んでいた。
見下ろす視界には、机の戸棚の中にひっそりと鎮座まします板チョコレート。
(食べようか)
魔がさしたように伸ばしかけた手をもう片手で掴んで止める。
(どうしよう)
黒い瞳に黒い睫毛の影が落ちる。優しい眉間に難し気な縦皺が寄る。
探し物をしていて戸棚の中身を広げた机の上の時計が示す時間は午後十時。こんな時間帯にチョコレートなんて食べてしまえば、間違いなく脂肪になってしまう。それは智瑜にとって大問題。
だからこそ智瑜は悩んでいる。それはもう、心の底から真剣に。
(食べたい)
二月はバレンタインがあった。大好きな人に渡すため、美味しいと言ってもらいたいがため、手作りチョコをたくさん試作して味見した。参考にしようと色んなお店のチョコを色々買ってきて口にした。どれもこれも美味しかった。食べ過ぎた。
その自覚はある。だからバレンタインデーの次の日からお菓子抜きダイエットを決行していた。亡くなった父母の代わりに育ててくれている祖父母には内緒で、こっそりと。だってご飯を控えてしまえば、おじいちゃんもおばあちゃんも心配する。それに、青果店を営む宮祀家のご飯はいつも野菜中心、お腹いっぱい食べてもきっと太らない。
でも、秘密にしていたのがいけなかった。孫がお菓子抜きダイエットをしているとは夢にも思わない祖母が、
――好きでしょう、智瑜ちゃん
にこにこ顔でチョコレートを買ってきて手渡してくれた。最近よく食べていたからと。いつもお店の手伝いをしてくれてありがとうと。
その場ではありがとうと受け取って、もう少しダイエットを頑張ってから食べようとすぐに食べるのは我慢して机の中にしまい込んでいた、チョコレート。
そのチョコレートが今、智瑜の目の前にある。
探し物をしていて目についてしまったのがいけなかった。
(ものすごーく、食べたい!)
もうどうしようもなく、食べたい。
見てはいけないけれど見たいものを見てしまったときのように、チョコレートを見つめたまま動けない。ごくり、知らずに喉が鳴って、智瑜はひとり頬を赤らめる。
(どうして)
どうしてこんなに食べたいのだろうと考えて、気が付いた。こんなに食べたくなるのはきっと、
(神魂の影響……!)
大真面目に思い至った。そうに違いないと唇をきゅっと結ぶ。それは困る。早い時間ならまだしも、今はもう遅い時間。歯磨きもしてしまった。それになにより、
(横に大きくなっちゃうのは困る……)
縦に大きくなるならいくらでも食べるのに。智瑜は切ない息を吐く。今現在の身長は百五十二センチ。背が低いせいか、未だに高校生には見られない。
(あと五センチ)
むむ、と顎を引いて考え込んで、
「って、」
智瑜は自分で自分に突っ込む。今考えるべきはそういうことではない。
視界の中には板チョコレート。おばあちゃんが時々買ってくれる、どこか懐かしさを感じさせるパッケージの昔ながらの板チョコ。
最近は原材料の産地が限定されたものやドライフルーツを練り込んだもの、色々なチョコレートが発売されているけれど、祖母の買ってくれるチョコレートは大抵このミルクチョコレート。一口齧れば口の熱で溶けて広がる甘さと香りは、どこまでもオーソドックスで、だからこそ美味しい定番の味。
「うーん……」
口の中にチョコレートの味を思い出して、思わず智瑜は唸る。
(ちょっとだけなら……)
憑かれたように手を伸ばし、チョコを手に取る。
(ダメダメ)
持ち上げたところで我に返り、首を横に振る。机の中に元通りに仕舞いこもうとして、
(でも我慢のし過ぎは余計にダメな気がするし……)
出来なかった。
(いや、ダイエット始めてまだ数日しか経ってないから)
イヤイヤをするように首を横に振っても、視界から遠ざけるようにチョコを持つ手を伸ばしてみても、掴んだチョコは指先に吸い付いたように離れない。
(ダメ、)
一口食べてしまえば抑制が効かなくなる気がする。この数日の我慢も水の泡になってしまう気がする。
(ダメダメっ)
チョコレートを持った手を上げたり下げたり、食欲との葛藤を幾度か繰り返して後、
(やっぱり食べたいから一口だけ!)
智瑜は食欲に敗北した。
決めてしまえば、もう迷わない。チョコを包む包装紙を剥がし、銀紙を一口分だけ破る。封じられていたチョコレートの甘い香りがふわり、鼻先をくすぐった。たまらずぱくり、一欠け齧る。ぱきん、と齧り取って口に含んだ途端、机の中で眠っていたチョコレートの冷たさが一番に舌に触れた。触れた先からふわりと温まり、舌が痺れるほどの甘さと香を口いっぱいに広げて溶ける。
溶けても口の中に残るチョコレートの味と香りに、智瑜は嬉しい吐息を零す。
(幸せ……)
苦しい葛藤の末に食べたこのチョコレートが、今まで食べて来たチョコの中で一番美味しかった、かもしれない。
(お祖母ちゃん、ありがとう)
唇が触れてしまった部分を今度は指で折り取り、これが最後と口に含みながら、智瑜はチョコレートを買ってくれた祖母に心の中で手を合わせる。
残ったチョコを銀紙で丁寧に包む。うっかり目にしてまた食べたくなってしまわないよう、今度は空き箱の中にきちんと納めて蓋をしよう。
厳重に封印したチョコレートを机の中に仕舞いこみ、これでよし、と智瑜は頷く。
(そうだ)
食べてしまったからには、
(また歯を磨かなくっちゃ)
<< もどる
1
2
3
4
5
…
16
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
夜とお菓子と、あとひとつ。
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月08日
参加申し込みの期限
2016年12月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!