コロシアム再戦！　オーガがコピーろっこんを使用！？｜リアクション

コロシアム再戦！　オーガがコピーろっこんを使用！？

●●●舞踏の駒に●●●

「派手にやる。けど、そういうのは嫌いじゃない」
「ホントあいつはすげぇやつだよ」

　1体のオーガを倒した零は呟き、零を守りつつ戦っていたザ・ストレイトは肯定を示す。
　蛇那伊や円のことは心配だが、目の前の脅威にも対応しなければならない。
　そう思って後頭部の模様を零が切り、連携を崩したところに2人でオーガに当たっていた。

「少年…いや、少女か？　ともかく、俺は尾鎌を助けにいく」
「そう？　なら案内する。こっち」
「尾鎌の場所を覚えてるのか？　助かる！」

　土煙が立ち込める一角に走っていくザ・ストレイトと零。
　それが見えたのか、また別の事があったのか、修からの攻撃は止んでいた。
　2人ともそこまで無傷というわけでもない状態で零が先行し、ザ・ストレイトは後に続く。

　零は少し離れた場所から戦況を見て、舞うことで攻撃を行うため、広範囲に目をやることができた。
　その零が覚えていたのは倒れる瞬間の蛇那伊の場所。
　零は顔色を変えず速度も落とさずに進んでいき、ザ・ストレイトもその後に続く。

「尾鎌！　大丈夫か！」
「息はある。状況は良くない」

　零の言葉に安堵するザ・ストレイトだが、蛇那伊の意識はない。
　土煙が収まっては来たものの、そのままの場所においておく訳にはいかない。
　疲弊している体に鞭をうち、蛇那伊を運ぶザ・ストレイトはそれでも希望を捨てない。

「大丈夫だ、向こうにいけば椿がいる」

　美咲紀の視界に入れば【舞花の祈り】で傷は癒え、後は安静にすれば問題はない。
　目下の課題は安静にできる場所とタイミングを作ること。
　だがそれは、この場所では難しいものであるとザ・ストレイトは理解できていた。

「っ！　右に1体！」
「承知」

　ザ・ストレイトは鋭く言葉を放ち、零は反応して【朱雀之舞・翼刃】を使用する。
　くるりと優美に一回転、加えて軽くジャンプをして、地に足をつくと足を曲げてかしずくよう座る。
　その手刀に乗せられた刃で先制攻撃はできた。

「ここはまかせて」

　言葉ひとつでザ・ストレイトから離れ、オーガへと向かっていく。
　視認できたとき、オーガの体はすでにボロボロであり、何故立てているか分からないほど。
　縫われた目を見て倒れぬ理由を悟るが、だからといって手を抜くほど零は甘くない。

　オーガが先ほどまでと同じ速度で拳を放つ。
　零は後ろに下がることで回避をし、流れるような動作で【朱雀之舞・翼刃】を使う。

「とどめ」

　これならば刃が入ると判断した零は両手の平を合わせ、振り下ろす。
　進化能力によって発動条件が緩和されたからなのか、余程フツウではないのか、一層強い威力となる。
　オーガは死期を悟ったのか、それ以上進まずに雄叫びをあげ、傷のあった頭から胴まで切断されて倒れた。

　零が土煙から脱出するまでもなく、土煙が薄れて活動に支障がなくなった。
　しかし、それは同時に目の前には良くない状況が広がっていることを認識させられる。

「ほら、見てください！　いい感じに地球人を惨殺…って、できてないじゃないですか！」

　失笑を買う実況の元気な声はコロシアムに響き渡った。