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カンゴクブレイク ~罪人がれ野火がごとく~
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■階段の車輪
芸術家である
久須部 紀伸
が特級犯罪者とされる理由は、なにも人間の死体を芸術作品に使ったことばかりではない。
本当に警戒すべき理由は……。
「おや、私なんかを狙ってくるとは特殊な趣味をお持ちのようで」
穏やかに笑う紀伸。
相手は割れたガラスをナイフ変わりにした囚人だ。
快楽殺人で投獄されたと噂に聞いたが、どうやら紀伸のような年頃の男性を狙って殺してきたらしい。
「お気持ち、お察ししますよ。さぞ欲求不満が続いたことでしょう」
紀伸は両手を広げ、迎え入れるような姿勢をとった。
「どうぞ。お相手いたします」
相手が笑いながら突撃してくる。
紀伸は相手の手を狙って鋭く蹴り上げた。
なにぶんガラス片である。しっかりと握っていないせいで手から抜けて飛んでいく。
慌てた所で、紀伸は顔面を殴りつけてやった。
様々な感情がない交ぜになった相手が、紀伸に掴みかかってくる。
力では勝てそうに無い。
後ろの壁に叩き付けられるが、相手の親指を掴んで首だけは絞められないようにした。
膝蹴りが幾度も叩き込まれる。
だが致命傷にはならない。
このまま相手の両親指だけ握り続けていればいいのだ。
そうすれば……。
「何をやっている!」
警棒を持った警備員が割り込んできた。
彼は二人を殴りつけるふりをして、紀伸だけをやんわりと逃した。
「どうも……」
事前に警備員の弱みを握っていた紀伸にとって、彼は味方のカードだったのだ。
罠にかかったことを知った相手がわめくが、紀伸が知ったことではない。
いつも通りに微笑んで、壁の外へと歩き始めた。
「そういえば、他の皆さんは逃げ切ったのでしょうかね」
「いやあ、天が俺たちに脱獄しろと言っとるようなもんや。せやろ修」
「相変わらずだな、お前は」
須藤 清一郎
と
八神 修
。二人は慣れた様子で監獄内を進んでいた。
二人のやりとりはどこか長いなじみを感じさせるもので、とても監獄の中だけで知り合った間柄とは思えない。
「俺は目的を果たす。お前は?」
「んー、美人看守と一発……あー、その前に脱出やな。ボート使って逃げることにするわ。ほいコレ」
清一郎がどこからともなく手榴弾を取り出し、修に投げ渡す。
それをキャッチして、修は左右非対称に笑った。
「まさかお前の『在庫』がお前自身の中にあるなんて誰も思わないだろうな」
「正確には異空間やけども……っとお」
看守が近づく気配を感じ、清一郎は修に別の道を行くように合図した。
「俺はデートの約束や。そっちはそっちで、うまくやんな」
ややあって、女看守が拳銃を持って現われた。
肩をすくめて笑う、清一郎。
修が監獄へやってきた目的はただ一つ。辱めを受けた幼なじみによる復讐である。
その相手が監獄の所長であることを突き止めた彼は、重度の犯罪に手を染めてこの監獄へと入ったのだった。
彼に目をつけてきた看守をガラスのナイフで殺害し、服を奪って騒ぎの中へと紛れ込む。
看守室は本来なら服程度で入れる場所ではないが、この混乱の中で鍵を手に入れるのはそう難しいことではない。
鍵を開け、通路を進む。
帽子を目深に被って人相を隠しつつ、目指すは所長の部屋である。
「失礼します」
ノックをしてドアを開ける。
所長はいらだった様子で電話機を耳に当てていた。
待ったの手を翳しつつ何事か喋り、そして受話器を置いた。
「状況は」
「既に何名か島の外に出ています。ところで、まことに申し上げにくいのですが……」
耳打ちをするような仕草で机に近づく。
わざと小声で語る彼の言葉を聞くべく身を乗り出した所長。そのネクタイをぐっと引っ張り、修は顔をさらした。
「ユキの恨みを、知れ」
首にナイフを押し当て、めり込ませる。
清一郎が女看守を制圧するのはそう難しいことでない。
なんと言っても彼は歩く武器庫にして歩く麻薬庫である。
軽々と難関を突破した彼は、三台あるうちのボートを一台ほど見繕って乗り込むことにしたのだが……。
「おや、ご無事でしたか。いかがでしょう、相席など?」
紀伸が一足遅れてやってきた。
「なんや、あんたも出てきたんか」
「あの状況ですから。他の方は?」
「さあ……」
などと言いつつ、清一郎は修のことを考えていた。
うまくやっているだろうか。
彼のことだ。ぬかりはないだろうが……。
所長室の机から目的の物を見つけ、ポケットに入れる。
かたんと音がして、修は拳銃を構えた。
同じく拳銃を構える
霧島 有祈
。
双方看守の服を着てはいるが、有祈のほうは相手に見覚えがった。
「その顔は、八神修か。なぜ所長を殺した?」
「お前には関係ない。それとも俺を懲罰房にでも送るか? 偽看守」
「……やめておこう」
銃をしまう有祈。
その足下で、一匹のネコがにゃーんと鳴いた。
「屋上のヘリを使って脱出する。私とこのネコの二人で……のつもりだったが、あなたも乗るか? 所長の不正をあばく証拠でも持っていれば尚良いが」
「……それなら、とっておきがある。行こう」
修もまた銃をしまい、部屋を出た。
ネコについて語らねばならない。
正確にはネコに変身していた
響 タルト
についてである。
そのために、時間をやや遡ろう。
「看守さん、安心してね? 脱獄したらちゃーんと美少年を売……紹介するからね♪」
ウィンクをして語るタルト。時は暴動が起きるずっと前のことである。
看守から房の合鍵を受け取っていたタルトは、それを最も有効に使えるチャンスをずっと待っていたのだ。
看守たちは彼女が水を被ればネコに変身できることを知らないとは思うが、万一知っていた場合大変なことになる。
奇策にしか頼れない状況はそれ自体が負けているようなもの、とは古代ローマの時代から続く戦の鉄則である。
さておき。
暴動と共に不思議と扉が開いた瞬間が、タルトにとって絶好のチャンスだったのだ。
騒ぎに乗じる形ならば、ネコの一匹が外へ逃れることは難しくない。
特に妨害しづらいヘリを使えれば最高だ。
かくしてタルトは混乱に乗じて動き、看守室へと侵入。
ヘリの位置を確認すると、同じ目的を持つ
霧島 有祈
と共にヘリポートへと向かうのだった。
「やっぱり楽勝だったね」
人間の姿に戻ったタルトは、ヘリのシートにぽすんと座ってベルトをつけた。
「他に乗る人は?」
「須藤という人物が乗る予定だが」
「その予定はキャンセルしてもらおう」
運転席に座った修。彼のこめかみに銃をつきつける形で、有祈が言った。
「便が出る時間だ。操縦桿を握れ」
「……断わったら?」
「私が操縦する。あなたは死体になって下りる」
「フン」
修は仕方が無いといった様子で、ヘリを離陸させた。
だが、その途中。
ドンという音と共にヘリが激しく傾いた。
警報が鳴り響く。煙を噴いて落下していく。
「……やられた」
有祈は、皮肉げに呟いた。
屋敷野 梢
は用意周到な女である。
警察が点数稼ぎに自分を捕まえたこと。ナンバーツーの男が自分を裏切って警察とグルになっていたこと。
その全てを理解した上で、彼女はあえて投獄という道を選んだ。中でも決して出ることのできないと言われるネコジマ監獄である。
ここまで来れば組織の人間も鉄砲玉を送り込むような無駄はしない。安全圏に逃げ込んで一生を終えるのだろうと誰もが思っていたが……。
梢にはまだ伏せ札があった。
かつて警察に所属し、梢から定期的に目こぼし料を貰っていた人間がこの監獄に勤めていたのだ。
長く治安の悪い地域の警官を務めただけあって、それなりの地位である。
梢は買収の証拠をちらつかせて彼を脅し、警備の穴を作らせていた。
暴動が起きることも、監房の扉が開くことも、殺人が起きることも所長が殺されることもスルーして、梢は完全にノーマークとなった通気口を通って建物の外へと脱出していた。
ヘリが看守棟に突っ込んで大爆発を起こしたのは、そんな脱出を終えた直後のことであった。
煙を噴いたヘリが看守棟へと突っ込んでいく。
持っていた手榴弾の影響だろうか。激しい爆発が起き、建物が傾いて落ちていった。
不幸中の幸いと言うべきか、清一郎は彼と別れてボートの準備をしていたために助かったが……ヘリに乗っていたであろう修たちは無事では無いだろう。
修の名を叫んで身を乗り出し、紀伸に引き留められる清一郎。
そんな彼らとは別に、物陰から動く者があった。
「コンプリート」
狙撃銃を手に、
ナタリア・シシロヴァ
はゆっくりと立ち上がる。
彼女がこの監獄に入った理由を、上下左右は知らないと言い、霧島有祈も分からないそぶりを見せたが、この言葉には嘘があった。
霧島グループによって発生していた暗殺依頼。これを受けたナタリアは芸術的な手際で仕事を達成し、あとは報酬を受け取るのみとなっていたが……。
「あなたがたは報酬を払わず、霧島有祈の投獄という事実をもって反故にしました。契約の反故は死を意味する。これはルールですよ」
黒煙をのぼらせる塔から視線をきり、ナタリアは脱出用のボートへと歩き始めた。
「そこまでだ、
ナタリア・シシロヴァ
。ついに正体を現わしたな、貴様は――」
至近距離で小銃を突きつけて言う看守の男。
凄腕の殺し屋であるナタリアがみすみす投獄されたことに不信感を抱き、常に監視していた男である。
が、しかし。
「その武器を五十センチ内のエリアで使うなと教わりませんでしたか?」
「な――!?」
言うが早いか、ナタリアはライフルのストックを棍棒代わりにして看守の頭を殴りつけた。
気を失って倒れる看守を適当に拘束してから、ゆっくりと振り返る。
「そこにいるんでしょう。脱出後に『相手』をしてあげてもいいですが、今は脱出を手伝ってください。また襲いかかってきたら、分かりますね?」
ニヤニヤと笑いながら男が出てくる。こちらはまた別の囚人だ。
ナタリアの美しい容姿に目をつけたようだが、だからこそ利用価値はあった。
だが後先を考えないのが犯罪者。
充分に注意して、いざとなれば海にたたき落とせばいい。
『貴方の罪はここで全て赦された、神の膝元に貴方の魂が導かれるように、どうか、安らかに』
祈りの姿勢をとる相手を、
アダム・スメルディン
は優しく焼いていった。
ガソリンをかけ、全身を誰とも分からなくなるまで燃やしてから自らの囚人番号タグと相手のものを入れ替える。
特殊な囚人たちが暴れたせいで想定より随分と異なったが、大きな所で狂いはない。
「どーも、ごくろーさまです」
後ろから声がして、アダムは声の方向に手のひらを翳した。
両手を挙げてにっこりと笑う
屋敷野 梢
が、そこには立っていた。
「ボートがひとつキープしてあるんですよ。ご一緒にどうですか」
親切なお誘い、とは思えない。
アダムは暫く考えてから、小さく頷いた。
「あなたみたいな有名人とご一緒できて嬉しいです」
『お前の言えた台詞か』
アダムはアラビア語で呟くと、梢をつれて歩き出した。
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ホラー
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15人
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13人
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シナリオガイド公開日
2016年11月27日
参加申し込みの期限
2016年12月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月04日 11時00分
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