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カンゴクブレイク ~罪人がれ野火がごとく~
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■野火がごとく
混乱は瞬く間に広がっていった。
強奪対策に警棒やスタンガンしか装備していない看守たちにとって、存在そのものが爆弾のような特級犯罪者たちは恐怖の対象である。
そんな彼らが一斉に解き放たれたとなれば、まともに対応する方がどうかしている。
「すぐにシャッターを閉じろ! 催涙ガスを放り込め!」
「取り残された看守はどうします!?」
「救出は諦めろ。ピラニアの群れに落ちたようなものだ!」
「わ、わかりました……!」
格子のシャッターが下ろされ、囚人たちがわめきながらシャッターを叩く。
トイレットペーパーや小物類が飛び交い、あらゆる囚人が好き勝手に暴れ始めている。
もはや野に火は放たれた。
燃えやむまで、とまりはせぬ。
朝鳥 さゆる
には三つの退屈ごとがある。
生きていること。
まだ死なないこと。
そして殺しに来ないこと。
両手両足で数え切れないほどの人間を殺して見せたとて、すぐには殺してくれないという。
この世の死刑制度は死を待つことで反省するためのものだと聞くが、こんなことならその場で銃殺でもして欲しかったとすら、思う。
退屈で退屈で、それこそ死んでしまいそうだ。
隣の房から壁を叩いては猥雑な罵倒を飛ばしてくる囚人は、今どうしているだろうか。言葉にするばかりでろくに実行もできないあの囚人は。
爆発の音がする。
どこかで誰かが壁を壊したらしい。
ほかの囚人たちが音を聞きつけて、波のように走って行く。
狂乱した警備員が小銃を乱射するさまが目に浮かぶ。
けたたましい足音と銃声と、なにともつかぬ叫び声。
一足遅れる形で立ち寄ってみれば、喉をかき切られた警備員が倒れている。
ひゅーひゅーと喉を鳴らしてこちらに手を伸ばすが、さゆるはその胸を強く踏みつけることで応えた。
そばに落ちていた小銃を拾い上げる。
瀕死の警備員がこちらを見ている。
口をぱくぱくさせている。
自分だけを見て、自分だけのことを考えている。
なるほど。
だから私は、あんなに殺したのかもしれない。
さゆるは警備員の腹へ小銃を乱射した。
「そこで何をやっている」
後ろから声をかけられた。
警備員の服を着て、騒ぎに乗じて脱出しようとしていた
霧島 有祈
である。
さゆるは冷たく笑って、振り返った。
添木 牡丹
にとって不幸なことが三つある。
愛されないこと。
愛せないこと。
そして愛が分からないこと。
牡丹に愛は分からない。分からないなりに理解しようと努めた結果、彼女の中で一つの符号が合致していた。
愛するとき、人は凶暴になる。父がそうだった。母に、自分に、みなにそうだった。
暴力の伝達こそが、愛の伝達の反射行為なのだと、彼女は強く思っていた。
だから、双子の妹も、念入りに愛したのだ。
それだけで終わればよかったものを。
彼女は不幸なことに、心清らかな博愛主義者だった。
「うふふ……アハハハハ! 愛、愛……」
全身からだくだくと血を流しながら、牡丹はふらつくように廊下を進む。
途中、
上下 左右
を見つけた。
振り返る左右。
「あら大悪党さん。傷だらけじゃありませんの。医務室はあちらですわよ?」
「医務室? そんなの、いらないわ」
「いらない?」
ニュアンスの違いに首を傾げる彼女に、牡丹はゆっくりと歩み寄った。
「愛が欲しいの」
しゅるり、と包帯が解かれていく。
いっそなまめかしく、扇情的なほどに解かれた包帯の一部が左右の手に巻き付いていく。
「あなたには愛が足りないわ。だから愛し合いましょう」
途端、左右の腕の肉が激しく引き裂かれた。
「い゛……っ!」
左右の口から、自分でも信じられないような声が出た。
それが嬉しくてたまらないという顔を近づけてくる。
「愛し合いましょう? 愛されて、死ねばいいわ!」
「こ、こんな。私としたことが……」
左右は持っていた杖を取り落とさないように強く握り、振り上げた。
せめて最後に。
自分らしい悪あがきを。
左右は杖を地面に叩き付けた。
周囲のパイプの蓋が開き、高熱の霧が二人を包み込んだ。
新田 亮
がこの監獄に入ったことには理由がある。
彼の所属する極道組織の若頭が対抗組織の罠によって逮捕・投獄され、それを助けるべく送り込まれたのである。
できれば脱獄。そうでなくても身を挺して守れとの命令である。
若頭を亡き者にしようと他からの鉄砲玉が送り込まれることも多いこの世界。亮は必要な盾であった。
「若頭、下がっててくんなせえ」
亮は垂れた鼻血を手首でぬぐうと、ボクシングスタイルのフットワークを取り始めた。
彼を囲む囚人たち。どれも他の組から送り込まれた鉄砲玉だ。
「囚人同士の喧嘩にみせかけて獄中で殺害するのが目的だろうが……そうはさせねえ!」
殴りかかってくる相手の拳をギリギリでかわしてボディブロー。相手を盾にして他の敵から身を隠すと、蹴り飛ばして押しつける。
亮は相手が崩れた所にラッシュをかけて他の連中をまとめて殴り倒した。
「混乱に乗じればあっしを抜けると思ったようだが、考えが甘ぇや」
振り返ると、若頭がおびえた様子で立っている。
「大丈夫、あっしが命に代えても助け出しますぜ。幸い今は脱獄のチャンスでさぁ」
彼らの横を駆け抜けていく脱獄囚たち。
壁の向こうまで走りきれば助かるのだ。そう信じて走る彼らに続いて、亮は若頭の手を引いて走り出す。
「さ、壁の向こうまで……!」
そんな彼らの目の前で、男たちが銃殺された。
小銃の連射を受け、ばたばたと倒れていく。
血の池と化した地面から臆病にも飛び退いたのは、正しい判断だったろう。
「…………」
銃をぶら下げたさゆるが待ち構えていたのだ。
「こ、こいつ……!」
脱獄許すまじという顔ではない。
ただ殺したくて殺している。
そういう顔だ。
「若頭、先にいってくだせえ。これでも色んな修羅場を潜ってきてるんですから」
自分の後ろを駆け抜けていく若頭。亮は歯を食いしばると、さゆるめがけて突撃した。
銃弾が身体にめり込む。
全身に力を込める。
盾になるとは、そういうことだ。
頭から血を流したさゆるが、片足を引きずるようにして去って行く。
亮は、壁によりかかっていた。
「あっしはここまでのようです……若頭、組を頼みましたよ」
太陽に手を伸ばし、目を細め、そして。
彼の手がすとんと地面に落ちた。
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青空綿飴
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月27日
参加申し込みの期限
2016年12月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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