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寝子島図書館のエントランスを出た途端、頬に触れる空気の冷たさに、
多岐川 玲栖
はコートの肩を竦めた。街灯の光に白く煙る息を手袋の掌に吐きかけ、その掌を頬に当てる。二月も下旬とは言え、まだまだ寒い。
腕時計で時間を確かめる。友人である
渥美 ニナ
との約束は『午後七時半に図書館前で』。
お互いに仕事がある友人との平日の夜の待ち合わせは心が弾む。
――困った時はお互いさま、です
初めて出会ったときにニナが見せた明るく飄々とした笑顔が瞼に浮かんで、玲栖は色素がほとんどないせいで白銀色した睫毛に覆われた真紅の瞳を淡く細めた。
あれは、図書館アルバイトが入っていない日に店番をしている翻訳アトリエ『七色工房』の鍵の調子が可笑しかった時。慌ててネットで見つけたシーサイドタウンの鍵屋に連絡を取ったところ、鍵屋の娘であるニナがすぐさま軽自動車で駆けつけ、あっと言う間に鍵の調子を整えてくれた。
溌剌とした鍵師との会話が楽しくて、鍵が直った後もしばらく話し込んだ。ニナとの友達関係は、その日から続いている。
待ち合わせ場所の目印にしたエントランス脇の街灯へと視線を巡らせる。そこに立つ赤い髪の女性を見つけ、玲栖は微笑んだ。
「ニナちゃん」
友人の名を呼び、コートの裾を翻して足早にニナのもとへ近づく。
「ごめんね、女の子を待たせちゃった」
「いえいえ! 今来たところです」
心底申し訳なさそうに頭を下げる玲栖に、ニナは明るく首を横に振った。脇に置いていた自転車のハンドルを押し、玲栖の隣に並ぶ。
「いやー、多岐川さんのおかげで誰にも誕生日を祝われない、なんて事態を避けられそうですよ」
誕生月が同じ二月であると知ったのはつい最近のこと。知ってすぐ、玲栖が誕生日を一緒にお祝いしようと言ってくれた。
仕事が縁で知り合った玲栖は口調も物腰もとても優しく、その話しやすさにつられて、ニナは言いづらいこともついうっかり口にしてしまう。
「ん、アタシもアタシも。ニナちゃんが居てくれて良かったわ」
楽し気に微笑んでくれる玲栖の優しさが嬉しかった。もっとたくさん喋りたかった。
「美味しい中華料理屋、予約しておきましたから!」
「手を煩わせてごめんなさいね。でも、ありがとう」
とっても楽しみ、と華やいだ笑顔を見せる玲栖に、
「チャイナドレスのレンタルもあるそうです」
ニナは笑みを返す。女性的な口調で話すこの人は、けれどいつもとても紳士的だと思う。
「……着てみます?」
自分がチャイナドレスを着ることにも少し興味はあったけれど、中性的な玲栖のチャイナ服姿はもっと見てみたかった。
「そうね……」
細い顎に指を当て、玲栖はちらりと首を傾げる。そうしてから、くすり、白い頬を悪戯っぽく緩めた。
「ニナちゃんといっしょなら着るわ」
「多岐川さん。着替え、終わりました?」
中華料理屋の一角に設けられた、緋色の布で覆われた女性用フィッティングルームから顔だけを出し、ニナは隣の男性用着替え室に呼びかける。
「はーい、大丈夫よー」
濃紺の布を分け、玲栖が着替え室から現れる。
「わぁ……」
(腰細っそ! 足長っが!)
着替え室から顔だけを覗かせたまま、ニナは目を瞠る。
さすがにドレスは無理ね、と冗談を言いつつ玲栖が選んだのは、淑やかな薄紫色のチャイナ服だった。腰回りを緩く絞った女性的なラインに、すらりとした足をゆったりと包むズボン。チャイナ服姿の中性的な青年は、恐ろしく妖艶にニナの瞳に映った。
(すごい色気……)
うっかり見惚れた視線を外し、ニナは殊更明るく言ってみる。
「さすがにスタイルいいとよく似合いますね!」
「ほら、ニナちゃんも。出てきて見せて?」
ニナの手放しの賛辞に動揺した様子も見せず、玲栖は手を伸ばす。伸ばされた手を見、ニナはちょっと唇を曲げた。うーん、と眉をハの字にする。
「私ってほら、女性らしい丸みって全然ないじゃないですか!」
チャイナドレスのスリットから覗く脛は生来のものとは言え浅黒い。自転車で長距離を走ることを趣味としていることもあり、薄い筋肉さえついてしまっている。
普段なら気にもしない、むしろ誇らしくさえ思っていることがほんの少しだけとは言え気になるのはどうしてだろう。
「やっぱりちょっと色気に欠けますねー、我ながら! 多岐川さんの方が色気があります」
笑い飛ばしながらも一向に出てこないニナに焦れて、玲栖は無造作にニナの目前に歩み寄った。
「ニナちゃんのチャイナドレス姿、アタシ楽しみにしてたんだからね」
見せて、と完璧な笑顔で懇願じみて言われてしまえば、それ以上渋られるわけもなかった。思い切って試着室から出る。
黒と紫を基調としたノースリーブのドレスには、腰と胸元に蝶が舞い踊る。チャイナドレスに身を包んだスレンダーなニナは、まるで映画に出て来るアクションスターのよう。
「ほらもう、やっぱり綺麗!」
てらいもなく褒められ、ニナは照れた頬を掻いた。
並んで立つふたりに向け、店員がカメラのフラッシュを焚く。
衣装貸出サービスとセットだと言うポラロイド写真を受け取り、ふたりは予約席に着いた。
「ではでは、改めまして」
食前酒の杏露酒のグラスを手に取り、ニナは華やいだ声をあげる。
「お誕生日おめでとうございます。乾杯!」
「ええ、乾杯。ニナちゃんも、お誕生日おめでとう」
ニナから玲栖へのプレゼントは洋書に見せかけた小物入れ。
玲栖からニナへのプレゼントは自転車のサドルに取り付けられる収納性抜群な防水性サドルバッグ。
「いつもお世話になっているから、普段使いができるものを渡したいのよね」
ニナから貰った小物入れを大切そうに胸に押し抱え、玲栖は微笑んだ。
「ありがとう、ニナちゃん」
「ありがとうございます、多岐川さん」
前菜に始まり、フカヒレと冬野菜のスープ、牛肉と季節野菜のオイスターソース炒め、海老のチリソース、小龍包、合間に紹興酒の熱燗、
「ふふふ、ちゃんとした中華のコースなんて久しぶりです」
「アタシもよ。美味しい料理に可愛い女の子、最高ね」
白身魚の香味野菜蒸し、鮑の餡かけお焦げご飯、
「えっ、あ、……もう、玲栖さん、お上手ですね」
「あら、アタシ本心からしか言わないわよ」
杏仁豆腐と安納芋の胡麻団子。
「ホントよ。ニナちゃんは可愛いわ」
「からかわないでくださいよ」
楽しいお酒に頬をふわりと赤らめる女性があんまり可愛らしくて、玲栖はその少女のような反応に微笑む。
「……こういうのも、いいですね」
「ん?」
「普段と違う衣装に美味しい料理」
「そうね」
熱い紹興酒の中でゆるゆると溶けてゆく氷砂糖を眺めつつ、ニナはちらりと苦く笑う。
「いよいよ文句なしのアラサー突入、です」
「年齢を重ねた女性も素敵よね」
自嘲気味な言葉に大真面目に返され、ニナは思わず吹き出す。
「もう、敵わないですね」
「なあに?」
「あー……」
言おうか言うまいか、迷ったのはほんの一瞬。
「半年前に別れてからなかなかご縁がなくて……」
さほど気にはしていないものの少しばかり感傷的になってしまうのは、二十七歳、という言葉のイメージのせいだろうか。
同級生たちはどんどん結婚していく。出産した子だって居る。
「女の子は大変よね。アタシは男だからそこらへんまだ気楽なんだけど」
多くは聞かず、玲栖はただ頷いてくれた。
「だぁいじょーぶ、ニナちゃん可愛いんだから、きっとすぐ王子様が現れるわ。……それとも、捕まえる方かしら?」
玲栖は冗談も年上の意見もまぜこぜにして、悲観的には決してならず話してくれる。
お酒もお喋りも、玲栖と一緒ならば両方ともがとても楽しくて、ニナはうっかり飲み過ぎた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月14日
参加申し込みの期限
2016年11月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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