this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
2月の★ハッピーバースデー
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
17
つぎへ >>
「いない」
普通科一年四組の教室を覗き込み、
屋敷野 梢
は呟いた。三つ編みにして左右から長く垂らした栗色の髪と同じ色の眉を寄せ、目当ての人物の見当たらない放課後の教室から視線を外す。
「どうして居ないんですかー、もー」
今朝方靴箱のところで顔を合わせた時は挨拶だけで済ませてしまった。
昼休憩に食堂で出会った時は焼きそばパンを買いに走る勢いに声を掛けそびれてしまった。
休憩時間に廊下ですれ違った時は人の多さに迷っている間に相手が何処かへ行ってしまった。
三つ編みの髪をぱたぱた揺らし、梢は足早に廊下を行く。この時間に彼が行きそうな場所はどこだろう。
「拉致ろうと思ったのにー」
相手も自分も所属しているミステリ研究会がよく集まっている教室には居なかった。食堂にも居なかった。
立ち寄ったついでに話しかける切欠になるだろうと買った温かい缶コーヒー二本を両手で胸に抱きかかえ、梢は首を捻る。
黄昏の色に染まる窓の外を何気なく見遣って、
「あー、いたいた」
目当ての彼、
如月 庚
の姿を北校舎の屋上の端に見つけた。フェンスにもたれかかるようにして、何を思っているのだろう。
(折角の誕生日なんですからー)
今度こそ迷わず、梢は庚のもとへと向かう。
南校舎から北校舎へ、一階から屋上へ。
今度こそ逃すまじと半ば走るように階段を登り、
「なんでこんなところで黄昏れてるんですか!」
屋上の扉を開くなり声を放つ。
「仕事をなくした中年男性ですか!」
「……あ?」
眼光鋭く振り返って、庚はその瞳をほんの僅かに和らげる。
「なんだ、屋敷野か……」
「まったくもー、探しましたよー」
「バッカお前、誰が中年だよ」
ぼやきながらもどことなく楽しそうに近づいてくる梢と眼を合わせもせず、庚はフェンス近くのベンチに腰を下ろす。
今日が誕生日であることに気付いたのは、ついさっきのこと。
(俺、十六歳になってしまった)
気づいてしまえば、十六歳になるまでの一年をどうしようもなく思い出してしまった。
色んなことがあった。
神魂が宿った。美食クラブで騒動に巻き込まれた。その挙句、もれいびの集会所じみた組織のリーダーの役目まで担うことにまでなった。
(本当に、色々あったな……)
「はい、缶コーヒー」
「なんだ気が利くじゃねぇか……って」
「もう冷めてますけど」
「冷めてんじゃねぇかこれ」
色々の果てに互いを相棒とまで呼び合う仲になったふたりは並んでベンチに座り、冷たい缶コーヒーを飲む。
「私、変温動物なんですから、死んだらどーするんですか!」
「死ぬタマかよ、バーカ」
何か用か、と問いかけたところで梢がひょいと身軽に立ち上がった。
「ここじゃ寒いんで、ファミレスにでも行きますよー」
「また奢らせる気じゃあるまいな」
梢は聞かない振りで缶をゴミ箱に捨てる。
夕暮れのファミレスは高校生と大学生で賑わっている。
「ほらほら、ドリンク飲み放題ですよー!」
ドリンクバーを注文するなり席を立ち、戻って来た梢の手には薄いミルクティー色した液体の入ったコップ。
「ドリンクバーってのは総じて飲み放題だろ」
「私特製のカクテルのみます? 甘くて白いウーロン茶」
冷静に突っ込む庚の前、梢は持ってきたプラコップを置いた。
「なんだそのクッソ怪しいカクテルは……」
顔をしかめつつ、それでも折角持ってきてくれたものを無駄にはすまいと口に含んだ途端、
「別名失敗作!」
梢の放った必殺の台詞に庚は噎せた。
甘くて苦くて生温い上に炭酸まで混ざったカクテル『失敗作』の味に悶絶する庚の前、梢はシレッとした顔で席に着く。
「……そろそろ本題です」
飲まないなら私が飲みます、と引き受けかけた甘くて白いウーロン茶は、けれど庚が両手で抱え込むなり一気に飲み干された。
思わず拍手する梢に顔をしかめて見せつつ、庚は再度噎せた。息を整えるついでに、今度は自分でドリンクバーでフツウのウーロン茶を汲んでくる。
「……なんだよ本題って」
薄いウーロン茶の味に安堵を覚えながら問い返す。
「今日ってアレの日ですよね」
「あん?」
「ほら、アレの日」
「ああ、」
庚は大真面目な顔で頷いた。
「お前アレの日か。そら大変だ、温かいもん飲んでとっとと帰ぇれ」
冗談とも本気とも取れぬ相棒からの返事に、梢は唇を尖らせる。
「……私のじゃないですよ、如月くんのことですよ」
「……あ? 俺?」
本気で怪訝そうに眉をひそめる庚に、
「というわけで、誕生日プレゼントです!」
梢は飾り気のない小さな箱を差し出す。
「……お前、覚えてたのかよ」
「どうぞ。バレンタインの余りです。ビターです」
「随分と殊勝な心意気じゃあねぇか……」
苦笑いのひとつでも向けられると思っていたのに、
(しかも俺の好みまで把握してるたぁ……随分とマメだな)
貰えるものは病気以外貰っておく主義な庚は心底嬉しいような顔をしている。
「ホワイトデーは返さないでいいですよ、誕生日プレゼントですし。どうしてもと言うのなら貰いますけど!」
一息に言ってチョコ入りの箱を庚に押しつけてから、梢はそっぽを向いた。庚を見ぬまま立ち上がり、ドリンクバーでもう一度甘くて白いウーロン茶を作成して持ってくる。一息に飲み干し、しばらく机に突っ伏し、
「……さっきのはおまけです」
「まだあるのか」
これが本物のプレゼントです、と今度は先ほどよりも二回りほど大きく平たい箱を差し出した。
庚が開けてみれば、箱の中身は革のブックカバー。
「食品サンプルとかのネタに走ろうとしたけど、無難に選びました。褒めてください」
本当は真面目に悩んだことを隠し、おどけてみせる。
褒めろ褒めろと目を輝かせる梢を見、贈られたブックカバーを見、庚はちらりと唇を歪めた。
(……こういうのって今まで使ったことなかったな)
胸を温かくする感情をどう言い表していいのか迷いに迷って、
「……折角だ、壊れるまで使ってやるよ」
結局、ほんの少し口元を緩めるに終わる。
不愛想な庚がどうにか口にしたぶっきらぼうな礼を、けれど梢は気付かぬふりして窓の外を眺める。
「外も随分暗くなりましたねー」
一日かかってやっとプレゼントを渡せた安堵と嬉しさを表には出さず、軽くなった鞄を手に席を立つ。
「ずっといても悪いですし、そろそろ出ますかー」
伝票を手に取りつつも、
「支払いは割り勘で!」
ヒラヒラと伝票を振って言い放つ『相棒』に、猫鳴館暮らしな庚は不満を露わにした。
「ってお前祝うなら奢れや」
「それとこれとは別ですー」
軽い足取りでレジに向かう梢を追い、庚はプレゼントを大事に鞄に仕舞って立ち上がる。賑わうファミレスの通路を歩きながら、
「……屋敷野、その、なんだ……」
『相棒』の背に向け、ぽつり、告げる。
「サンキューな」
友人から誕生日を祝ってもらうことに慣れておらず、気の利いた言葉のひとつも言えないまでも、感謝だけは伝えておきたかった。
(願わくば)
祈るように思う。
(長ぇ付き合いになるといい)
庚の声を聞いていたのかいなかったのか、庚の内心を知ってか知らずか、梢は返事の代わりに肩越しに振り返る。
「じゃー、私はゲーセンに行こうかなー」
からかうように、誘うように、笑う。
「ストーキングしてもいいですよ」
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
17
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
2月の★ハッピーバースデー
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月14日
参加申し込みの期限
2016年11月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!