【突撃！ 寝高インタビュー！（対談編その１）】

　ＨＲの時間も迫る中、森 蓮は教室内で新聞へと目を通していた。
「さすが小淋さんですね。きちんとまとめてくださってます」
　通常、一対一が基本であったのだが、蓮は野々 ののことの対談形式でのインタビューを望み、小淋はそこに居合わせる形で取材を行っていた。
　その為に、記事の編集を小淋が行っている事が記事の最後に記されていたのだ。
「楽しい対談でした。こうして改めてみても、そう思えます」
　対談の中身はこれまでの学生生活の思い出と、そしてののこの思い出。
　それとあわせ、蓮が思い描く理想の一つを小淋とののこに語っていたのだ。
　――この寝子島高校をより良い高校にしたい、という理想を。
「これからですね。頑張りましょうか」
　蓮にとっては、理想ではなくそれを自らの行動で示すつもりであった。
　そんな思いを再度確認し、ＨＲのチャイムが校内に響く中、蓮は新聞を閉じ鞄へとしまっていく。

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突撃！ 寝高インタビュー！【森さん×野々さん】

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　――今日はお集まりいただきありがとうございます。まずは、自己紹介をお願いします。

　野々：普通科、１年５組、野々 ののこです！
　　　　今日はよろしく！

　森　：ののこさんと同じクラスの森 蓮です。
　　　　今日は楽しく対談出来ればと思っています。

　――そういえば、森さんから何かお聞かせいただけると聞いていますが？

　森　：はい。この場を借りて寝子最高の会のお話を少し出来ればと思っています。

　野々：寝子最高の会？ 蓮君、それってなに？

　森　：寝子島高校の改善を目的にした集まりです。といっても今は私しかいませんが。

　野々：へぇー。てっきり私、猫さんをもふもふ可愛がると思ったよ。

　――なるほど、そちらではどのような活動を？

　森　：今の所は授業から、です。
　　　　学生としての基本ですから、各先生方へより楽しく授業に参加出来るよう打診をしてみました。

　野々：あー、そういえば五十嵐先生の授業の時に、蓮君何か言ってたもんね。

　森　：はい。それに、もちろんそうした行動は先生方だけではありません。
　　　　卒業生の方や農家の方にもお話し、体験学習や特別講師として迎えられないか、声をかけたりもしています。

　野々：ふんふん、確かに体験学習は面白そうだねー。
　　　　そういえば前に、寝子島美味しい物フェスタでボランティアしてたよね、蓮君。

　森　：えぇ。あれも地域の皆さんと交流し、活動に活かせないか、と言った思いで参加しましたね。
　　　　あの時は、オレンジジュースご馳走様でした。

　野々：あははー、どういたしましてー。

　――色々な活動をなさっているのですね。それでは今度は野々さんの思い出を聞かせていただけますか？

　野々：私？ うーん、いろいろあるけど、猫との思い出はいっぱいできたよ。
　　　　ドラ猫のボン太に答案取られて探し回ったり、校長室から逃げ出した子猫を探したり。
　　　　校長室の子猫たち、ユキにこしあんにイーピン、みんなとっても可愛いよ～♪

　森　：猫、お好きなんですね。

　野々：もちろん！
　　　　あ、後、新入生歓迎会も面白かったよねー。
　　　　コンサートやダンス、漫才や劇も面白かったし、サンドイッチも屋台のお菓子もおいしかった！
　　　　パンフレット、大切に取ってあるよー。

　森　：新入生歓迎会では、私も吹奏楽部で参加しましたね。
　　　　初心者では有りましたが、ヴィオラを弾かせていただき、楽しく出来ましたよ。

　野々：うんうん、蓮君達のもすごかったよね！
　　　　それに最近だとあれも頑張ってたよね、球技大会！ 私も応援してたよ～。

　森　：はは、色々有りましたけどね。
　　　　そういえばその時の写真も有りましたね。

　　　　【球技大会での一枚】

　野々：おぉ、森君かっこいい！
　　　　それにしても……テニスって相手にボールをぶつけるスポーツじゃなかったんだね！
　　　　そして黒猫組５０勝を決めた野球、ハラハラして面白かった～！　胴上げバンザーイ♪

　――色々な思い出をありがとうございました。最後に何かあれば一言お願いします。

　森　：こちらこそ、このような場を設けていただきありがとうございました。
　　　　これからも色々な思い出は出来るでしょうが、またこういった場を作っていただけると嬉しいですね。

　野々：私も、こんな感じでよかったら何時でも大歓迎だよ！
　　　　蓮君に小淋ちゃん、それに皆、これからもよろしくね！

　

インタビュー回答者：森 蓮・野々 ののこ
インタビュー記者：浅山 小淋

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【突撃！ 寝高インタビュー！（対談編その２）】

　一時間目の授業が終わり、短い休憩時間に入った頃、一年教室前の廊下には天馬 ひびきと七夜 あおいの姿があった。
「あおいちゃん、あおいちゃん！ ほらここ見て、載ってるよ、私達の！」
　新聞を広げ、ひびきはあおいと共に自分達が受けたインタビューの記事を見つける。
　元はあおいと修の対談として企画していたものであったが、ひびきにインタビューを行った際に同じ球技大会、そしてスポーツとしてのジャンルであった為、どうせならばと三者対談を行っていたのだ。
「修君、ちゃんと記事作ったんだね。ひびきちゃん、色々話してたから、ちゃんとまとめられるか心配だったよ」
「えー、あれでもまだ足りないってくらいだよ？」
　互いに笑顔を交わし、修を交えた対談の状況を思い浮かべる。
　終始リードしていたのはひびき、そして後に続く形であおいが答えながら、楽しく行われた対談を。
「はは、そうだね。ひびきちゃんも色々頑張ってたもんね」
「もちろん！ 当然、これからも全然頑張るけどね！」
　一つ、力強くひびきはあおいに答え、二人は再度新聞の記事の話題で盛り上がっていく。

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突撃！ 寝高インタビュー！【七夜×天馬】

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――参加してくれた二人に感謝を。まずは自己紹介から頼む。

天馬：普通科１年３組、天馬ひびきだよ！ よろしくね！

七夜：普通科１年５組、七夜あおいです。ちょっと緊張しちゃってるけど、頑張って答えてみるね。

　――ありがとう。では、本インタビューの主旨である球技大会での思い出をそれぞれに語ってくれ。

　天馬：じゃあ私から！
　　　　野球にも参加したけど、まずはテニスから答えるね。

　七夜：すごかったよね。ひびきちゃん、男子顔負けで頑張って動いてたし。

　天馬：スポーツなら大体得意だからね！

　――確かに、あのジャンプサーブはすごかったな。コントロールもしっかりしていたし。

　天馬：あ、八神君も見てたんだね。
　　　　バッチリ決めて勝ちをゲットしたから、こっちも思い出深いって感じだよ。

　七夜：うんうん、やっぱり勝つのは気持ちいいもんね。

　――では次は野球か。俺も参加していたが、無事に勝利出来たな。

　天馬：監督お疲れ様ー！
　　　　私もピッチャーで貢献したんだよ！

　七夜：ひびきちゃん、女子なのにすごい速く投げてたからびっくりだったよ。

　天馬：あは、私、体動かす事が凄く好きなの！
　　　　女の子だからって甘く見ちゃダメだよ、七夜ちゃん。

　七夜：あはは、そうだね。

　天馬：でもね、私は試合って相手と作り上げていくって思ってるんだ。

　　　　素晴らしい対戦相手がいて、勝ったり負けたりして。
　　　　もっとこうしたい、次はこうしようって頑張って、そうしていいゲームが生まれるんだと思うよ。

　　　　だから私は、もっと色んなスポーツに挑戦したい。もっと、技を磨きたい。

　　　　そして、沢山の試合相手と一緒にビッグゲームを生んでいければって思ってるんだ！

　――なるほど、いい事を言うな。野球部のマネージャーとしても頑張ってくれる事を期待しているよ。

　天馬：もちろん、期待しててね！

　七夜：ひびきちゃんは色々夢があるんだね。私は今回応援だけだったけど、やっぱり勝つのは楽しいよね。

　――球技大会以外の種目で、七夜は何か好きなスポーツはあるのか？

　七夜：私？ そうだね……水泳とかは得意かな。

　天馬：へー、泳ぎが得意なんだ？

　七夜：あはは、得意って言うより、下手の横好きに近いけどね。

　――好きこそ物の上手なれ、とも言うだろう。俺は応援しているぞ。

　七夜：ありがとう、八神君。

　天馬：私も応援しちゃうよ！ 頑張ってね、あおいちゃん！

　七夜：うん、頑張るね！

　――さて、この辺りでインタビューを終えるとするか。最後に何かあれば、一言をもらえるか？

　天馬：何故、天馬ひびきが体育科ではなく普通科なのか。それは、寝子高の不思議の１つである……
　　　　って強調して書いておいてね！ 絶対だよ、八神君！

　七夜：楽しく三人で話を出来て、私も楽しかったよ。
　　　　これからもよろしくね、皆！

インタビュー回答者：天馬 ひびき・七夜 あおい
インタビュー記者：八神 修

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【広告欄：お手伝い募集】

　ひびき達が廊下で新聞を読んでいる頃、１年２組の教室内でも新聞を広げている生徒の姿があった。
「やっぱり、こうした媒体の方が読みやすいわね」
　モバイルで読めるような電子版の新聞よりも、こうしたアナログながらも温かみのある新聞を読んでいるほうがいい。
　獅子尾 優華は、そんな感想を元に新聞へと目を通していた。
　――実際の所、優華は電子機器の類が致命的に苦手である、といった要素が大幅に含まれているが。
「広告もしっかり出ているし、後は募集が来てくれればいいんだけど……」
　優華も、今回の新聞には一つの広告を提供している。
　それは、星ヶ丘寮の中にある自らの部屋の掃除等を担当してもらいたい、と言った事であった。
　星ヶ丘寮は、それ自体が一つの小さな【街】として機能している。
　部屋と呼んではいるが、実際の所は優華が住む部屋もまた、大きな一つの家のような内部を持っていたのだ。
「まぁ、どちらにしろ待つしか無いわね。ついにこれを使う機会にもなりそうだし」
　自分のポケットに入っている、必死で使い方を覚えた【携帯電話】を不安げに触りながら、優華は一つため息を漏らしていた。

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【お手伝いさんの募集】

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○募集項目
　条件：寝子島高校の女子生徒
　仕事内容：指定した日時に星ヶ丘寮の獅子尾優華の部屋にて洗濯・掃除・炊事等。
　時間：土曜、日曜、祝日の午前８時～午後２時、又は午後１時～午後６時迄
　時給：１０００円～（要相談）
　備考：仕事着として女中着（割烹着、袴等）を支給。
　　　　本人の希望によりメイド服も可

　最近風紀委員の仕事が多くて、祝日や休日は特に習い事とかも合わさってなかなか掃除に手が回らなくなってしまったの。
　せっかくの一人暮らしに年上の女中さんを呼ぶのも気が引けるし、どうせなら、おなじぐらいの子のお小遣い稼ぎに貢献しようと思って今回の募集記事を書かせてもらったわ。

　募集人数は集まり次第だけど……今のところ4人ほどを考えているわ。
　あまり堅苦しくなるなと言いたいけれど、ある程度節度ある子が望ましいわね。

　もし希望する子がいたら、一年二組の獅子尾 優華まで携帯でも直接でもいいから連絡を頂戴。
　ああ、そうそう……女装は認めないわよ。
　発覚しだい徹底的な教育的指導で矯正してあげるわ。

広告主：獅子尾 優華

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