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己を堕天させた男に絶望の深淵を味わわせてその後も、天使であった
葉利沢 倫理子
が堕天した折にその身を奪い取ったMaliceの日常は変わらなかった。
少しは変わることを期待したのだろうかと自問して、
(いいえ)
Maliceは即答する。
黒いイヴニングドレスを華奢な身に纏わせ、憂鬱な吐息を零す女を包むは、カジノの喧騒。スロットが廻りコインが煌く度、カードの数字とマークが閃く度、ルーレットを軽やかに珠が転がる度、人々は狂乱に湧く。
一夜のうちに莫大な金の動くそこは、星ヶ丘の巨大リゾート施設の一角。地下に設けられた、悪魔が営む悪魔の施設。
巨大リゾートの総支配人が悪魔だと言うことも、ホテル全体が悪魔の巣窟であることも、いわば公然の秘密。それを支えるのは、こうして夜な夜なカジノに集まり大金をばら撒き遊ぶ人々。
彼らは皆、ひとの姿をしている。
けれど、彼らと淫蕩を、乱交を重ね続ける倫理子は知っている。
この場に集うは悪魔だけではない。
悪魔の放つ、悪魔であるが故に魅惑的な光に魅せられて、ここには蛾が集まるように悪魔もひとも、天使ですらも飛び込んでくる。
ルーレットの珠が転がる。テーブルについた人々が息を詰めて珠の行方を見つめる。
剥き出しの腕に汗ばんた手で縋り付かれ、Maliceは漆黒の瞳を縁どる黒く長い睫毛を伏せた。傍らに座した若い男が憑かれたような瞳で盤上を見つめている。
一夜を共にし、その一夜のうちに身も心も己の内に惑わせ溺れさせたその男を、Maliceは感情の失せた瞳で静かに見つめる。
ルーレットが止まる。示された珠の位置に、テーブルについていた人々があるいは歓声をあげ、あるいは嘆息を零す。その人の輪にあって、Maliceの腕を掴んでいた男はか細い悲鳴を漏らした。
「……ご愁傷さま」
その男の耳元に冷たく囁き、Maliceは一世一代の大勝負で財産の一切合切を失った男の手を振り解く。
「僕は、……君を女神だと」
己の躰を思うさま貪らせ、快楽と幸福の絶頂を与え、最早完全に己から離れられぬように仕向け、己を女神と呼ぶ男が己に対して抱く希望を、Maliceはただ一言もなく、悪意と嘲笑を孕ませた一瞥のみで打ち砕く。絶望の表情で椅子からずり落ちうずくまる男を捨て置いてその場を去りながら、Maliceは退屈な欠伸を噛み殺す。
夜毎の快楽にも、獲物の絶望にも、最早大して刺激を感じなくなってきていた。代わり映えのしない日々に、フツウの日常に、Maliceは倦み始めていた。
カジノに視線を泳がせる。爛熟と倦怠のこの巷に、他に楽しめそうなものはないものだろうか――
巡らせた視線は、Maliceを見つめるスーツ姿の上品な男と絡んで止まった。何処か悪戯めいた仕草で、男はMaliceに一礼する。
無防備に誘われる態を装い近づけば、男はそれすらも見通したような瞳でMaliceに白手袋に包まれた手を差し出した。女王をエスコートするように、カジノの奥へとMaliceを導く。
俺とゲームをしましょう、と男は微笑んだ。
それは命さえ賭けた残酷なゲームなのだと言う。
――負ければ、……これ以上は口にするも憚られます
――それは面白そうね
唇に指をあててくすくすと笑う主催者の男に、Maliceは瞳に淀む退屈を払いのけ晴れ晴れと笑い返した。
「面白そう、ね……」
巨大リゾートホテルの何処とも知れぬ地下通路を彷徨いながら、先に主催者に向けた言葉をMaliceはもう一度繰り返す。
真紅の絨毯が奥にまで伸びる通路は複雑に入り組み、時折酷く惨い罠が仕掛けられている。
檻に閉じ込められて泣く女の手に握られた毒の刃、意味あり気な鍵の下に仕掛けられた落とし穴。
檻の中で泣き喚く女には優美な一礼と侮蔑の眼差しを、落とし穴の下で腐乱するに任せて捨て置かれたナニカには――そのナニカが先程カジノで己が貶めた男だと気付いて尚更に、凄惨な笑みを。
迷い込んだ者を決して帰さぬ悪意をまざまざと感じさせるその罠の全てを、Maliceは残酷な狡猾さで次々と切り抜ける。
「……ふふ」
イヴニングドレスの裾を艶めかしく翻し暗闇にひるむこともなく進みながら、Maliceは白い肌に指を這わせる。今までに重ねに重ね続けて来たどんなに淫蕩で自堕落な日々よりも、毒蛇が蠢くような漆黒の闇を駆け抜ける今の方が、恐ろしいほどに愉悦を覚えることが出来た。
「うふふ」
例えば肌の裏側から撫でつけられるが如く禍々しくも美しい、それは正に堕天使の笑み。
どこまでも続く暗闇の中に、清らかな乙女が穢れを知ったかのような、その穢れを悦楽と感じた己を責めるかのような、悲痛でありながらも甘美な悲鳴が響き渡った。通路中に木霊して響く声の内に僅かに混ざるノイズを聞き取り、Maliceは黒い睫毛を思案に沈める。
ホテルの何れかの一室で行われている『ゲーム』の音声を盗聴器で拾い、ゲーム参加者の動揺を誘うために流しているのだろうと判断し、
(悪趣味ね)
何の感慨もなく瞬き、視線をあげる。
闇の向こう、荒々しい足音が近づいてくる。
何者も恐れぬような、目にした者全てを打ち砕かんとする強靭な意志を帯びたその足音の主は、闇の中、まるで待ち受けていたように女王然として佇むMaliceを見るなり、片手に掴んでいた血みどろの木刀を突きつけた。
「退け」
悪鬼羅刹の如き顔を己のものとも返り血とも取れぬ血に塗れさせた白髪混じりの偉丈夫に、Maliceは優美に微笑む。
「なあに、それ?」
片腕に抱えた赤茶色の毛並みした薄汚れた老犬を示され、男は一瞬、悲しみと怒りの入り混じった表情を見せた。
「……恩人だ」
「助けてあげましょうか」
「要らん」
吐き捨てるなり、男は床を蹴る。容赦のない必殺の突きを紙一重に躱し、Maliceはドレスの裾を暗闇に翻した。躱したはずの身に痛みが走り、脇腹の布地が裂けて血が滲む。
くすり、Maliceは妖艶に瞳を細めた。
「そう、……じゃあ、さようなら」
闇に沈むようにその場を去る堕天使の気配を油断なく探りながら、恩人である黒河花枝を探し単身ホテルに殴り込みを掛けた
毒島 柘榴
は片腕に抱いた老犬を優しく抱え直し、囁く。
「心配いらねェよ、花枝さん。俺が必ず元に戻してやる」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月18日
参加申し込みの期限
2016年10月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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