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手を取り合えば、何もかもが上手くいくと信じたのだろうか。
(あの悪魔野郎が!)
黒の瞳に剣呑な光宿し、
桐野 正也
は心中に毒づいた。不機嫌に腕を組み、古びたベンチにどかりと腰を下ろす。
薄くくすんだ冷たい青空も、木々に囲まれた公園にあって汚れた空気も、中央で淀んだ水を撒き散らす噴水も、何もかもが不快だった。それもこれも、
(もう少しであいつを厳罰だけで助けられると思っていた矢先に……攫いやがって!)
大切な妹分の天使をたぶらかし、悪魔に誑かされた罪で幽閉されていた彼女をこともあろうに攫った悪魔のせい。
このままでは、妹分は追放どころか処刑さえ免れない。
何処かへ行方を眩ませた天使と悪魔を探すうち、地上にまで彷徨い落ちてしまった。少しでもふたりの行方の手掛かりとなる痕跡を探し、ひとには見えぬ大穴を空に開かせる島中を歩き回りはしたが、未だふたりは見つからない。
(早く見つけないと……)
妹分を思い、彼女を攫った悪魔を思えば思うほど、苛立ちばかりが募って、天使は眉間に深い皺を刻む。
(見つけさえすれば)
北風ばかりが駆けまわる公園へ視線を巡らせ、立ち上がろうとしたところで、正也は瞳に力を籠めた。
公園の入り口からのんびりと歩を進めてくる、陽に赤く透ける明るい茶髪の男の、その肩越し。
(黒翼……!)
ぎくりと立ち上がって、気づいた。背に負うた黒翼のように見えたそれが、翼のように見えるかたちした黒いマフラーであることに。
こちらの剣呑な視線に気付いたか、茶髪の男が顔を上げる。
「……ッ……」
溌剌とした光を宿した、黒と白、左右違う特徴的な瞳を目にした途端に声が漏れて、正也は唇を指で押さえる。
見覚えがあった。
見間違うはずもなかった。
(あの野郎の兄)
正確には、兄貴分。
(あいつなら場所を知ってるだろう)
思ってしまえば、迷う必要などなかった。相手は悪魔。手加減してやる道理など無い。
周囲に人気のないことを理由に、正也はひとのものに擬態させていた己が衣装を天上での職務である戦士の鎧へと戻す。
地を蹴り、剣を放つ。問答もなしに斬りかかる。
風を切り裂き、悪魔をも断つはずだった刃は、けれど容易く躱された。
黒翼にも似たマフラーの先にまるで愚弄されたかのように鼻先を掠められ、正也は不機嫌に舌打ちする。
「……ん」
明るい茶髪を冬風に揺らし、悪魔は刃をほとんど無意識に避けた勢いを殺さぬまま、身を翻した。マフラーの端が風を捉える。まるで本物の翼のように、冬服に包まれていてもそうと解るほどにしなやかな筋肉に鎧われた悪魔の身をふわり、僅かの間宙に舞わせる。
黒と白、左右色の違う瞳が己を切り裂こうとした剣を映す。
「……ああ」
映して、軽やかに笑う。
「妹分を探しに来たんか」
天上にあって、彼女とは幾度となく言葉を交わした。天使であるにも関わらず、彼女は悪魔に嫌悪を示さなかった。
羽根を模し、飛行能力を付与したマフラーに幼子のような無邪気な興味を示したことすらある。
「……俺の弟分が恋をした、天使の女の子を」
「すっとぼけんじゃねーぞ」
悪魔のからかうような口調に天使は激昂する。
「あいつを攫ったお前の弟の居場所を教えてもらおうか!」
言葉と共に突き付けられた剣先に、悪魔は――
服部 剛
は小さく肩を竦める。
(ほんま、何の為にここまで来たんやら)
地上に堕ちて来てさえも、天使たちは悪魔に敵意を向けてくる。それどころか、天使だけでなく地上の一部の人間たちさえ己を『異界者』と呼び、得体の知らぬ武器を向け滅しようとしてくる。
(物騒な奴らのせいで弟分は見つからん)
真向から剣を、真っ直ぐな敵意を向けてくる天使を見遣り、わざとらしい溜息を零す。
(ついでに俺好みの瞳もおらん)
心中にぼやいた途端、弟分の真紅の瞳が瞼の裏を掠めた。
正面に立つ天使は、弟分が己の妹分を攫った上にまだ己と繋がっていると思い込んでいるらしい。
弟分の居場所など、知るわけがない。
「……阿呆やなぁ」
思わず本音が口をついて出た。
「てっめぇ……!」
「物騒やねえ、天使様?」
罵声と同時に天使に斬りかかられ、ひらり、悪魔は大きく飛び退る。嗤う。
「そんなんじゃ俺らと変わらんで」
(めんどいから逃げよ)
弟分との関わりの中で幾度か顔を合わせたことはあるものの、直接に刃を交えたことはない。それでも、今目の前に立つ天使の強さと厄介さは顔を合わせる度に感じ取っている。
逃げ出す機会を狙い、天使を見る。
冬の陽を凶暴に反射させる黒曜石の色した天使の瞳と視線を絡ませた瞬間、
(追いかけっこも好きやけど)
悪魔は容易く前言を撤回する。
(……やっぱこれやな)
両掌を軽く持ち上げる。その動作ひとつで、悪魔は気に入りの武器である緩やかに湾曲した両手剣を手に召喚する。
フォセ、と呼ばれる剣を抜き身で手にするなり、剛は大型の獣が獲物に飛びかかるが如く、ほとんど予備動作もなく宙に舞った。
黒曜石の瞳が大きく見開かれる。
(天使と遊べるなんて、)
その瞳に向け、剣を振り下ろす。
(滾る!)
金属音が響き渡る。力任せに叩き下ろした剣を真っ向から剣で受け止められ、剛は笑みを深めた。鍔迫り合いながら、間近に天使の瞳を覗き込む。
力を僅かでも緩めればたちどころに深く傷つく場面にあって、悪戯っぽく笑う悪魔の瞳に、正也は不快を覚えた。知らず瞳が歪む。
(悪魔のくせに)
裂帛の気合を吐き、全身を使って悪魔の剣を跳ね上げる。懐に入り込もうとしてひらりと飛び退られ、追い縋ろうとした途端、命を無造作に刈り取るような剣戟を受けた。咄嗟に剣で弾き、転がるように避ける。距離を置き、体勢を立て直す。
(よくやりやがる……!)
詰めていた息を吐く。視線を上げ、悪魔を睨み据えた、その瞬間。
悪魔が、ひどく淡く笑った、気がした。例えば掌中の珠を愛でるような色をその瞳に見たように思い、正也は胸に湧く怒気のまま地を蹴る。刃を受ける危険も厭わず、矢の勢いで今度こそ懐に飛び込む。
気に食わぬ悪魔の胸倉に剣を立てられる、そう思った刹那、悪魔がフォセを横に薙いだ。撥ね退けたのは、天使の剣ではなく、横合いから襲い掛かって来た、獣のかたちしたナニカ。
悪魔の剣に首を深く斬られて地に叩きつけられた黒豹じみたナニカは、けれど然したる痛手を受けた仕草も見せずに跳ね起きた。
天使と悪魔はほとんど同時にナニカと向き合う。ナニカの向こう、狐を模した面掛けて佇む男を見る。『異界者』とよく似てどこか違うナニカを使役してはいるものの、明らかなひとの気配に、
「なんでひとが……」
「厄介な……」
天使が首を傾げ、悪魔が眉を顰める。
「知っているのか」
「『機関』や。あいつら、悪魔も天使も一緒くたに排除しようとしよる」
「めんどくせぇな……」
天使が思わず吐き出した言葉は、悪魔が先程零した言葉とそう変わらなかった。
「……なあ、ここは休戦にせんか? あいつらに捕まるのはごめんや」
「……おい、一旦休戦だ。あの気に食わない連中をやっつける」
ふたり同時に上げた提案に、悪魔が笑い、天使が唇を曲げる。
「あとで居場所を吐いて貰うからな」
「おー、怖。そないに心配なら、……いっそ堕天してまえばええのに」
「ざけんな!」
剛は吼える。悪魔に向ける怒りを『機関』の男と男の使役する妖獣へと向け、剣を手に突っ込む。
(……俺は探しもんしてんねん)
牙を剥く妖獣に恐れの欠片も見せずに勇猛果敢に剣を振るう天使の背をひと眺めして、悪魔は静かに瞬く。
(禁断の関係なんてどうでもええ)
けど、と左右色の違う瞳に天使を映す。『機関』を映す。
(あいつの邪魔はさせん。天使にも、機関にも)
狐の面掛けた男が剛を見遣る。面の奥の瞳に『異界者』に対する明らかな憎悪を確かめ、悪魔の瞳に浮かぶは心底からの喜色。
「……そら、略奪してみぃよ……!」
唇に浮かぶのは、ただひたすらに凶暴な笑み。
「全部ぶった斬ったる」
妖獣が手甲に護られた天使の腕に食いついて、けれどそれが最後の抵抗。
悪魔のフォセが銀色の軌道を宙に描き、妖獣の胴を断つ。黒煙を血の代わりに撒き散らし、妖獣は爆ぜるように空に消えた。
「まだやるんか」
剛の軽い声音に含まれた殺気と、正也の鋭い眼差しを受け、召喚妖獣を滅せられた狐面の男は一瞬の躊躇いの後にふたりに背を向けた。
退く者を追わず、天使と悪魔は揃って剣を納める。
悪魔との共闘を嫌悪して溜息を零し、天使はもう一度悪魔に向き合う。
「これでやっと」
「弟分の居場所? 知らんがな」
「って知らないのかよ?!」
けろりと吐かれた悪魔の言葉に、天使は絶句する。
「嘘だろ……」
「いやあ、遊んでくれておおきに」
悪魔らしからぬ明るい笑顔でケラケラと笑う悪魔を恨めし気に見つめ、天使は深々と息を吐く。がりがりと頭を掻き、唇を不機嫌に引き結び、冬の陽が明るく降り注ぐ公園を、天使と悪魔の住まう島を、ぐるり見回す。
「仕方ない」
彼女たちがここにいることはきっと間違いではない。
「探して見守り兼お前らの監視としてここに住むしかねーな」
「……え、お前、住み着くん」
めげんなぁ、と悪魔は目を瞠った。しばらく考える風に顎に手をやって後、天使の瞳を覗き込む。
「……ほな、俺もこのまま住もうかな」
楽し気に言ってから、ふと笑みを消す。低く囁く。
「弟分は死なせん」
悪魔の宣言に細くなる黒曜石の瞳を堪能して、
「それに、お前が堕天する所を見んと。なぁ、まさちゃん」
悪魔は打って変わって跳ねるような明朗な口調となった。
「バカか」
天使に一言のもとに切り捨てられても、悪魔の笑みは変わらない。
正也と並んで歩きだしつつ、言うとくけど、と剛はひらり、黒翼を風に躍らせる。
「碌な男やないで? 俺」
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3人まで
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日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月18日
参加申し込みの期限
2016年10月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月25日 11時00分
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