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カオスワールド・リプレイ
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黒煙を纏い、火焔を氷雪の霧に吹き飛ばし、ねむるは雑居ビルに飛び込んだ。氷雪板の先に胴を貫かれた妖獣が床に転がる。
僅かにたじろぐ狐面の男の足元には、傷ついてうずくまる天使の少女。
助けるべき人物を見定めつつ、日暮は白マスクの下から狐面の男に笑みかける。
「お久しぶりですね、『日暮』先輩」
立ったそこは、舞台か何からしかった。
窓を塞ぐ暗幕に炎が躍る。舞台の前に設えれた百にも届かぬ椅子を黒煙が舐める。足元に半ば燃えて転がるこれは、もしかすると映画のスクリーンなのだろうか。
「僕のこと覚えてますか? 裏切り者の『日暮その二』です」
奇襲者の饒舌を日暮が不審に思うよりも先、ねむるは氷雪板の端を勢いよく踏んだ。板底から噴き出す凍てつく蒸気を真っ向に受けて視界を奪われ、日暮の動きが止まる。
その一瞬の隙に、ねむるは氷雪板で炎の舞台を滑る。一気に間合いを詰め、渾身の拳を放つ。
「ッ……」
拳は、けれど『機関』の先輩には届かなかった。
重い拳を食らったのは、先程ねむるが氷雪板の先に貫き、床に伏していた妖獣。ねむると日暮の間に獣の速さで割って入り、必殺の一撃を傷ついた胴に受け、妖獣は今度こそ血を吐いて落ちる。霧じみて黒煙となる。
「あかんよ、ねむる」
狐面の奥、日暮が笑んだ、気がした。
妖獣の溶けた黒煙がねむるの拳にまとわりつく。途端、腕に無数の痛みが走った。幾つもの剃刀を走らせられるような痛みに、ねむるは咄嗟に黒煙から腕を引き抜き、氷板と共に大きく飛び退る。
低く低く、狐面の奥から洩れる怪しげな呪文の詠唱が耳に届いた。追撃の気配に、ねむるはけれど唇を笑みに歪める。体術に長けぬ日暮は、アーティファクトの力を使い『アヤカシ』を召喚し、それを攻撃に充てる。けれど、『アヤカシ』召喚には時間が掛かる。
『機関』として日暮と行動を共にしたことのあるねむるは、それを知っている。
だからこそ。
(――今だ)
氷板を傾ける。床に蒸気を叩きつけ、もう一度日暮に突っ込む。詠唱を途切れさせぬまでも咄嗟に飛び退く日暮の足元、うずくまって動かぬ少女を横抱きにさらい、窓から飛び出す。空へ駆けながら振り向けば、狐面の奥の表情は読めぬまでも、日暮は小さく肩を竦めたようだった。逃げ去る己に背を向ける元先輩の動きに、彼の性格から言ってこれ以上の追撃はあるまいとねむるは読む。
黄昏の空を氷板に乗って渡り、ビル群の影に降りる。そこは有事の際、和穂と落ち合おうと前々から定めていた幾つもの場所のうちの最寄りのひとつ。
ふわりと降り立ち白マスクを外せば、足元に浮上していた氷板は溶けて消えた。白霧を撒き散らして消える氷板を見下ろすねむるのもと、
「日暮さん」
悪魔の少年を連れた和穂が走り寄る。
悲鳴のような声をあげる悪魔の少年に、意識を取り戻しつつある少女の身を引き渡し、ねむるは和穂に笑みかける。
「助けてくれてありがと、怪我はない? 嘉島さん」
「私は大丈夫。それより」
ほとんど泣き出しそうな顔で妖獣に傷つけられて血まみれとなった手を取られ、その背に広がる天使の翼に見惚れているうちに傷を癒され、ねむるは目を瞠る。幾度となく和穂の癒しの力に助けられてはいるものの、やはり何度見ても驚きは隠せない。
「……あの、よかったら、協力、しませんか?」
ねむるの傷を事もなげに癒して後、和穂は寄り添いあうように立つ少年と少女を振り返った。
「私は見ての通りの天使だけど、日暮さんみたいに、協力してくれるひとも、います」
少年を見、少女を見、ゆっくりと口説く。
「悪魔としての君の力も、天使としての君の力も。使い方次第で誰かを助ける事ができる。よければ力を貸してくれないかな」
天使である和穂に並び、ねむるもふたりに言葉を重ねる。
「力を合わせて、……悪魔も天使も人も、わかりあえるようになったらいいのにって」
ふたりなら分かってくれると、和穂は信じた。天使と悪魔でありながら、手を取り合って逃げていたふたりなら、きっと。
天使の少女と悪魔の少年は顔を見合わせる。そうしてどちらからともなく頷き合い、天使と手を繋いだ悪魔が、ひとであるねむるに、天使である和穂に、手を伸ばす。
天上でも地獄でもない地上で、ひとと天使と悪魔は手を取り合う。
それは小さな一歩で、かけがえのない一歩なのだと、和穂は信じた。
――手を取り合えば、きっとうまくいく。そう信じて、彼らは進み始める。
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あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました。
天使と悪魔とひとの寝子島、お届けにあがりました。少しでもお楽しみ頂けましたら幸いです。
ガイドを書きながら、「これからこの島はどうなっていくのかしら、まだまだダークに感じに転がりそうかしら」とか思っていましたが、みなさまから頂きましたアクションを拝見しまして、「いやいや、まだまだ色んな方向に進んで面白くなりそうよー」と思い直しました。
色んな思惑が入り混じって、みなさまとても楽しいアクションでした。
読んでくださいまして、ご参加くださいまして、ありがとうございました。
またいつか、お会いできましたら嬉しいです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月18日
参加申し込みの期限
2016年10月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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