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空に開く大穴を、ひとは見ることが出来ぬのだと言う。
高い冬空に遍く満ちる優しい冬陽の光を灰銀の瞳に映し、
嘉島 和穂
はひとの目に映らぬ空の大穴を仰ぐ。
「……誰か、見えた?」
昼下がりに賑わうシーサイドタウンの通りを傍らに歩く
日暮 ねむる
がのんびりと黒い瞳を空へともたげた。鮮やかに青い空しか見ること適わぬ、ひとであるねむるは天使である和穂をもう一度見下ろす。
うなじでふわりと丸く結わえた黒髪を揺らし、首を横に振る和穂の瞳に、あの日見た怯えの色はもう見えない。
そのことにねむるは心底安堵する。
あの日、――『機関』構成員として駆逐対象である和穂を袋小路に追いつめた時、彼女は何の抵抗も示さず、ただ純白の翼で己が身を包んで怯えるだけだった。
彼女のその姿にどうしようもなく胸が痛んで、痛んだことに戸惑って、戸惑ったが為に悩み考え、挙句、彼女を助ける道を選んだ。『機関』から支給されたアーティファクトを盗み、彼女と共に逃走した。
彼女を助けて以来、ねむるにとっては人も天使も悪魔も、この島に生きる全ての者が救助対象となった。
「みんな仲良くできたらいいんだけどなぁ」
それもこれも、助けた天使がなにかにつけ口にするそのあまりに楽観的な言葉のせい、なのかもしれない。
その癖、今傍らに立つ天使は己が死ぬことに対する恐怖を抱いていないらしい。それも定めなので構わない、いつかそう穏やかに微笑んで言っていた。けれど、あまり人に痛い思いはしてほしくない、とも。
『機関』や悪魔の目から逃れるため、その背に負う白翼を天使の力で隠した彼女は、見た目にはひとと変わらない。それでも、纏う雰囲気はやはりどこかしら浮世離れして見える。
(天使、か……)
ねむるが黒い瞳を伏せた、その瞬間。
低い空を黒煙が薙いだ。
刹那の後に轟く爆音に、硝子が砕け吹き飛ぶ音に、道行く人々から悲鳴があがる。怒号があがる。
ねむるが瞬きの惑いもなく音を辿り空を仰げば、少し離れた雑居ビルの窓から黒煙混じりの火焔が噴き出していた。その吹き飛んだ窓から落ちる人影ひとつ。人影を追って窓から飛び降りる、獣の姿した人ならざるナニカ。
黒煙噴きだす窓の硝子に、ねむるは狐の面を見た。
(『日暮』先輩)
『機関』構成員であった頃に交流のあった男の姿を見止め、ねむるは瞳に力を籠める。
(先輩がいるってことは、狩りの最中てことか)
窓から落ちた少年の背に黒い蝙蝠翼が広がる。空中に追い縋る獣の爪と牙が翻り、蝙蝠翼を切り裂く。少年のものらしい短い悲鳴があがる。
「あの子、僕らで助けられないかな」
隣の天使に声掛ければ、和穂はひどく怯えた瞳をしていた。追われたことのある彼女は、追われる恐怖を知っている。
けれど、知っているからこそ。
「嘉島さん」
ねむるの呼びかけに、和穂の瞳に決意の色が灯る。
「……ええ、もちろん」
「奴らのやり口はよく知ってる、少しだけ時間を稼いでくるよ」
和穂の瞳に灯る光を確かめ、ねむるは淡く笑んだ。地に落ちたふたりのもとへ、並んで駆け出す。
駆けながら、ねむるは上着のフードを目深に被る。バッグから白いマスクを取り出し被った途端、駆ける足元に白い冷気が奔った。集まり、凝固し、半透明な氷板となる。心得た動きでねむるが氷板に飛び乗った瞬間、アーティファクトによって生み出された氷雪板は冷たく煌く蒸気を噴き出し宙へと浮いた。
「あの子は任せた」
「任せて」
和穂の言葉を耳にすると同時、ねむるの身は跳ね上がるように空へと急浮上する。
黒煙吐くビルの窓へと流星の如く突っ込む道すがら、少年に襲い掛かろうとした妖獣の腹を氷雪板で浚って行くねむるを頭上に追いながら、和穂は少年が落ちたビルの下へと急ぐ。
騒然とする人混みをすり抜ける。ビルの下の植え込み、少年が落ちた場所には遠巻きに人だかりができていた。けれどそれも、少年がよろめきながら立ち上がり、傷ついた蝙蝠翼を広げるまで。
悪魔を目にした途端、野次馬は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
逃げる人々の誰に声を掛けるでもなく、少年は決死の瞳で黒煙吐き続けるビルの窓をもたげる。蝙蝠翼が羽ばたくも、紅い血を周囲に撒き散らすだけに終わる。
逃げ惑う人々の中に『機関』の姿がないか見回し、和穂は周囲に渦巻く黒煙に紛れ少年に近づいた。
己を追う者が居るはずのビルを仰ぎ、周囲を見回し、泣き出しそうな顔する少年にどう声を掛けようか迷う。迷うた一瞬の間に、少年が膝を折った。息を乱し、傷ついて飛べぬ翼をそれでも再び羽ばたかせ、傷の痛みにか飛べぬ苦しみにか、少年は悲痛な声で罵声を吐く。
立ち上がろうともがく少年の瞳が近づく和穂を捕らえる。
「あっ、えーと……」
敵意の瞳に見られ、思わず足が止まった。
「……私は大丈夫です!」
詰まりそうになる息を懸命に吐き、貴方の敵ではないと伝えようとする。
「『機関』とは関係ないですし、通報したりもしないです」
思い切って踏み出す。近づき、悪魔に手を差し伸べる。
和穂の手を僅かの間見つめて後、少年は恐る恐る和穂の手を握った。途端、和穂の背中にふわり、陽が差すかの如く羽根が浮かび上がる。
「大丈夫」
繋いだ手の先から光が零れる。零れた光は雪のように踊り、少年を包み込む。和穂の持つ天使の力が少年の傷を見る間に癒す。
「……これで走れるかな?」
癒えた翼を不思議そうに見る少年に優しく笑みかけ、
「さ、こっち!」
和穂は翼を再び隠す。先に立って駆け出そうとして、少年にその手を振り解かれた。
「だめなんだ、……あそこには、まだ……!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月18日
参加申し込みの期限
2016年10月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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