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急募・おでん祭のお手伝い。
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グキュルルルルル……ッ!
盛大に鳴り響く自身の胃袋を宥め空かしながら、
御風 不二夫
は商店街の中を歩いていた。あちらこちらから美味しそうな匂いや、ついふらふらと寄って行ってしまいたくなるような呼び込みや、店頭に並べられた実に食欲をそそる食品サンプル――時には本物まで――が、空腹に苦しむ不二夫の限界を試すように存在を自己主張してくる。
うぅ、と不二夫は何とも苦しげな、そして力のない呻き声を上げた。
(バイトの給料日まで……あと1日……)
見事に軽い財布と、見事に米の1粒もない自宅を思い、不二夫はため息を吐く。後1日。後1日さえしのげば、財布の中にはバイト代が入ってくるはずだった。
だが、それまでに空腹で死んでしまうのではないかと、割と真剣に思う。最後の食糧を胃の中に収めてからかれこれ3日、ちょっとでも気を抜けばその瞬間、空腹の余り意識が吹っ飛んでしまいそうなのが、我ながら情けないと思うのだけれども。
(……メシ……メシがない……この際なんでもいいから腹いっぱい食いたい……)
ふらふらと幽鬼の様に商店街を歩く不二夫の頭の中はと言えば、そんな切実な思いで一杯だった。今、目の前にご飯が出てきたなら、そしてお金を払わなくて良いのなら、例えドッグフードだって美味しく食べてしまうだろう――というのは、些か言いすぎかもしれないが。
とにかく、不二夫は空腹だった。飢えていた。何でも良い、ただ飯がどこかにないかと空しく商店街を歩き回り、試食品を配ってないかと目を皿のようにして探しているのだが、生憎こんな日に限ってどこも試食はやって居らず、ただ不二夫の体力が消耗していくだけだ。
うぅ、とまた呻いた。呻き、もう帰ってちょっとでも寝て過ごした方がマシなんじゃないかと思う自分と、後ちょっとだけ歩いてみようと励ます自分の狭間で揺れていた、不二夫の視界に白い屋根のテントが飛び込んでくる。
(ん? なんだ?)
その光景を、一瞬だけ不二夫は空腹を忘れ、まじまじ観察した。上がっている看板はコンビニのもので、テントの中には長机が置かれ、その上にほかほかと湯気を立てている鍋があり、コンビニの制服を着た青年、それからちくわの着ぐるみが居る。
一体あのコンビニは、なぜ店の前にテントなど出しているのか。あの鍋や着ぐるみは何なのか。答えがまったく思いつかず、不二夫は盛大に首をひねった。
「セール……でもやってんのか、あのコンビニ……?」
「おでん祭、らしい」
「あ? おでん祭? ずいぶん季節外れだな」
「ちくわを誤って大量に発注したんだって、ねこったーに書いてあった」
その独り言に、応えたのは
邪衣 士
である。かくいう彼もねこったーを見て、ならば自分のろっこんでコンビニ周辺に雪を降らせれば、暖かいおでんを欲しがる人も出てくるだろう、とやって来たのだけれども。
ただ、人助けのみでやって来たわけでも、ない。ついでだからろっこんがどれだけ応用できるのか、試してみたい事も、あった。
士がろっこんで、コンビニの周りに雪を降らせようとすれば、コンビニ上空は一時的に氷点下になる。ならば、そのコンビニ上空の気候――つまり、通常であれば雪雲に当たる部分を地上部分に充満させたとしたら、どうなるのだろうか。
一般的に、雲は水蒸気で出来ているから、雲の中の視界は霧が張ったような状態に似ている、と言われている。とすれば雪雲も同じような状態だろうし、ならば雲を地上に満たす、というのは濃霧を発生させるのと同じようなものかもしれない。
幸い、濃霧自体はろっこんの天候操作の一環として、やれない事もなかった。もし成功したとすれば、ろっこんの効果範囲を広げることは出来なくとも、もしかしたら限定的に、雪を降らせるのと同時に気温も下げられるかも知れない。
(もし上手く行ったら、いつかは雨と太陽光の調節で光学迷彩みたいなこともしてみたいな……)
そう、夢は膨らむ一方だが、まずは本来の目的であるコンビニの人助けだ、と考える士に「そうか」と頷いて、不二夫もコンビニを、その人混みを見つめた。
発注ミスとは災難だが、幸い、士のようにねこったーを見たのか、口コミででも聞いたのだろう、ちらほらとやってきている人は居るようだ。とはいえこの暑いのにおでんはきついだろうと、考えた途端、空腹を主張するように胃袋が盛大な鳴き声を上げる。
(この際、においだけでも楽しんでみるか……落語でそんな話があったっけかな……まさか金はとるめえ……)
そう、考えて吸い寄せられるようにふらふらと歩いていく、不二夫の足元をちょろちょろと走り抜けていくハツカネズミが居た。そうして、その後をひょいひょいと追いかけていく
逆巻 天野
の姿も。
先を行くペットのハツカネズミに、天野はのんびり声をかける。
「こら、ネズ。危ないよ」
だが当のネズは、天野の声など聞こえないそぶりで、まっすぐにコンビニへと走っていく。そうして店の前にある、白い屋根のテントの中に駆け込んで。
そこに居たちくわの着ぐるみに駆け登り、ちょうど腹の辺りに噛み付こうとした愛ハツカネズミを、天野はひょい、とつまみ上げた。そうして尤もらしい顔で語りかける。
「こら、ネズ。お腹を壊すからやめなさい」
「確かに、新井を食べると色々とまずそうだな」
「やがみん、どういう意味……?」
ガサガサとビニール袋を鳴らしながら、テントにちょうど戻ってきた修のコメントを聞いて、すばるは少し傷ついた表情になった。彼とて美味しくいただかれたい訳ではないが、何となく複雑だ。
そんなやり取りを聞きながら、天野はネズを肩の上へと乗せた。そうして勝手に駆け降りないように言い聞かせてから、はた、と2人を見つめて首を傾げる。
「……揃って何をしてるんだい?」
「何、新井がちくわの為に一肌脱ぐと言うんでね。買い出し位は……と、ブリジットは帰ったのか?」
そんな天野に説明をしかけた修は、出かける前に居た筈の姿が見えない事に気付き、すばるを振り返った。そうして彼が頷くのに、そうか、と駐車場に詰まれたちくわの段ボールを振り返る。
帰ってしまったとは言え、ブリジットもこの一件に関わって居るには違いない。アイデア料として2箱ばかり、彼女にも送ってやらねば不公平というものだろう、ああそうに違いない。
うんうん、と宅配の手配を整えようとした所に、何だって! と2つの声が同時に上がった。やはり偶然通りがかり、一和に事情を聞いた
御剣 刀
と、やっとの思いで辿り着いた不二夫だ。
「ちくわが余っている……つまり、ちくわを安く食べられるんだな!? 」
「しかも、手伝ったらちくわ食い放題だと!?」
2人の瞳に浮かぶのは、事情は違えど同じ思い。片や食いしん坊として、片や命懸けで、ちくわを思う存分食べられる、と言う喜びに沸き立っている。
なるほど、と天野も何となく事情を理解し、頷いた。つまりこの、ちくわしかないおでんを売り捌くため、2人は頑張ろうと言うらしい。
ならば天野も協力したい所だが、残念ながら天野はあまり食が太い方ではない。それに、ちくわと言えば確か――
「――魚肉だよね? 僕、肉は苦手なんだよね……」
「売れる様なアイデアを出してくれたら、凄く助かるよ。これからやがみんとちくわに色んなものを詰める所だし」
「いや、俺は勉強があるから、そろそろ……」
「え? もうちょっと手伝ってよ」
ぎょっとして逃げようとした修に、すばるが捨てられた子犬のような眼差しを向けた。うっかりすると、着ぐるみにしょんぼりうなだれた耳と尻尾が見えてしまいそうだ。
はぁ、と溜息を、吐く。
「――もうちょっとだけだぞ」
「よし、じゃあ俺も手伝わないとな! せっかく新井がちくわのためにひと着ぐるみ脱ぐっていうんだし!」
そうして、渋々搾り出した修の言葉に、ぐっ、と刀が拳を握ったのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月13日
参加申し込みの期限
2013年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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