R&R Agency：File03：１９９９年からの使者２｜リアクション

R&R Agency：File03：１９９９年からの使者２

● 再会

　円とトワと瑠樹が階段を駆け下りてくると、食事を運んでくれた信者の女性が裏口へ手引きしてくれた。そこにはロベルトが車にエンジンを掛けて待っていた。
「早く乗って！」
　円は大急ぎで後部座席のドアを開ける。と、車の中にはロベルトによってショタ化された仲間たちがぎゅうぎゅうに詰まっていた。トワと瑠樹に続いて、円が乗り込んだ。体を押し込みながら苦笑する。
「ショタの缶詰みたい」
「パラダイスでしょ？　で、えーっと、アクセルは……」
　車はタイヤを空転させてバックした。少年少女は悲鳴を上げた。
「ごめんごめん！　間違えた！　どこかつかまってて」
　ロベルトはアクセルを踏み、ハンドルを回す。
　車は前に発進し、丘を下り始めた。が、右に蛇行、左に蛇行で、危険極まりない運転だ。
「ぎゃー！　もうちょっと何とかならないか！」
　亮が叫ぶ。しかし、そんなこと言われてもロベルトも必死である。
　ガチガチの手でハンドルを握って、ガチガチの足でアクセルを踏んでいるのだ。
「前に動いているんだから褒めてよね！　あと舌噛むから黙ってるほうがいいよ！」
「酔～う～！！」

　と、正面から一台のピックアップトラックがやってきた。
「ロベルト先輩～！！」
　助手席の窓から顔を出して大きく手を振っているのはタルトだ。
　運転しているのはジャック。後部の荷台にはオルカと牡丹も乗っている。

　こうして二台の車は、街に入る手前で落ち合った。
「あやめちゃん！」
　牡丹が荷台から飛び降りた。あやめも同じように車から飛び出すと、牡丹に駆け寄り固く抱き合った。
「お姉ちゃん！？　来てくれたの？　……ありがとう」
「ああっあやめちゃん！　なんて可愛い姿なんでしょう。食べちゃいたい……」
　ショタ化したあやめの柔らかいほっぺたに自分の頬を擦りつけていちゃいちゃする牡丹。
「さ、みんな荷台に乗ってくれ。ここからはジャックの運転だ」
　オルカはショタ化した子どもたちに指示したのち、運転席でぐったりしているロベルトに歩み寄った。
「ロベルト先輩？　悠月もアカリくんも心配してたぜ」
「ほんと？　早く会いたいよ。でも今はやらなきゃいけないことが……」
「わかってる。大ピラミッドだろ？　ふたりは先に行ってる。行こうぜ、地球を救いにさ」