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バレンタインが近い。
バレンタインデーが近い。
「毒を食わせたら洒落にならんのだ」
湯せんのボウルでホワイトチョコレートを溶かしつつ、魔女の生贄じみた蛙マントに全身を包んだ
後木 真央
は呟く。
「生食可限定なのだ」
溶かしたホワイトチョコレートの中、放り込むのは湯がいて食べたら舌がキシキシ痺れたえぐみの強いほうれん草を怒りと悲しみをこめて粉砕したペースト、猫鳴館廊下の共用キッチンの冷蔵庫の奥で誰も手を出されぬまま放置されていた粉末青汁、同じく長らく冷蔵庫で眠りについていた胃薬の匂いがする謎の香辛料。
「リア充一撃死いちげきしげきし」
呪いの呪文を唱え、寝子島に長らく存在する『Real enhancement destruction committee(リアル充実撲滅委員会)』なる悪魔集団の構成員デビルサンタさんを称する真央は、バレンタインを楽しむリア充共を打ち滅ぼさんと手作りチョコに安全悶絶な隠し味を混ぜ込む。
目指すは見た目は抹茶チョコ、しかしてその実態はリア充の意識を一撃で刈り取る、必殺チョコ!
ボウルの中、毒々しい緑沼色と化したホワイトチョコを一匙すくい、躊躇なく口に含む。途端、リア充への呪詛のために必殺チョコと同じ緑沼色と化していた大きな瞳が不快げに歪んだ。
「……足りないのだ……」
地獄を見た者のように低く呻く。
「まだまだ深みもえぐみも足りないのだっ」
猫鳴館の一室に痛切な絶叫が響き渡る。
「むむむ……」
自室のあちこちに隠した『もうどうしようもなく非常時用』の草の味しかしないお菓子のかたちしたナニカも、寮の魔窟でもあるキッチンの冷蔵庫のダークマターも、必殺チョコに溶かし込めるものは全部混ぜ尽した。
それでもまだまだ、スペシャルチョコの隠し味としては不足している。
「採取に行かねばなのだ……」
蛙マントをばっさと脱ぎ捨て、真央はいつもの赤猫リュックひとつで猫鳴館を飛び出す。確か桜台墓地下の桜川上流に架かる小さな橋の下には頃合いの野草がたくさん生えていた。
「フキノトウ菜花クレソン蓬、……うふ、うふふふ」
春先の食べられる野草は得てしてえぐみ苦みが強い。スペシャルチョコの隠し味としてはうってつけ。
春まだ浅い九夜山の草叢を野良猫の勢いで真央は駆ける。
「こう、」
寒空に拳を突き上げる。
「一撃で一瞬意識を刈り取りたいのだ」
それは考えるだに難しい。
「うーむー……」
唸りつつ駆けるうち、山と町の境目を勢いよく飛び越え、桜台墓地の脇を過ぎ、桜川に到達する。目当ての小さな橋を視界に捉えた途端、
「イケニエ……グレちゃん発見なのだ!」
小さな石橋の脇の石段の一番下に腰掛け、野菜満杯の袋を手にひとり黄昏る黒髪の男を見た。
元は別の世界の住人で、様々を経て寝子島の住人となった、日暮と名乗る男を目にするなり、
「久しぶりなのだグレちゃん!」
真央は体当りの勢いで男の元へと駆け寄った。
「んあ、真央」
「こんなところで協力者に会えるとは真央ちゃんの運も捨てたもんじゃないのだっ!」
のんびりと振り向く日暮の傍、真央は全身で喜びを表して飛び跳ねる。
「グレちゃんが女の子いっぱい生活に突入したと風の噂で聞いたのだ!」
王様の耳はロバの耳、と薄い胸を張る。
「真央ちゃんには全てお見通しなのだ! だから遠慮なく被験者……」
うっかり被害者と口走らなかった己を褒めつつ、真央はげふげふとわざとらしく咳き込んで言葉を誤魔化す。矢継ぎ早に日暮に言い募る。
「協力者になってくれて構わないのだ!」
「なんや相変わらず賑やかやなあ」
「協力してくれたらこちらの!」
言って赤猫リュックから取り出すは涙色の包装紙とリボンで丁寧にラッピングされた、
「『絶品! 俺たちの涙の塩チョコ』! これを差し上げるのだっ」
「不穏な名前やね」
「おうちで夕ちゃん達と食べるといいのだ、女の子は甘い物好きなのだ」
「……ああ、まあ確かに好きやなあ」
頷く日暮の手に塩チョコの箱を押し付けてしまえば、被害者もとい被験者確保は完了。
「いっつも何やかんや貰っとんな。貰いもんで悪いけど、これ」
協力者から何故か春菊の束を贈られようとも、リア充撲滅に燃えるデビルサンタさんたる真央に手心を加える気は一切ない。
「ではいくのだ……『必殺! リア充撲滅チョコ』の栄冠はどのチョコに……」
「ちょ、必殺て何」
「ダララランッ!」
殺意滾る名前に怯える日暮の言葉を遮り、真央は口でドラムロールしつつ鞄から個包一口サイズのチョコレートを引っ張り出す。
「コレがわさび、コレがカラシ、」
ひとつずつ日暮の掌に載せる。
「こっちがデスソース、コレが……」
イケニエは一目散に逃亡した。
「待つのだまだ全部出してないのだー!」
鞄を片手に怒りの声をあげる真央に日暮は手を振る。
「またな、真央。これは酒の肴にしとくわ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月29日
参加申し込みの期限
2016年10月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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