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バレンタインデーなんて知んねーし!
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テーブルを挟んで、あんなと桃川圭花はさし向かいに座る。
「いやあ、足止めてくれて助かったっすよー。今日寒いっすからねえ」
と言う彼女を近くでしげしてと見て、圭花は内心「むー」とうなった。
――てか私、こういうタイプ苦手なのよね……。
キャバ嬢としては普通なのかもしれないが、一般レベルからすればあきらかに派手だ。もともと目は大きいほうだと思われるが、それをメイクと付け睫毛でさらに大きく見せている。メイクは濃い目、金髪のうえにウィッグの盛り髪だ。言葉は悪いが獅子舞のような迫力がある。ヤンキー風の言葉使いにも少々なじめないものがあった。
「自分、こういう者っすー。ども、よろしくっすー」
彼女は桃色の名刺を差し出した。『あんな』と書いてある。
「あんなさんね……って、当然源氏名ってやつだろうけど」
「それ本名っす」
あんなはペンを取り、名刺の横に小さな字を書く。『杏音奈』とあった。
「これで『あんな』って読むんすけど、読めないっすよねえー。フツーに『音』とって『杏奈』にすりゃいいのに。だからひらがな使ってるけど、一応本名は本名ってことで」
あんなは歯を見せて笑うのである。たしかに『杏音奈』では読めそうもない。
「本名の人ってけっこういるの?」
「いやー、あんまいないと思うっすよ。まあ、自分、この店しか知らないっすけど~」
「もしかして新人さん?」
「そっす。まだ始めて何ヶ月ってとこっすね」
あんなによれば、この業界の常識ではしばらくは見習いというか、メインのキャバ嬢を補佐するサブ的な仕事が続くのだそうである。ところが新規かつ所属の『嬢』が少ないこの店では、入店して3日目にはもう一人で接客を担当したのだという。
「とはいってもまだまだ失敗が多くて……へへ、まあ、半人前ってとこっすね」
と言ってあんなは、自分がやらかしたあれやこれやを面白おかしく語ってくれた。
意外だな、という感想を圭花は抱いた。キャバクラという業界は、女同士の争いが根っこにあるため、つい自分を大きく見せがちなのではと思っていたからだ。
テーブルの上の圭花の手を見つめ、あんなはにこりと微笑んだ。
「ところで圭花さんって、ネイル綺麗っすね」
「え? 爪?」
「そう。なんかスベスベでつやがあるっていうかー。自分なんかもうパリパリで冬なんか大変で」
ほら、と示したあんなの爪は、ごてっとネイルアートが乗せられているが、くすんでいて重たげである。
「ああこれ……? えーと、プロの人にこんな話するのは、釈迦に説法って感じでもうしわけないけど……」
「プロっていっても駆け出しっすよ。シャカニセッポーってフランス語かなんかっすか?」
「いやフランス語じゃなくて……まあ、それはそれとして」
特別なことをしているわけではないけれど、と断って圭花は話した。
「ハンドクリームを、指先まできちんとつけるように心がけてるの。何かで読んだんだけどね、『爪の周囲の皮膚にもみ込むように』ってのがコツみたいよ。それと安いものでいいからネイルオイルを塗っておくだけでかなり具合がよくなると思う」
「すごい! 勉強になるっす」
身を乗り出し、ふんふん、と熱心に聞くあんなである。しばらくネイル関係の話に花を咲かせた。知っている店やアイテムの話など、これだけでいくらでも話し続けられそうなくらいだ。
会話が途切れたところで、「ところで」とあんなが言った。
「圭花さんのことも教えてほしいっすよ」
「私の?」
「たとえばー、ほら、明日、チョコをあげる男子とかいるんすか?」
「あー……それは……」
圭花は困ったように腕組みして、
「いるかいないか、という話なら……うん。男……っていうか。そんなようなもんっていうか」
ちらりと視線を上げる。
「ん、あんなさんには惚れないからご心配なく」
話が深刻にならないよう、軽く挟んで、
「私にとって最高のひとって、あの人だけなの」
と締めくくった。初対面のあんなにここまで話せたのは、どうしてなのだか自分でもわからない。
「いい話っすねえ……」
あんなは、しみじみと語った。
「その人も、それだけ想われて幸せだと想うっす」
うんうんと、首がもげるほどうなずいている。
「……てかあんなさんはどうなのよ?」
「あたしっすか!?」
まさか話がふられるとは思っておらず、あんなは飛び上がりそうになった。
「自分、そういうの全然っす。てか、生活してくので精一杯! いいお客さんもたくさんいるんすけど、恋愛対象とか考えたこともないっす……」
あせって動いたせいか、ほんのりとあんなから香水の香りがただよった。
「この香り、素敵よね」
「これっすか? じつは夕顔さん……あ、ここの店の先輩なんすけどね、その人が選んでくれたもので……」
「いいと思う。ちょっと大人になれる気がして」
大人、という言葉に思うところがあり、圭花は少し視線を落として、つづけた。
「……他人からどう見えるか知らないけど、相手が年上だとそれなりにいろいろと考えちゃうこともあるのよね」
「うーん、でも……」
あんなは、「間違ってたらごめんですけど」と断ってからこう言った。
「でもお相手さんは、いろいろと考えてしまうところを含めて、圭花のこと好きなんだと思うっすよ」
そしてまたあんなは、歯を見せて笑ったのだった。
じゃあそろそろ、と立ち上がったところで、
「あ、そうだ」
と圭花は荷物を探った。
「これ、知り合いに会ったら渡そうと思ってたんだけど。友達用なの。……よかったら、もらってくれる?」
「えー! 自分に、っすか!?」
「うん。なんか、いろいろ聞いてもらえたし」
「わー、友チョコっすね。人生ではじめてもらったっすー」
「そうなの?」
「うち貧乏だったから、こういうお金のかかる文化には入れなかったんすよねえー。もちろん本命もなし!」
大事に食べるっすー、とチョコの箱を抱きしめるようにするあんなを見ているうち、圭花は彼女への苦手意識が、いつの間にかすっかり消えていたことに気付いた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月17日
参加申し込みの期限
2016年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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