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バレンタインデーなんて知んねーし!
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バレンタインの類いのものには、ほぼ縁がなかった。
これまでずっとそうであったし、これからもそうだろうと思っている。
別に嫌って避けていたわけではない。ただ、
優木 遥斗
の進む道とこうしたイベントは、接点らしい接点がなかったのである。
ゆえに今、なんとも浮ついたシーサイドタウンを歩き、ハート色に華やいだ光景を見ても、遥斗の目にはそれは、遠い異国の風習程度としか映らないのだった。
簡単な買い物はもう済ませている。彼は桜花寮への道を急いでいた。街の空気から逃れたいというわけではない。単に、寒くて軽く空腹を覚えていたからだ。
ところが、近道のつもりで入った裏通りで遥斗は足を止めることになった。
相手も彼に気がついたようだ。えっ、と短く告げて固まっている。まるで、盗み食いの現場を見られた猫のように。
――洞窟の中にいた人……?
狭い道で出会った相手は、先日、鼻岬の鍾乳洞で出会った女性ではなかろうか。といっても自信はなかった。薄曇りとはいえ、陽の光の下で見ると印象が違う。華やかな服装、それと、化粧しているせいもあろう。
黙って女性も、遥斗の顔を見つめていた。
しかし沈黙が流れたのはわずか数秒に満たない時間だった。口を閉ざしていたままでいるのが耐えられなくなったのか、彼女は潤んだような目で遥斗に告げた。
「あなたはあのときの……?」
だがこのとき、
「泰葉さんそこにいたっすかー。そろそろイベントはじめるっすー。店に戻ってほしいっすー」
遥斗がいるのと反対側から別の女性の声がした。「すぐ行くから」と応じると、彼女は軽く会釈してその場を離れてしまったのである。
「……あのときはお世話になりました」
と短い言葉を残したが、それきりだった。
あ、と遥斗は手を伸ばしかけたが、結局、女生と言葉を交わすことはできずじまいとなった。
店、というのがどういうものなのか正確なところはわからないものの、この界隈ゆえ、学生服で竹刀を担いでいる自分が、気軽に立ち寄れる種類のものではあるまいと思う。だから、このまま去るのが賢明ということも理解している。
しかしこのまま、去りがたいものも遥斗の胸の内にはあった。
決して浮ついた感情ではない。ただ、後ろ髪を引かれるのだけは事実だ。
一分ほどそうしていただろうか。
「!」
驚いたことに、あの女性が戻ってきたのである。彼女は遥斗を見た。
直観的に、まずいことになったと彼は思う。不審がられるかもしれない。
ところが彼女の反応はまるで逆だった。
「良かった……まだいてくれました」
菫の花のように微笑むと、遥斗にこう呼びかけたのだ。
「今日はイベントなんです。良かったら見ていきませんか?」
遥斗は緊張せずにはおれなかった。
革張りのソファに腰掛けながら、背を預けることをせず、両膝にしっかり手をおいている。
はっきりいって場違いだと思うが、それも仕方がないではないか。
いわゆるキャバクラというやつだろう。この店は。もちろん、遥斗にとっては初体験の空間だ。
そんな彼の様子に、「なんだか武田信玄みたい」と彼女は笑った。
「武田信玄、ですか」
ということは顔も赤いということだろうか……などと遥斗は考える。
「いえ、あの、気にしないでください。もうちょっとリラックスしてもいいと思いますよ」
彼女は泰葉(やすは)と名乗った。
「泰葉……さん? そうだ、俺は……」
遥斗は生徒手帳まで開いて見せる。その様子にまた泰葉はまたくすくすと笑った。
「真面目なんですね」
そして泰葉は改めて先日の礼を述べたのだった。外まで送ってもらった後は無事に帰ったということだ。その目を見て遥斗はようやく、彼女があのときの女性であると確信したのである。
「泰葉さんは……あのとき……」
尋ねかけて、遥斗はすぐに口を閉ざす。プライベートのことを訊くべきではないと思い直したのだった。遥斗の様子に気がついたはずだが、泰葉はそこに触れなかった。そのまま黙り込む遥斗を気遣うように言う。
「で、イベントというのは、チョコレートを配るってものなんだけど……」
すると反射的に、遥斗の口から言葉が飛び出したのだ。
「チョコレートください!」
剣道で面を打つときのような勢いだったが、泰葉はそれをやわらかく受け止めてくれた。
「はい」
どうぞ、と小箱を差し出してくれる。おずおずと遥斗が手を出すと、そっとつかんで、乗せてくれた。
ひんやりとした手だった。遥斗の手よりずっと小さい。そして、いい香りがした。
「……綺麗ですね」
「お上手ね」
泰葉はまだ手を離さない。小さく、
「ありがとう」
と付け加えた。
結局、それ以外ほとんど会話を交わすこともできず、そのまま遥斗は出口まで送ってもらうことになった。
「学生服の子に声をかけるのはルール違反なんだけどね。でも今日は、先日のお礼をかねて、特別」
大人になったらまた来て、と泰葉は告げてくれた。
大人になったら――なんだか遠い先のことのように遥斗は思う。
これから先、どうなるかはわからない。そもそも彼女に、また会えるかどうかすら。けれども遥斗は、
「もしも何かあったら知らせてください」
とだけ、泰葉に言い残したのだった。
泰葉はなにも言わなかったが、一枚の名刺を渡してくれた。
薄い桃色をした『プロムナード』の名刺だ。裏側に鉛筆書きで、携帯電話の番号が記してあった。
まだ見習い、と自称するものの、あんなだってもちろんキャバ嬢だ。さすがに赤いジャージは着替えている。
モノトーンのタイトなワンピースに真珠のネックレス、靴は黒で大人っぽく決めてみた。といっても口調はあいかわらず「どーもっすー」だったりするわけで、背伸びしているように見えてしまうのは致し方ないところ。
今日はまだ日の高いうちから、籠を片手にティッシュ配り……ならぬチョコレート配りである。『こういう地道なプロモーション活動こそ明日への鍵!』と信じ込んでいる彼女は、結構熱心に配布にいそしんでいるのだが、気ぜわしげに行き交う人々はなかなか受け取ってくれない。そもそも、視線すら向けてくれない人が大半なのだ。
「むー……都会の冷たさを感じるっすねー」
薄着で立っているものだから、感じる寒さもひとしおである。
けれどあんなはめげない。服の上から腕をごしごしとさすって、
「チョコいかがっすかー」
と、野に咲く花みたいな笑顔で呼びかけた。相手は選ばない、老若男女、当たって砕けろといった調子だ。
するりとスルーしようとしたものの、ちょっと歩調を間違って、
桃川 圭花
は足を止めてしまった。
「そこでお店やってるんすー」
これ幸いとあんなは声をかけた。はい、と圭花の手にチョコの小箱を握らせる。
美容室? と思って何気なく箱に目をやった圭花は、『CLUBプロムナード』という文字に目を留めた。
「ここって……」
「あれっす」
あんなは屈託のない様子で自分の背後を指した。すぐそれがなんであるか圭花も理解する。
――もしかしなくても、そういうお店よね……。
「あそこの従業員……?」
「そっすよ。よかったら、ちょっと中で話していかないっすか。やー、お金とか取らないので安心してほしいっす。ここ寒くって……」
圭花は普段、キャッチみたいなものに引っかかるほうではない。むしろそういうのを避けるのは得意なほうだ。
けれども今回は、アハハ、と笑う彼女の様子に裏がなさそうだったこともあり、普通ならほぼ入れない場所への興味に負け、思い切って入ってみることにした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月17日
参加申し込みの期限
2016年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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